以前にもこの問題について書きましたが、その後も発達障害を専門としている先生にお話を伺ったりして、やはり昼間の眠気だけでなく、様々な睡眠障害のケースがあるようでした。ここのところ、睡眠専門外来にも、同様の主訴の方が多く見えて、治療にあたっています。高校生女子の割合が比較的多く、ADHDの症状は、様々です。診断できるかどうかのボーダー程度で、さほどADHDの症状で日常生活が障害されているほどではないが、幼少時のことを伺うと、その傾向がありそうだという方から、学校生活に支障をきたしている方までです。高校2年生が多いのは、これから受験でこのままでは勉強が難しいということからでもあるようです。
しかし、日中の眠気は同様で、眠気のパタンは、夜遅くまで起きていて日中は眠いという、睡眠相後退症候群(DSPS)に類似しているような訴えです。夜中のほうが頭が冴えているので、明け方近くまで起きていて眠る。眠ると相当長く眠って、休みの日などは午後になってしまうこともある。学校にいくと、眠気がひどく眠ってしまう。遅刻も多いということです。ただ、純粋なDSPSに比べると、テストの日など行かなくてはいけない日は、きちんと起きられたり、テストも受けられたりします。したがって、DSPSとは病態は異なっていると考えています。
この治療は、多くの場合、病態や治療について現状で考えられることを十分に患者さんと保護者に説明をして、治療へのモチベーションを確かめます。治療へのモチベーションを高めるように、高校生本人の今後の進路への希望なども聞いて、それを実現する目的に沿った治療をするということもお話するようにします。また、保護者にも治療の方針を説明します。
睡眠は、早く眠ることが可能なケースもあるので(ここが、DSPSと異なるところ)、早く眠るようにしてもらいます。それでも、昼間眠いという場合もありますが、生活習慣としてそのようなことを続けるというところから始めます。比較的長時間睡眠者出る可能性もあるので、一定期間は睡眠時間を延長して、日中の眠気がどう変化するかについても聞いてみます。入眠困難がある場合には、メラトニン受容体刺激薬(ラメルテオン)を用いたり、睡眠導入剤などを少量用います。同時に、睡眠日誌をつけてもらい、それによってどのような生活をしているのかをモニターし、同時に本人に生活習慣を改善するモチベーションにもしてもらいます。睡眠が改善した上で、どのくらい生活が改善するのかをみて、更に必要であれば、ADHDに対する薬物療法をするというようにします。
前回も書きましたが、このようなケースについて睡眠専門外来では、誤診されることが多くあると思います。また、ADHDと独立した睡眠障害が併存していて、確実に誤診かどうかわからないケースも有ります。2006年に出版された、「ADHDの小児における睡眠覚醒について」という総説論文では、この問題についての知見は、まだ充分でないとの見解でした。実際に、発達障害の専門家の先生方と話をしても、十分に明らかになっていないという印象です。しかし、患者さんは、特にこれから受験を控えた患者さんは困っていて、このようなケースに対する治療ストラテジーが早く確立されると良いと思っています。
しかし、日中の眠気は同様で、眠気のパタンは、夜遅くまで起きていて日中は眠いという、睡眠相後退症候群(DSPS)に類似しているような訴えです。夜中のほうが頭が冴えているので、明け方近くまで起きていて眠る。眠ると相当長く眠って、休みの日などは午後になってしまうこともある。学校にいくと、眠気がひどく眠ってしまう。遅刻も多いということです。ただ、純粋なDSPSに比べると、テストの日など行かなくてはいけない日は、きちんと起きられたり、テストも受けられたりします。したがって、DSPSとは病態は異なっていると考えています。
この治療は、多くの場合、病態や治療について現状で考えられることを十分に患者さんと保護者に説明をして、治療へのモチベーションを確かめます。治療へのモチベーションを高めるように、高校生本人の今後の進路への希望なども聞いて、それを実現する目的に沿った治療をするということもお話するようにします。また、保護者にも治療の方針を説明します。
睡眠は、早く眠ることが可能なケースもあるので(ここが、DSPSと異なるところ)、早く眠るようにしてもらいます。それでも、昼間眠いという場合もありますが、生活習慣としてそのようなことを続けるというところから始めます。比較的長時間睡眠者出る可能性もあるので、一定期間は睡眠時間を延長して、日中の眠気がどう変化するかについても聞いてみます。入眠困難がある場合には、メラトニン受容体刺激薬(ラメルテオン)を用いたり、睡眠導入剤などを少量用います。同時に、睡眠日誌をつけてもらい、それによってどのような生活をしているのかをモニターし、同時に本人に生活習慣を改善するモチベーションにもしてもらいます。睡眠が改善した上で、どのくらい生活が改善するのかをみて、更に必要であれば、ADHDに対する薬物療法をするというようにします。
前回も書きましたが、このようなケースについて睡眠専門外来では、誤診されることが多くあると思います。また、ADHDと独立した睡眠障害が併存していて、確実に誤診かどうかわからないケースも有ります。2006年に出版された、「ADHDの小児における睡眠覚醒について」という総説論文では、この問題についての知見は、まだ充分でないとの見解でした。実際に、発達障害の専門家の先生方と話をしても、十分に明らかになっていないという印象です。しかし、患者さんは、特にこれから受験を控えた患者さんは困っていて、このようなケースに対する治療ストラテジーが早く確立されると良いと思っています。
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