2015年11月27日金曜日

レッズの最終節: VIP席で観戦しました

浦和レッズの最終節は、VIP席で観戦しました。エアウィーヴがレッズのスポンサーになっているために、とっていただいたのですが、最終節はやはり良いものです。レッズサポーターもいつもながらですが、応援に力が入ります。
フォワードとしても懸命の
ディフェンスをする
渡邉千真選手。頑張れよ!
対戦相手は、ヴィッセル神戸でしたが、一つ私の中にはジレンマがありました。ヴィッセル神戸のフォワード渡邉千真くんは私のゼミの卒業生です。彼は、早稲田大学時代他の選手とは違って頭一つ出たフォワードでした。いつも、いいところに居る、と言うのは彼の動きの感覚がそうさせるのでしょうが、彼を見ているだけでもサッカーが面白く感じられます。

渡邉くんは卒業後、FC東京に入りました。FC東京には、国見高校の先輩でもある徳永くんが居たということもあったかもしれません。徳永くんについて言えば、彼は早稲田大学の宝でしたが、その頃早稲田大学は都リーグ(3部)で、徳永くんはあれほどレベルの高い選手であったにもかかわらず、結局1部リーグでプレーすることは無かったのではないかと思います。あの頃は、横浜Fマリノスに行った兵藤くんとか、早稲田にはいろいろ居ましたね。皆、スポーツカウンセリングなど私の講義をとってくれて、楽しかったです。

さて、そういうことで、渡邉くんは写真のように持ち前の運動量で相当動きまわったのですが、渡邉くんにとっては残念ながら、好調のレッズに押されて、5-2でレッズが最終節を勝利で飾ることになったわけです。

試合後は、鈴木啓太選手の引退セレモニーなどもありましたが、私は家の都合で早めにスタジアムを後にしました。

今季は、2ステージ制になり、今後Jリーグの覇者を決めるチャンピオンシップが明日から始まります。レッズは、明日はガンバですが、好調の波に乗ってぜひ年間チャンピョンになってほしいと思っています!

PRIDE OF URAWA

2015年11月23日月曜日

松岡修造氏とエアウィーヴAirweaveの勉強会で一緒に睡眠の勉強をしました

先日、エアウィーヴの「成長期における睡眠についての勉強会」に登壇しました。この会は、製品紹介というよりも、成長期の子どもたちになぜ睡眠が必要なのかということについて、勉強する会として開かれたものです。私は、松岡修造氏と一緒に登壇できて、とても楽しい一日でした。

エアウィーヴ勉強会の様子
左から、高岡会長、松岡氏、内田、田野瀬理事長
楽しい雰囲気です
冒頭に、松岡修造氏のトークショーが有り、進行役の進藤晶子さんとなかなか絶妙な駆け引きで、聴衆を惹きつけたあと、エアウィーヴの高岡本州会長、京大合格日本一の西大和学園中学校・高等学校の田野瀬太樹先生、そして私が登壇し、成長期の睡眠についてのお話をしました。

西大和学園は、寮にすべてエアウィーヴが入っているようです。また米国のIMGにおいても、寮はすべてエアウィーヴで、これによって競技力が向上したというデータも紹介されました。

私は、この中で睡眠がスポーツ選手にとっても非常に重要な事だということを、Cheri Mah先生のデータなどを取り上げながら話しました。これには、松岡修造氏も興味深く聞きいっておられました。また、アスリートはこういうデータを示せば、なるほどと納得しますというお話もしておられました。

成長期の睡眠は、非常に重要です。成長期は、まさに脳の発達期でもあり、様々な変化が脳の中で行われています。この時期に、質の良い睡眠を十分取るということは脳の発達を促進するという意味で重要だと考えられます。この結果として期待できることは、本来持っているその子供の能力を十分引き出し、更には精神面では情緒の安定も得られると思います。この時期の脳の安定した成長は、成長後にうつ病になりにくいなどのストレスに対するレジリエンス(逆境から立ち直る力)が強くなるということも言えると思います。

時には、真面目な内容もあり、また、松岡修造氏の楽しいコメントも有り、とても楽しめる勉強会だったと思います。このようなことを通じて、成長期の子どもたちにおける睡眠の重要性などについても広く知識が広がるのはとても良いことだと思っています。

2015年11月20日金曜日

duloxetineとatomoxetineのKi値とADHDへの効果

先日勉強会の中で、duloxetineというノルアドレナリン・セロトニン再取り込み阻害剤のKi値についての解説がありました。Ki値というのは、再取り込みを半分にする濃度で、ナノモル(nM)で表現されます。したがって、この値が小さいほうが少ない量で阻害ができるということなので、阻害作用が強いということです。

