2015年3月30日月曜日

どうして頭部外傷後に長く眠るようになるのか? (Psychiatric Times記事)

Psychiatric Timesの3月27日の記事に、Moving Beyond “Hand Waving”: Why Do People Sleep a Lot After a Traumatic Brain Injury?という題名のものがありました。この、「Hand Waving」という英語の意味がよくわからなかったのですが、これは「ごまかし」という意味だそうです。次のような会話が示されています。

患者: 先生、頭をうって大分良くなったんですが、なんか最近良く寝るんですよ。どうして、こんなに長く眠れるんでしょうか。

医者: それは、当然本当に脳が回復するために、時間がかかるんですよ。その回復のために、睡眠が必要になるんですなぁ。

しかし、この医者の説明は全てウソでないにしても、多分にごまかしが入っているということを指摘しています。



この記事では、2015年の1月号のAnnals of Neurologyという学術誌にのった、Valkoらの論文を紹介しています。この論文で彼らは、2009年に発表した論文の頭部外傷の患者さんをフォローした結果を示しているということです。そして、乳頭結節という後部視床下部にある覚醒系の神経伝達物質をであるヒスタミンを産生する部位が損傷されていることを明らかにしたようです。さらには、ヒスタミンほど顕著でないけれども、視床下部外側野に位置するオレキシンを産生する部分も損傷されていることも記載されているようです。オレキシンは、これも覚醒を促進する神経伝達物質として働いており、これらの部位の機能不全が、睡眠過多を引き起こしているようです。このメカニズムは、外傷性のナルコレプシーにも通じるものです。

面白かったのは、この記事の最後にSidney Harrisという風刺漫画家が引用されているところです。この漫画はオリジナルの記事には掲載されていませんでしたので、私が探してきました。これを掲載します。

二人の科学者が、黒板の前の立って議論をしています。そして、一人の科学者が真ん中に書かれている部分を指さして、「ここで、奇跡が起こって」というところをさして、「この部分についての説明は、もう少し明確にしなくてはいけないなぁ。」ともう一人の科学者に話しています。

頭をうって、よく眠るようになるのは、「脳の回復には時間がかかるんですよ。」というごまかしでなく、「覚醒を促す、ヒスタミンやオレキシンという物質を産生する部分が損傷を受けているのかもしれない。」という、明確な説明ができるようになり、そしてそのことが明らかになればそれに対する治療も、目的に沿った形でできるようになってくると、著者は結んでいます。

なかなか良いコラムでした。興味のある方はぜひ、オリジナルをお読みください。


2015年3月27日金曜日

早稲田大学卒業式 2015

先日、早稲田大学の卒業式が、早稲田キャンパス大隈講堂で行われました。大隈講堂は、歴史のある建造物で、申し込むと見学ツアーも有るようなので、是非伝統の早稲田大学をご見学ください。

卒業式は、いつも、グッときます。4年間の間、付き合ってきた学生たちが成長する姿を目の当たりにするのは、大学教員ならではの醍醐味だと思います。学校の教師というのは誰しもそうだと思いますが、小学校の教師は小学校なりに、中学校は中学校なりに、高校は高校なりにそれぞれ生徒が成長する姿を見ることになると思うのですが、大学教員もまた人生の別のフェーズの成長を観察することになります。


大学の1年生の多くは、18歳、未だ未成年で、お酒を飲むことも許されません。大学でも、未成年がいることがわかっていて、大学教員が飲み会に出てそれを黙認するとなれば、監督責任が問われます。実際、大学1年生はまだまだ子供です。しかし、それが、2年生、3年生と成長し、4年生から就職活動が始まると、みんな自分がどのような仕事をするのが良いのか、という視点から自分自身の人生について考えるようになります。比較的うまく適応する学生も居れば、随分悩む学生も居ます。就活も、すぐにうまくいく学生もいれば、なかなか決まらず、これが非常に大きな精神的なストレスとなる学生も居ます。私からみれば、そういう学生もユニークで社会の中でも役に立つ学生と思うのですが、時に就職活動がうまくいかないことも有ります。

そんな時には、ゼミの時間でもみんながしっかりした気持ちを持って就職活動を続けられるように話をしたりもします。実際その後の様子を見てみると、就職がなかなか決まらなかった学生も、一旦仕事につくと、むしろ活躍していたりします。

