2015年3月13日金曜日

腸内フローラ による うつ病治療 (1)

先日ゼミスキー合宿について書きましたが、シュプールイン苗場のオーナーである伊藤長三郎さんはとても勉強家で、健康な生活について色々と考えておられます。先日宿泊した際もちょっとご挨拶によるお酒が入ったところで、伺ったところ、「どぶろく」を振る舞っていただきました。「どぐろく」を売っているお店があるそうなのですが、そこに行ったところ高かったので自分でつくろうと思って作られたそうです。ちょっと酸っぱいながらも日本酒の香りのする独特の味わいで、意外と美味しく飲めました。

さて、その際に、NHKのテレビ番組を録画しているものがあるということで、それを見せてもらいました。NHKスペシャル「腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー」という番組です。その中で、腸内フローラを変えることが、うつ病の治療にも役立つという内容がありました。この事については、よく知らなかったので、調べてみました。

内容としては、マクマスター大学プレミシル・ベルチック博士が行ったマウスの実験で、活発なマウスの腸内フローラを臆病なマウスの腸内フローラと入れ替えると、臆病なマウスの行動が変わり、より活発になる(高いところからも臆病がらずすぐに降りられる)というものです。


更に調べてみるとNaverまとめというのもあって、腸内細菌はうつ病が治せる! うつ病と腸内細菌の大きな関わりについて というページにまとめが載っていました。

Scopus(文献検索エンジン)で、( TITLE-ABS-KEY ( intestinal  flora )  AND  TITLE-ABS-KEY ( depression ) ) で調べてみると、78個の文献が出てきました。

そこで、こういう場合は、Reviewを読むのが手軽で、多く引用されているものが一般には良いので、それを更に絞り込んで探してみると、下記のNature Reviews Microbiologyの論文が出てきました。

The interplay between the intestinal microbiota and the brain  (Review)
Collins, S.M. ,  Surette, M.,  Bercik, P.
Farncombe Family Digestive Health Research Institute, Department of Medicine, Faculty of Health Sciences, 1200 Main Street West, Hamilton L8N 3Z5, ON, Canada
Nature Reviews Microbiology
Volume 10, Issue 11, November 2012, Pages 735-742

抄録の中には、 gut-brain axis という言葉も出てきます。腸脳軸というものですが、これがどのように働いているのか、様々な精神疾患にどのように関わっているのかについても述べられているようです。これを手に入れて読もうとしたのですが、どうも早稲田大学はこちらには契約していないようで、やむを得ずこれに近い下記の論文を読むことにしました。

The Relationship Between Intestinal Microbiota and the Central Nervous System in Normal Gastrointestinal Function and Disease  (Article)
Collins, S.M. ,  Bercik, P.
Gastroenterology
Volume 136, Issue 6, May 2009, Pages 2003-2014

楽しみです。またレポートします。

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