2015年3月5日木曜日

ラミクタール (ラモトリギン) (3) 投与法

さて、このようにラモトリギン(商品名ラミクタール)は効果が期待できる薬物であると思いますが、(1)でもご紹介したように、重篤は皮膚障害の副作用が懸念されます。このような皮膚障害は、「少ない」とは思いますが、十分に注意が必要です。出ない人は、全く出ません。しかし、副作用についての注意を患者さんに与えないわけにはいかないので、こういったことに過敏な方の場合には、かえって不安を増大させてしまう結果になるので投与をしないほうがよ良いと個人的には思います。いずれにしても、皮疹が出たらすぐに服用をやめたほうが良いと思います。皮疹に加えて、38度以上の発熱、口唇口腔粘膜びらん、全身倦怠感、眼充血、咽頭痛、リンパ節腫脹、などがある場合には直ちに中止しなさいと指示が出ています

投与法は、グラクソ・スミスクライン社からわかりやすい図が医師に配布されています。下記のように、ラモトリギンに対して代謝を阻害する薬物(つまり、いつまでも血中濃度が下がらないので、多く飲むと血中濃度があがってしまう)、代謝を促進する薬物(血中濃度が下がりすぎてしまうため、少し多めに飲んだほうが良い)、影響のない薬物あるいは単剤、に分けて投与法が示されています。

ラミクタールの投与法 (開始時の投与の仕方)

この皮膚障害は、殆どの場合は中止すればなおりますが、全身的な障害がおきて、死亡例も報告されています。したがって、本当に投与は慎重に行うべきだと思います。私は、緊急を要する病態でなければ、図のA(水色)のパタンを一週間ごとの変更でやっていくのが安全ではないかと思っています。たとえ代謝に影響しない薬剤のみだったとしても、患者さんの体質的なものもこの副作用には関連していると思われるので、慎重に投与していくのが良いのではないでしょうか。また、このような投与法や、副作用について、十分に患者さんに説明した上で、相談して決めるということも大事だおともいます。また、以前にも述べたようにその時に過剰に神経質になる患者さんであれば、投与をやめたほうが良いのかもしれません。

ラモトリギン(ラミクタール)は、良い薬だと思います。ただ、十分に注意しながら投与する必要のある薬でもあります。

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