2014年6月16日月曜日

日本老年精神医学会 シンポジウム 老年期うつ病の臨床

日本老年精神医学会の老年期うつ病の臨床というシンポジウムにご招待を受けて、6月13日金曜日に話をしてきました。座長は、首都大学東京の繁田雅弘先生と舞子浜病院の田子久夫先生でした。演者は、5名で

1.身体症状、睡眠障害とうつ病  内田直 (早稲田大学)
2.老年期うつ病と薬物療法: 個別の細やかな対応を目指した治療戦略について考える 堀輝 (産業医科大学)
3.高齢者のうつ病に対するECT 上田諭 (日本医科大学)
4.高齢者のうつ病と認知行動療法 渡辺範雄 (国立精神神経医療センター)
5.老年期うつ病の臨床:精神療法の視点から 繁田雅弘 (首都大学東京)

でした。






それぞれの先生の発表はとても興味深く勉強になりました。2番めの堀先生は、日本スポーツ精神医学会でも活躍して頂いています。非常に優秀な先生で、まだ30代だと思いますが、ポールヤンセン症なども受賞されて、薬理学に長けた先生です。老年期のうつ病における、薬の使い方について細かく教えていただきました。特に、抗鬱剤の維持療法についてのディスカッションが興味深いと思いました。抗鬱剤の維持療法については、私自身は自分の治療法としての考えが少しずつ固まってきているので、そのうち書いてみようと思っています。

次の上田先生は、東京医科歯科大学の医局の後輩で、ずいぶん以前から知っている先生でしたが、こんなにECT(電気けいれん療法)について詳しいとは知りませんでした。私自身は、最近は電気けいれん療法は行う施設で働いていないので全くしなくなりましたが、有効な治療法であること、また施行上の注意すべき点などがよく分かりました。

渡辺先生は、認知行動療法についてお話になりました。私は、認知行動療法には非常に興味があり、認知行動療法について是非今後も渡辺先生に教えを請いたいと思っています。彼は、うつ病の認知行動療法だけでなく、不眠症の認知行動療法などについてもプログラムを統括しており、様々な少佐な知識を持っていました。このような治療法は、一般臨床の中にもっと取り入れていくべきもので、このような自分の中でも運動療法と同様どのように実践するかを今後も考えていきたいと思っています。

最後に繁田先生が統括されましたが、精神療法という視点から、繁田先生自身の長年の経験に基づいた、深みのあるお話を聞くことができまいした。それぞれの演者が熱弁したために、総合討論の時間が少なくなってしまいましたが、それでもとても有意義な会だったと思います。


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