2014年4月26日土曜日

睡眠専門外来をメンタルクリニックで行う意義

現在、日暮里のあべクリニックと、所沢市小手指の平沢記念病院で、睡眠専門外来を開いています。あべクリニックは、都会型のメンタルクリニックで、精神科ディケアもやっています。平沢記念病院は、入院病床もある精神科単科の病院ですが、老人病棟もあり思春期の患者さんから高齢者までが見えています。

そこで、睡眠専門外来をやると、訴えは睡眠に関連したものだけれども、実際のところは他の疾患の症状として睡眠を訴えて見える患者さんが多くいることに気づきます。最も普通にあるのが、うつ病です。うつ病はほとんどの患者さんで睡眠障害がありますが、うつ病の症状を訴えるよりも、睡眠障害のほうが訴えやすい面があるためか、睡眠障害で見える方も多く居ます。

また、最近多く見えるのが発達障害です。これは、すでに書き込みましたが多くいるので驚きます。私のところに見えるのは多くは、中学生、高校生以上です。成人の方も多く見えます。正直なところ、ストラテラやコンサータといった、発達障害の薬が使えるようになって、この疾患の診断が多くなったようにも思います。ここ2年位のことです。

また、まれですがてんかんの患者さんが見えることもあります。てんかんは、多くは痙攣を伴う疾患ですが、単純部分発作という病型は、意識の低下を主体とする病態で、日に何度かこのような状態になります。ある患者さんは、意識がなくなって、はっと気づいたら、時間が経っていて、その間の時間が抜けていたというようなことを言っておられました。このような場合は、てんかんの治療を行います。てんかんの治療で、この症状は収まりました。

睡眠専門外来は、このように誤診を防ぐためには、精神科一般の幅広い知識が必要だと思います。このようなことは、7月に行われる学会で発表をしようと思って現在準備をしているところです。

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