2014年4月6日日曜日

ブルーライト(青白光)をカットし、睡眠が改善 (白内障治療で眼内レンズ)

青白い色の光(ブルーライト)が、生物時計に作用して、リズムの位相を変化させるということが知られています。早朝に強い光を浴びることで、早寝早起き方向にリズムは変化し(位相の前進)、夜遅くに強い光を浴びると、リズムは夜更かし朝寝坊方向にリズムが変化します(位相の後退)。これに関連して興味深い論文を見つけたので、紹介しましょう(末尾参考文献)。

これは、中国の研究者の論文で、高齢者の白内障の手術の際、白内障でくもった硝子体(眼球の中のレンズ)を人工レンズに入れ替える手術があり、これは日本でもよく行われていますが、その際に透明なレンズでなく、ブルーライトをカットする眼内レンズを入れたところ、睡眠が改善したというものです。睡眠の質の評価は、ピッツバーグ睡眠の質質問票で行っていて、これが有意に改善したと報告しています。

夜間、光、特に青白い色の光は、脳の活動を刺激し、また生体リズムにも影響を与えて入眠しにくくなることが知られています。したがって、不眠症の患者さんに対しては、夜間の照明を電灯色(オレンジ色、あるいは褐色光)にして、あまり明るくしないようにおすすめしています。一般に日本の家庭は、欧米に比べて夜間の照明が明るいですね。これをもう少し暗くするということです。

このほか、ブルーライトをカットするサングラスをかけることも良いと思います。家族で暮らしている人たちは、ちょっと抵抗があるかもしれませんが、一人暮らしであれば周りを気にせずこれをやれますね。これは、コンピュータやスマートホンの画面から出てくるブルーライトもカットしてくれるので、良いと思います。

例えばこれです。
ブルーライト メガネ


それから、コンピュータの画面からブルーライトをカットしてくれるソフトウェアもあります。
例えば

f.lux というソフトウェア

これは、Windows, Mac, Linux, iphoneなどのバージョンが有るようです。

Android用には、私は、Twilight というのを使っています。

ブルーライトの影響は、様々な研究が裏付けているところですので、ぜひ試してみてください。

【参考文献】
Wei X; She C; Chen D; Yan F; Zeng J; Zeng L; Wang L. Blue-light-blocking intraocular lens implantation improves the sleep quality of cataract patients. J Clin Sleep Med 2013;9(8):741-745.



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