そして、ノルアドレナリンの再取り込み阻害をすれば、その分取り込まれないノルアドレナリンが神経伝達に働くのでノルアドレナリンの働きを強める事ができるということになります。つまり大まかには、Ki値が小さいほど、それぞれの神経伝達物質の働きを強めるということです。

そこで、duloxetine(サインバルタ)とatomoxetine(ストラテラ)の各神経伝達物質に対するそれぞれのKi値を比較してみました。サインバルタは抗うつ剤で、ストラテラはADHDの治療薬です。


Ki (nM)               5-HT        NA        DA

duloxetine           3.7           20        439

atomoxetine       152           4.5        658



この結果を見ると、atomoxetineは、やはりセロトニン(5-HT)に対しては、余り効果が期待できないことが分かります。duloxteineのほうが40倍以上強いということです。

ノルアドレナリンに関しては、duloxetineはatomoxetineほど効果は無いというものの、四分の一程度の効果はあります。したがって、60mg投与の場合は、atomoxetine 15mg投与くらいの効果は期待できるということになります。ともに、ドパミンのKi値はノルアドレナリンよりも高くドパミントランスポーターに対する直接的な効果は期待できません。しかしながら、前頭前野においては、ノルアドレナリントランスポーターがドパミン神経の投射系でも働いているため、前頭前野におけるドパミンの増強は期待できます。(*2015年11月21日訂正、参考資料…http://www.psychiatrist.com/brainstorms/documents/br6403jap.pdf)

このようなことを整理してみたのは、ADHDの患者さんに対して、duloxetineが薬理学的にどの程度の効果があるのかどうかを考えてみたかったからです。うつ病の患者さんの中には、時にADHD傾向があり、このことも含めてストレスの多い生活になり、うつ状態になる方が居ます。このような方に対して、まずはduloxetineを選択し、寛解状態に達した後に、疾病教育や認知行動療法を行い、診断的に可能であれば、atomoxetineを投与するという方法も考えられます。

適用外使用なので、あまり積極的に使用するのが良いかどうかはわかりませんが、ADHD傾向のある患者さんで、これが原因で社会との摩擦が多くなり、ストレスを感じるというタイプの人に対して、うつ病治療としてduloxetineを用いた場合に、これがNAの作用としてatomoxetineの作用のどの程度の部分を担えるのかは抑えておいたほうが良い知識と思って調べてみました。

2015年11月16日月曜日

北関東のドライブ

余りアカデミックでない話で恐縮ですが、いわき市で講演を頼まれ、先日車で早稲田大学所沢キャンパスからいわき市まで行きました。これは、圏央道が、桶川から先東北道までつながったという情報があったので、ここを通ってみたいという気持ちもあったからです。Google Mapで、所沢キャンパスからいわき市までのルートを検索すると、都内を通過するルートが示されます(地図1)。しかし、私が通ったのは地図2のルートです。多分、都内を通過しないので地図2のルートのほうが速いと思うのですが、比較はしていないのでわかりません。地図をみると、距離は40kmくらい長いようです。これもちょっと以外ではありました。

地図1 都内を通るルート
さて、このドライブを取り上げたのは、北関東から南東北に至る自然がとても美しかったからです。圏央道から東北道のあたりは、首都圏のイメージです。宇都宮に近づくと栃木県も随分と広々としていて、自然が豊かなことに気づきますが、宇都宮の手前から北関東道に入り、水戸方面にルートをとると、本当に美しい自然が広がっています。

このルートの途中には、先日の大雨で下流でお大きな被害の出た鬼怒川も渡ります。北関東道は、一旦少し南下して水戸の南にある笠間で常磐道につながります。このルートが多少距離が多くなっている要因であるように思います。ただ、水戸と宇都宮をつなぐという意味で重要なルートなのだと思います。

地図2 北関東道を通るルート
私の感覚だと、水戸まで来るといわきはもうすぐと思うのですが、実は地図をみると、水戸までで半分くらいです。そこからいわきまで更に100kmあります。このルートもとても自然がきれいでした。紅葉も始まっている景色は、ドライブにはもってこいです。いわきに近づくと、トンネルがとても多くなってきます。

いわきでは、講演後食事をしたのですが、地魚は全く出ませんでした。未だに、原発事故の影響があり、出荷ができない状況なのだそうです。試験捕獲をして、放射能の影響をみているようですが、今年の10月では、基準値以上の検体はでなかったと、水産庁のホームページには書いてあります。

