2014年4月25日金曜日

うつ病の運動の導入とトランスセオレティカルモデル(TTM)

大分春らしくなってきてましたが、外にでることも多いと思います。患者さんとお話していると、スポーツが好きな方も居れば、そうでもない方もいます。しかし、どのような季節でも殆ど家から出ずに、家の中でじっとしていて、まれに買い物で外にでるような生活ですと、どうしても生活全体の質は低下してしまします。生活全体の質というのは、生活習慣の三要素である、運動、食事、睡眠です。また、これにともなって気分の改善も図ることができません。

なかなか良くならないという患者さんには、いつも生活の改善の話をしています。外に出ずに、体を動かす機会が少なく、したがってお腹もすかないので大したものも食べないという生活の中で、よく眠れない、気分が落ち込みがちだという訴えがあった時に、では、薬をもう少し増やしましょうというのはあまり良いことではないと思います。そういう時には、少し時間をかけてでも患者さんに、こういう生活でよく眠れないから更に睡眠薬を増やしたりすれば、それは更に昼間動きにくくなって生活の質が悪化してしまうということをお話します。患者さんは納得されますが、すぐに生活が変わるわけでもありません。しかし、それは第一歩だと思います。まずは、それを認識することです。そうして、そこから具体的にできることを提示していくわけです。まずは、外にでること。あるいは、万歩計をつけて、到達できる目標歩数を決めること。食事を必ず決まった時間に取ることなどです。

このような目標ができたら、これを共に喜んで次の目標を作るわけです。次の目標は、毎日外にかならず出るなどの、次に到達しやすい目標を作ります。それができるようになってくると、自分自身でも良さが自覚されるようになって、次第に上の目標を作っていくようになることもあります。

実際に、いろいろな患者さんにこのようなことを進めていますが、例えば、なるべく歩くようにしていますという人、地元の公立のスポーツセンターなどは、精神障害者手帳をもっていれば無料で使えるので、そこに行くようになったという方、また、すこし自転車で遠出してみたという人も居ます。このように、それぞれの方がそれぞれのレベルで、それぞれの工夫をするようになるのは非常に嬉しい事です。

このような、段階的な運動の導入は、実は体系化されていて、トランスセオレティカルモデルと呼ばれています。健康運動心理学の分野で多く研究されています。早稲田大学にもこのような研究をしているひとが何人も居ますが、参考に竹中先生の訳された著書をご紹介いたします。



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