今年の卒業生は、どんな人生を歩むのでしょうか。4年間一緒に過ごした学生が、卒業することはおめでたいことでも有りますが、ちょっとさみしい気持ちも有りますね。

2015年3月25日水曜日

精神生理性不眠症(Psychophysiological Insomnia)という診断

精神生理性不眠症(Psychophysiological Insomnia)は、いわば純粋に不眠の病態だけがあり、背景に他の疾患がないものというふうに考えられている、不眠症です。この診断名は、国際睡眠障害分類の第2版(ICSD2)では、項目としてあげられています。しかし、昨年刊行された、睡眠障害国際分類の第3版(ICSD3)では、精神生理性不眠症という項目が削除されています。不眠症は、図に示したような持続時間による分類のみになっています。この背景には、純粋に不眠だけという病態はほぼ無いということがあげられると書いてあります。実際に、このようなことは実臨床の経験ともよく一致する考え方で、これについては、「こころの科学」にも書きました。


先日、精神生理性不眠症の講演をした際に、聴講されていた内科開業医の先生から、精神生理性不眠症は、ICSD2の分類ということは分かったが、WHOの国際疾病分類(ICD)や、米国精神医学会による診断統計マニュアル(DSM)などでは、どうなっているのかと質問されました。

その時に、自分は必ずしも十分に正確に答えられなかったので、調べてみましたところ、以下の論文がありました。

Buysse DJ, et al. Clinical diagnoses in 216 insomnia patients using the International Classification of Sleep Disorders (ICSD), DSM-IV and ICD-10 categories: a report from the APA/NIMH DSM-IV Field Trial.  Sleep. 1994, 17(7):630-7.

これは、なかなか的を得た論文でした。1994年の論文なので、国際睡眠障害分類はまだ第1版ですが、「216例の不眠症患者における、ICSD, DSM-IV, ICD-10による診断」というものです。興味深いので、結果の表を3つ掲載します。一つ目は、ICSDとDSM-IVの対比、二つ目は、ICSDとICD-10の対比、三つ目は、DSM-IVとICD-10の対比です。

図は、見にくいので、大きくして見ると良いと思いますが、ICSDのPsychophysiological Insomniaは、ほぼ全てがDSM-IVのPrimary Insomniaと診断されています。

二つ目の図は、ICSDとICD-10ですが、これではPsychophysiological Insomniaはほぼ全てがNon-organic Insomniaとなっています。

三つ目の図は、DSMとICDですが、これは、なかなか興味深い結果です。DSMでPsychophysiological Insomniaに対応する、Primary Insomniaは、ICDでは、Non-organic Insomniaとほぼ診断されています(51例中44例)が、ICSDでNon-organic Insomniaと診断されているものがDSMでの診断がどうなっているかをみると、179例中44例がNon-organic Insomnia、1例がDelayed Sleep Phase Syndrome、112例がInsomnia/Mental Disorder、21例がSubstance Induced Insomniaになっています。

この三つ目の図が一番興味深かったです。この結果をみると、ICD-10による不眠症の診断は、必ずしも病態を丁寧に描出できないという印象も持ちます。

新しくなった、ICSD-3の分類が他の分類とどうか変わるのか新しい調査が必要になってくると思いますが、臨床の場では、不眠症の患者さんが100人いれば、100人その背景は違うので、結局のところは、患者さんの特質にあわせてきめ細かいケアをするということに行き付き、診断そのものの重要性は、二次的なものと考えられるのかもしれません。


2015年3月23日月曜日

スマホの睡眠アプリ

私は外来で患者さんに睡眠日誌をつけてもらうことをお願いすることが多くあります。睡眠日誌は、もっとも簡単な睡眠記録法で、患者さんが床に入った時刻と眠った時間、および覚醒した、起床した時刻を、横軸に24時間、縦軸に2週間位の表の中に、書き込んでもらうものです。グーグルサーチなどで、睡眠日誌と打ち込んで、画像をみると沢山の睡眠日誌がでてきます。これをダウンロードして使ってみると良いと思います。睡眠日誌をつけることよって、おおまかにどのような睡眠をとっていたのかが分かります。自分の睡眠時間がどのくらいか、大まかには誰も答えられると思いますが、実際につけてみると、思ったより少ない(あるいは多いことも?)あると思います。

このような睡眠日誌は、様々な疾患で有効ですが、やや客観性に欠ける面もあります。また、つけ忘れも多くあります。この、「つけ忘れ」あるいは「つけられない」という患者さんの場合は、これ事態が所見となる場合もあります。ひとつは、うつ状態などの具合が非常に悪くて、つける気力がない場合。もう一つは、注意欠如障害などの発達障害があり、これによって毎日行う作業ができない場合です。