出荷が始まるのは近い将来なのかもしれませんが、未だに海産物への影響が大きいということについて、暗澹たる思いがあります。

いわき市は、福島第一原子力発電所の事故処理に関連したベースキャンプになる街であるようで、人の行き来は多いようです。しかし、やはりこの事故のもたらした影響の大きさを考えさせられました。

水産庁のホームページより
北関東の美しい自然と、福島第一原子力発電所の事故とその影響、そんなことを考えさせるドライブでした。

2015年11月13日金曜日

変形性膝関節症

今年の4月ころ、学生とフットサルをやったのが一つのきっかけだと思うのですが、左膝の不調が続いていました。また、少し良くなった後7月ころにはジョギングなども再開し、再び悪化。更に、この不調は夏に、1年生の野外活動実習(サマーキャンプ)で、菅平の根子岳に登った(というより、おりた)時に更に悪化してしまいました。階段を特に降りるときに右足を下に下ろすときに左膝が痛みます。登る時もそれなりに痛みます。平らな道を歩くのは、比較的楽でした。その後、本学の福林徹教授(フランスワールドカップ日本代表チームドクター)に御高診を賜り、レッグ・エクステンションをして筋力をつけるように言われていたのですが、痛みのためなかなか筋力もつけられない状態が続いていました。


私が滞在したホテルのフィットネスルーム
なかなかよい機材が揃っていました。
毎日利用しました!
10月に入って、再び福林先生に御高診賜りました。変形性膝関節症ではないかと思うとお話しましたところ、「診断は、正解ですね。」とお褒めの言葉をいただきました。そして、アルツ(ヒアルロン酸ナトリウム注射液)+他の混合薬の膝関節への注射をしていただきました。もう、数年前にこれをしてもらった時に、非常に良くなったので、期待していたのですが、痛みは軽くなったものの、以前ほどすっきり良くなりません。

しかし、筋トレが可能になったので、先週一週間タイに行った時に、到着した月曜日から、帰国の日曜日の朝まで7日間、ホテルのジムに通いました。良いレッグ・エクステンションのマシンがあり、これでかなり筋トレをしたところ、痛みが取れてきました。また、膝のあたりもしっかりしてきた感じがします。また、有酸素運動と食事にも気をつけて体重を3週間ほどで3kgほど減らし、更に減量中ですが、非常に良くなってきています。痛みが取れると、スクワットもできるようになり、現在継続中です。




ヒンズースクワットを日課にしようと思います。使用しているアプリとこのヒンズースクワットのYouTubeを参考にしています。

私も、来年は60歳になりますので、体のケアは大切です。運動、食事、睡眠 と、講演などでは話していますが、自分が実践できなければ意味がありません。これを機会に、しばらくサボっていたトレーニングを再開します。

なかなか定期的にジムには行けないので、自宅でのトレーニングをします。自重のトレーニングと、ダンベル、チューブなど、あとは自転車エルゴメーター(そしてウォーキング⇒ジョギング再開)です。私は、トレーニングの専門家ではないので、すこし同僚のトレーニング専門家にメニューを相談して、続けられるメニューをつくってみたいと思っています。

2015年11月9日月曜日

あれ、何しに来たんだっけな (ADHDとワーキングメモリー)

ADHDの患者さんは、「記憶力が悪くなった。」というふうに言われます。やらなくてはいけないことを、忘れてしまう。ものをどこかに置いて、そのままどこに行ったかわからなくなってしまう。こういったことが多くおきるからです。しかし、これはアルツハイマー型認知症にみられる記銘力障害とは異なっています。アルツハイマー型認知症では、朝ごはんを食べたことを忘れてしまうなどということが、中等症くらいからは出てきます。

ADHDにみられる、このような「記憶力の低下」は、ワーキングメモリーの障害というふうに思われます。ワーキングメモリーというのは短期記憶に分類される記憶で、例えば、電話をかける時などメモをみて、数字を覚え、それでプッシュして電話をかけるという時に、作業に関わる短時間の間記憶をとどめておくものです。このような記憶は、「そうだ、隣の部屋に行って、ハサミを取ってこよう。」と隣の部屋にいった時に、目的を頭に留めておくということにも用いられます。そういうときに「あれ、この部屋に何を取りに来たんだっけなぁ。」となる場合は、このワーキングメモリーの働きが不十分だという事にもなります。

