2014年3月4日火曜日

声優と社交不安障害

社交不安障害は、人前で自己紹介をしたり、権威ある人と話をしたり、レストラン等で人と食事をしたり、周りの人のいるときに電話をしたり、人前で文字を書いたりするときに非常に高い緊張感を感じてしまい、自然にそういった状況を避けるようになってしまう障害です。このような障害の人は、人前で話をしたりすることがとても苦手なのですが、社交不安障害の患者さんたちの状況を聞いていると、多くの人達が必ずしも常にそうではないと話しています。

例えば、テーマパークなどのアトラクションの説明の仕事ですが、社交不安障害の人はとてもできそうにないとも思うのですが、必ずしもそうでもないようです。話を聞いてみると、全く別の人になって言うことが決まっているので大丈夫だというのです。別の患者さんは、声優の仕事ならできると思ってそうなろうかとおっしゃっていました。声優は大丈夫という人は、複数居て、顔が出ずまた別の人になれるということで、むしろ安心できる場所ということになるのだと思います。

社交不安障害にはセロトニン神経系の活動を高めるSSRIという薬物が非常に有効ですが、一方で生活指導も大切です。このような、社交不安障害の特徴をよく理解して、無理の無い職業から入って行くようにするのが良いと思います。ある患者さんは、それができるのですが、しかし仕事の場面ではそれをずっと続けなくてはならず、突然やめてしまうということも起きていたようです。安定して継続した生活を維持することを目標にするのが良いですが、そこには本人の主観的な内的世界をよく知った上でのアドバイスも生きてくると思います。

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