このような睡眠日誌の他に、もうすこし睡眠を客観的に測定できる方法があります。より、お金を掛ける方法は、以前にこのブログでも紹介したウェアラブル機器を利用する方法です。こちらも、興味がありますが、最近はまた様々な機材が出ているので、またそのうち紹介してみたいと思っています。

さて、これよりももう少し簡単な方法には、スマートフォンを使うものがあります。私は、以前iPod Touchを使っていた頃に、Sleep Cycle Alarm Clockをしばらく使ったことがありましたが、最近はAndroidユーザーで、しばらくこのようなアプリは使っていませんでした。

調べてみると、私がここでレビューする必要はないほど詳細な記事がインターネットにありました。

スヤスヤ眠れてすっきり目覚められる毎日を求めて、睡眠アプリをいろいろ使い倒してみました

2014年11月の記事なので、内容も新しいでしょう。



この中で、私は、しばらく「熟睡アラーム」というのを使ってみようと思います。

こういったアプリに興味を持っている理由は、患者さんに勧めることを考えているからです。このようなアプリを使ってもらって、睡眠管理をしてもらえるようになるとよいなとも思っています。ただ、自分がほしい情報や使い勝手や信頼性となると、いろいろ調べてみましたが、まだこれ!というものに突き当たっていません。




2015年3月20日金曜日

ヒューブリス症候群: 傲慢トップ、経営リスク (朝日新聞記事: Brain article)


朝日新聞に非常に興味深い記事がありました。企業のトップが、次第に傲慢になり、その結果経営が危うくなるということが起こるケースが少なからず見られるようです。『トップが助言に耳を傾けず、冷静な判断ができなくなって経営につまずく。これを「傲慢症候群」と名づけ、提唱しているのは神経科医の経歴をもつ、英政治家のデービッド・オーエン元外相・厚生相(76)だ。』とあります。

興味深いので調べてみると、Brainという雑誌にオリジナルの論文が出ていました。Hubris Syndromeというがオリジナルの呼び名です。同名の著書もありますね。時間があれば、読んでみたいものです。

Brainの論文を見ると、アメリカ合衆国とイギリスの大統領や首相について吟味していて、双方とも少なくとも7名がこれに当てはまると表に掲載しています。
確かに、確固たる証拠がないままにイラク攻撃を始めたジョージ・ブッシュにしても、あるいは最近では、ナッツの出し方が悪いと航空機を引き返させた、大韓航空の副社長チョ・ヒョナにしても、間違いなくこれに当てはまると思います。

しかし、これは経営者になるとそうなってくるというのが正しいでしょうか。それとも、傲慢さが社会の中で上り詰める上で必要で、トップの座が手に入った場合にはむしろそれが仇になるというふうに考えたほうが良いのでしょうか。

此処からの考察は、まだ論文もきちんと読んでいないのでできませんが、少なくともBrainの方は読んでみようかと思っています。








2015年3月18日水曜日

ブログ1周年

このブログを始めてから、1年余りがたちました。

私は、大学医学部を卒業してから、研修医、臨床精神科病院の医師、大学病院の医師、アメリカでの研究生活、都立研究所での研究員、早稲田大学の教員、そして、最近は臨床も多くする用意なりました。そういった生活の中で、感じたこと、特に臨床をしていて、研究と臨床をどう結びつけるのかということについて思うことを発信していきたいと思って始めたものです。最初は、毎日書くことを目標にしていましたが、書く方も大変ですし、読む方もそこまで熱心に読んでくれる人は少ないので、回数を減らしたほうが良いというアドバイスもあって、週3回ペースにしています。

内容は、基本は医療に関わることですが、社会問題や時に映画の話題なども入れています。実は、私はジャズもとても好きなのですが、かなりマニアックに好きなので、内容的に一般向きでなくなってしまう恐れがあるかとも思って、多分まだ一度もジャズの内容は書いていないと思います。しかし、映画を書いているのにジャズを書かないという理由もないので、次の1年はジャズのことも書いてみようかと思っています。

この一年で、やはりヒット数が多いのは、薬物に関するエントリーでした。特に、ベルソムラ(オレキシン受容体拮抗薬)についてのエントリーは10000ヒットを超えました。これは、自分でも驚きました。一方で、それだけのヒットがあると書く内容にも慎重になってきます。しかし、自分が信じるところであれば、今後も正直に書いてみようとも思います。