このようなワーキングメモリーの障害は、臨床の場で見ていてもADHDの患者さんには多く見られて、冒頭に書いたように「記憶力が悪くなった。」と言われます。文献1に示されているように、様々な研究で、ADHDの患者さんではワーキングメモリーが障害されていることが示されています。これは、臨床的な愁訴ともよく合う結果です。

この症状は、ADHDの治療に用いられる薬物の効果とも整合性が有り、一般にワーキングメモリーは、ドパミン系の働きが強く関与していると考えられています。またノルアドレナリンもこれを補足する役割を持っていると考えられています(文献2)。したがって、薬物療法も直接的に意味があるわけです。

また、文献3に示されているように、ワーキングメモリーのトレーングが効果があるということです。これらは、成人に対しても行うべきトレーニングであるようにも思います。

ADHDに関連しては、注意や覚醒レベルに関わる薬物療法とともに、こういった特徴的な症状に対する個々のトレーニングはやはり重要であろうと思います。




1.  Martinussen, R.,  Hayden, J.,  Hogg-Johnson, S.,  Tannock, R.
A meta-analysis of working memory impairments in children with attention-deficit/hyperactivity disorder  (Review)
Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry
Volume 44, Issue 4, April 2005, Pages 377-384

2 Dash PK, Moore AN, Kobori N, Runyan JD.  Molecular activity underlying working memory.  Learn Mem. 2007 Aug 9;14(8):554-63.

3.  Klingberg, T. ,  Fernell, E.,  Olesen, P.J.,  Johnson, M.,  Gustafsson, P.,  Dahlström, K.,  Gillberg, C.G.,  Forssberg, H.,  Westerberg, H.
Computerized training of working memory in children with ADHD - A randomized, controlled trial  (Article)
Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry
Volume 44, Issue 2, February 2005, Pages 177-186




2015年11月6日金曜日

映画: Me and Earl and the Dying Girl, Alfonso Gomez-Rejon監督 (2015)

タイへの飛行機の中で、表題の映画をみました。なかなか良い新作映画なのですが、日本公開は未定ということです。飛行機にのると、ほぼ必ず映画を見ますが、今回はJulassic Worldとこの映画を見ました。

この映画は、なかなか考えさせられる感動のある映画です。白血病で亡くなる運命にある、しかし特別仲良しでもない同級生の女の子に会って話をしろと急に母親に言われた、どちらかと言うとひここもりがちの、しかしユニークな男子高校生Gregとその友達のEarlと、そしてその女の子の様々な心の交流について描いたものです。

まだ公開されていないので、細かくストーリーを書かないほうが良いのですが、最初のあたりはあまり引き込まれなかったのですが、次第に引き込まれていって、なかなか感慨深い余韻の残る映画でした。

人とのつながりというのは、長く一緒にいるという時間の中で作られてきて、そして、それは一方的に観ている世界だけでなく、相手からの世界、これらはなかなか共有できないのですが、それもあり、これがまた後からわかる。そして何よりティーンエージャーの純粋な心の動きに心を洗われる思いです。

もし見る機会があるならば、おすすめです。

2015年11月2日月曜日

タイ・プレミアリーグ観戦

10月31日土曜日、チュラロンコン大学のJuta先生のご好意で、タイ・プレミアリーグを観戦しました。それも現在リーグ2位のムアントン・ユナイテッドとバンコクの地元チーム、アーミー・ユナイテッドの人気カードです。

タイ・プレミアリーグでは、かなりの日本人選手が活躍しているようです。実は、私のゼミだった学生も、タイ・プレミアリーグでプレイするかもしれないという話をしていたのを覚えています。プロとしてサッカーを続ける道がいろいろと増えたなぁという気がします。自分の人生は自分のものなので、やりがいのある仕事としてプレイできるなら素晴らしいことだと思います。



私がこの日に応援した、アーミー・ユナイテッドにも日本人の平野甲斐選手がおりました。セレッソ大阪からレンタル移籍をしているようですが、なかなか活躍しているようでした。連れて行って下さったJuta先生(私の隣の黄緑のポロシャツ。タイ・プレミアリーグではなかなかの顔のようです)のご好意で、ロッカールームにも行き、平野選手にも挨拶してきました。

試合は、2-1でホームのアーミー・ユナイテッドが勝利しました。自分が応援しているチームが勝つのは、いつも良いものです。決定力にかけるところがありますが、これは日本のリーグも似たところです。全体的には、Jリーグよりもレベルは低いと思いますが、決して非常に低いわけでもなく、なかなか楽しめる試合でした。


タイ・プレミアリーグの結果URL:
http://www.goal.com/jp/tables/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0/519