2014年4月15日火曜日

ムズムズ脚症候群 (2) 小児のケース

昨日は講演会で、座長をしました。その講演会で、久留米大学精神科の内村教授による、ムズムズ脚症候群のお話を聴きました。ムズムズ脚症候群は、典型的には眠る前にじっと布団の中にいると、下肢がムズムズしてきて動かさずには居られなくなる病態の疾患です。

昨日のお話は、全体的な概論で知識を整理するのに、大変役に立ちました。その中で、自分として、臨床的に役に立つお思ったのは小児のケースです。私のところに小児のケースが来ることは比較的少ないのですが、時にムズムズ脚症候群を疑って小学生のお子さんが親御さんに連れられて見えることがあります。

小児では、遺伝的な背景があるケースが多くあるということで、両親のどちらかがムズムズ脚であるケースが多いということでした。また、小児のケースでは、ムズムズ脚症候群がADHD(注意欠如多動性障害)と誤られているケースが有るということを内村先生は話されていましたが、そうであろうとも思いました。私自身は、そのような誤診ケースには出会ったことはありませんでしたが、気をつけ る必要があると思いました。更には、合併例、つまりADHDはあるのだけれども、これにともなってムズムズ脚症候群があるケースも有る、ということで、こうなるとなかなか正確な診断が難しくなるだろうと思われます。

小児のケースの治療は、少量のドパミンアゴニストや、リボトリールを使うということでした。私は、ドパミンアゴニストを小児に使うことには、やや躊躇が会ったのですが、今後は少量から試してみようと思いました。リボトリールは、もとはてんかん薬として作られた薬で、小児にもよく投与されているので、まずはこちらから試すことになると思います。

いずれにしても、小児の場合は、訴えがあまりはっきりせず、診断が難しいケースも多いのですが、これらのことを参考に、今後更に臨床現場での実践に知識を活かしたいと思っています。


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