2015年3月16日月曜日

World Sleep Day: March 13, 2015

昨日の日曜日は、World Sleep Dayでした。これに合わせて日本でも睡眠の日の行事が行われています。日本の睡眠の日は、3月18日のようです。また、日本では9月3日も睡眠の日に指定しています。これは、ぐっすり ということにかけているようです。

さて、この日には日本では各地で様々な講演会が行われます。そして、このような催しを牽引しているのが、睡眠健康推進機構です。実は私はこの機構のニューズレターの編集長をしております。この機構は、出張市民公開講座というのをやっていて、依頼があれば睡眠の専門家を派遣して睡眠についての講演会をやってくれるという仕組みもあります。

World Sleep Dayの今年のスローガンは、“WHEN SLEEP IS SOUND, HEALTH AND HAPPINESS ABOUND” というものです。訳すと、「睡眠が健全であれば、たくさんの健康と幸福た手に入る」というようなものです。

確かに、良い睡眠は健康をもたらすということは、ほぼ間違いありません。また、その健康は身体の健康だけでなく、心の健康にも及びます。

睡眠健康推進機構の公開講座は、全国各地でやっています。下記の情報も参考に、ぜひご参加ください。

2015年 春の「すいみんの日」市民公開講座 

2015年3月13日金曜日

腸内フローラ による うつ病治療 (1)

先日ゼミスキー合宿について書きましたが、シュプールイン苗場のオーナーである伊藤長三郎さんはとても勉強家で、健康な生活について色々と考えておられます。先日宿泊した際もちょっとご挨拶によるお酒が入ったところで、伺ったところ、「どぶろく」を振る舞っていただきました。「どぐろく」を売っているお店があるそうなのですが、そこに行ったところ高かったので自分でつくろうと思って作られたそうです。ちょっと酸っぱいながらも日本酒の香りのする独特の味わいで、意外と美味しく飲めました。

さて、その際に、NHKのテレビ番組を録画しているものがあるということで、それを見せてもらいました。NHKスペシャル「腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー」という番組です。その中で、腸内フローラを変えることが、うつ病の治療にも役立つという内容がありました。この事については、よく知らなかったので、調べてみました。

内容としては、マクマスター大学プレミシル・ベルチック博士が行ったマウスの実験で、活発なマウスの腸内フローラを臆病なマウスの腸内フローラと入れ替えると、臆病なマウスの行動が変わり、より活発になる(高いところからも臆病がらずすぐに降りられる)というものです。


更に調べてみるとNaverまとめというのもあって、腸内細菌はうつ病が治せる! うつ病と腸内細菌の大きな関わりについて というページにまとめが載っていました。

Scopus(文献検索エンジン)で、( TITLE-ABS-KEY ( intestinal  flora )  AND  TITLE-ABS-KEY ( depression ) ) で調べてみると、78個の文献が出てきました。

そこで、こういう場合は、Reviewを読むのが手軽で、多く引用されているものが一般には良いので、それを更に絞り込んで探してみると、下記のNature Reviews Microbiologyの論文が出てきました。

The interplay between the intestinal microbiota and the brain  (Review)
Collins, S.M. ,  Surette, M.,  Bercik, P.
Farncombe Family Digestive Health Research Institute, Department of Medicine, Faculty of Health Sciences, 1200 Main Street West, Hamilton L8N 3Z5, ON, Canada
Nature Reviews Microbiology
Volume 10, Issue 11, November 2012, Pages 735-742

抄録の中には、 gut-brain axis という言葉も出てきます。腸脳軸というものですが、これがどのように働いているのか、様々な精神疾患にどのように関わっているのかについても述べられているようです。これを手に入れて読もうとしたのですが、どうも早稲田大学はこちらには契約していないようで、やむを得ずこれに近い下記の論文を読むことにしました。

The Relationship Between Intestinal Microbiota and the Central Nervous System in Normal Gastrointestinal Function and Disease  (Article)
Collins, S.M. ,  Bercik, P.
Gastroenterology
Volume 136, Issue 6, May 2009, Pages 2003-2014

楽しみです。またレポートします。

2015年3月11日水曜日

スーパーグローバル大学(SGU) 第一回国際シンポジウム~スポーツ科学で楽しく健康に~

文部科学省スーパーグローバル大学創成支援早稲田大学スポーツ科学学術院 健康スポーツ科学モデル拠点 第一回国際シンポジウム~スポーツ科学で楽しく健康に~
が、先日3月4日に早稲田大学東伏見キャンパスで開催されました。

昨年10月から早稲田大学スポーツ科学学術院の国際担当副学術院長をしている関係もあって、このシンポジウムには非常に期待をもっていました。プログラムをご覧ください。ハンガリー、タイ、韓国などから大勢の研究者があつまりとても愉快な雰囲気でのシンポジウムでした。

このシンポジウムでは、私はクロージングリマークスをやったのですが、それよりもこういった集まりをもっと行って、教員だけでなく学生の交流ができると良いと思いました。SGUのヘッドである彼末副学術院長とも、軽井沢セミナーハウスなどで、サマーキャンプなどをして、何日か缶詰で学生・教員が一体になって、議論するような催しができると良いと話し合いました。

国際化には、まずなんといってもみんなが友だちになることです。その中で、国際化の方向性がより明確に見えてくるでしょう。

2015年3月9日月曜日

映画: スター・ウォーズ新作 フォースの覚醒 (2015.12.18. 公開予定) (1)

スター・ウォーズの新作が今年末に公開されるそうです。スター・ウォーズというと、思い出すのは「神話の法則」です。私自身は、スター・ウォーズについて、さほど詳しいわけでもなく、多分いくつかのエピソードはこれまで観ていると思いますが、正確には覚えていませんでした。ただ、多くの人を引きつけるストーリーには、背景に神話の構造が有り、その神話の構造は、精神分析学で取り上げるような、人の深層心理に潜んだ無意識の構造と重なるということを、知識としては知っています。



ちょっと、調べてみると、スター・ウォーズに関して、このような事を言っているのは、ジョセフ・キャンベルという学者であるようです。

更に、これについて書いてあるサイトや、本なども出ているようなので、少し読んでみようかとも思っています。また、YouTubeに対談の動画もあります。

http://www.benedict.co.jp/Smalltalk/talk-6.htm

http://1000ya.isis.ne.jp/0704.html

そんなことでスター・ウォーズと神話にちょっと興味をもったので、エピソードの1から6をもう一度観てみようと思っています。もし、すべてをみて思うことがあればまた書き込んでみようと思っています。

http://www.starwars.com/

Wikipediaによれば、これまでのスター・ウォーズと今後の公開予定は以下のようです。

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(*2004年までの旧邦題:「ジェダイの復讐」)
スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒(2015年12月公開予定[2])
スター・ウォーズ エピソード8(仮)(2017年公開予定)
スター・ウォーズ エピソード9(仮)(2019年公開予定)

2015年3月7日土曜日

拷問ビデオの公開の是非 (Psychiatric Times)

Psychiatric Timesという精神科の情報サイトに、Torture Videos For All to See?というエントリーがありました。ここのところ、イスラム国による拷問、虐殺のビデオがYouTubeなどに公開されることが多く、実際に目にしている人も多いのかもしれません。とても目を向けられる内容ではないように思いますが、こういうものは公開されても良いのかという疑問を投げかけています。

特に、子どもたちへの影響です。これはほんとに考えなければいけないと思います。これにかぎらず、インターネットにはあらゆる種類の情報が蔓延しており、コントロールすることができなくなっているとも思います。


特に、Psychiatric Timesにこのような記事が掲載されたのは、意味があるようにも思いました。私の患者さんの中にも、今回の二人の日本人虐殺の問題から、調子を崩した人もいます。そのような人たちは、動画を見たわけではないでしょうが、それでもその一部が編みかけで公開されたり、朝の食卓を囲む場で、テレビで流されたりということについては、もう少し考えたほうが良いのかもしれません。

これは、国民全体の議論の中で考えていく問題だと思いますが、子どもたちへの影響が少なからずあるのであれば、早急に考えなければいけないことだとも思います。

2015年3月5日木曜日

ラミクタール (ラモトリギン) (3) 投与法

さて、このようにラモトリギン(商品名ラミクタール)は効果が期待できる薬物であると思いますが、(1)でもご紹介したように、重篤は皮膚障害の副作用が懸念されます。このような皮膚障害は、「少ない」とは思いますが、十分に注意が必要です。出ない人は、全く出ません。しかし、副作用についての注意を患者さんに与えないわけにはいかないので、こういったことに過敏な方の場合には、かえって不安を増大させてしまう結果になるので投与をしないほうがよ良いと個人的には思います。いずれにしても、皮疹が出たらすぐに服用をやめたほうが良いと思います。皮疹に加えて、38度以上の発熱、口唇口腔粘膜びらん、全身倦怠感、眼充血、咽頭痛、リンパ節腫脹、などがある場合には直ちに中止しなさいと指示が出ています

投与法は、グラクソ・スミスクライン社からわかりやすい図が医師に配布されています。下記のように、ラモトリギンに対して代謝を阻害する薬物(つまり、いつまでも血中濃度が下がらないので、多く飲むと血中濃度があがってしまう)、代謝を促進する薬物(血中濃度が下がりすぎてしまうため、少し多めに飲んだほうが良い)、影響のない薬物あるいは単剤、に分けて投与法が示されています。

ラミクタールの投与法 (開始時の投与の仕方)

この皮膚障害は、殆どの場合は中止すればなおりますが、全身的な障害がおきて、死亡例も報告されています。したがって、本当に投与は慎重に行うべきだと思います。私は、緊急を要する病態でなければ、図のA(水色)のパタンを一週間ごとの変更でやっていくのが安全ではないかと思っています。たとえ代謝に影響しない薬剤のみだったとしても、患者さんの体質的なものもこの副作用には関連していると思われるので、慎重に投与していくのが良いのではないでしょうか。また、このような投与法や、副作用について、十分に患者さんに説明した上で、相談して決めるということも大事だおともいます。また、以前にも述べたようにその時に過剰に神経質になる患者さんであれば、投与をやめたほうが良いのかもしれません。

ラモトリギン(ラミクタール)は、良い薬だと思います。ただ、十分に注意しながら投与する必要のある薬でもあります。

2015年3月2日月曜日

冬季スキーゼミ合宿 2015

早稲田大学の私のゼミでは、毎年冬季に苗場スキー場にスキー合宿に行っています。この合宿の目的は、主には学年間の交流を図るもので、大学院に行こうという学生がその情報を聞いたり、就職活動を終えた4年生の話を下級生が聞いたり、その他にも同じゼミに同じ時期に参加した学生たちがお互いを知るという意味でも有効なものだと思っています。ゼミ内での学年間の交流は、こういう会を催さないと意外になくて、学年を超えると、お互いよく知らないということも起こります。

毎年、苗場スキー場のシュプールイン苗場というペンションに宿泊しています。ここのオーナーの伊藤さんは、私のゼミに所属した学生のお父さんです。その学生伊藤拓真は、早稲田大学ア式蹴球部の部員で、卒業後、ザスパ草津、シンガポールリーグと活躍し、今は結婚して青森の実業団で現役です。伊藤君の学年のア式蹴球部の部員には、現在FC東京で活躍している渡邉千真や、高校時代にゼロックス・スーパーカップに出場した塗師亮なども私のゼミに所属していました。この時代に、早稲田大学ア式蹴球部は、大学サッカーで全国優勝をしたのですが、大榎克己さんが監督で、メンバーの半分は私のゼミでした。(私のゼミだった出場選手:首藤豪、伊藤拓真、渡邉千真、塗師亮、松本怜など)。この時代は大榎さんとも交流させてもらいました。これは、楽しい時期でしたね。この時期に、渡邉千真もスキーに行きました。渡邉千真君にスキーを教えたのは、このワタクシです。

さて、スポーツ科学部には多くのアスリートがいますが、九州出身者や、ずっと自分のスポーツをやってきた人たちも多くいるために、スキーはほぼ初めてという学生もいます。そういった学生もチャレンジ精神は旺盛で、スキーやスノーボードに挑戦します。私はスキーしかしませんが、彼らのスキーマスターの早さには驚かされます。多くの場合は、全くの初心者で、2日間の合宿中に中級くらいまでのコースが滑れるようになります。形はまだ綺麗ではありませんが、それでもかなり滑ります。教え甲斐もあるというものです。

2015年2月の内田ゼミスキー合宿記念撮影
シュプールイン苗場前にて

夜は、シュプールイン苗場の美味しい夕食を食べ、その後飲み会をしたりします。クラブをやっている学生は、このような機会は少なく、とても喜んでいます。今回参加した学生の中にも、箱根の走者、テニスのランキング上位だったもの、ヨットの大学リーグ上位、水球日本代表、その他にも準硬式野球、ソフトボール、サッカー、ラグビー、剣道、水泳、少林寺拳法など様々な競技をしている学生が集まっています。こういった学生が、みんな一緒にスキーをするというのは、なかなか楽しいものです。ところで、私のゼミにはスキー部の学生もいますが、スキー部の学生はこの時期は試合があり、合宿には来ません。それでも毎年誘っています。

また、来年も行くのを楽しみにしています。