2014年3月20日木曜日

木の芽時(このめどき)と精神科外来

そろそろ春を感じる季節になりました。この季節は「木の芽時」とも呼ばれていますが、木の芽時には、暖かくなったかと思えば寒くなったりして、体調を崩す方も大勢いるので注意が必要です。精神科の外来でも、この季節に調子が悪くなる方も多いような印象は受けます

患者さんにそのことを訪ねてみると色々な答えが帰ってきます。多くは、年度の変わり目に関連したことです。例えば、学生時代にはこの時期になるとクラス替えがあるということがあり、そのことで緊張感が高まるというようなこと。これは、多くの人にとっては楽しみでもあるかもしれませんが、新しい環境への適応が難しい素因をもっている方々にとっては、変化の季節であまり歓迎できない季節なのかもしれません。また、会社では部署の異動などもあります。そのような場合も、新しい部署で今度はどのような人たちとどのような仕事をするのだろうかという不安と緊張が訪れるということもあります。

木の芽時の季節としての特徴が、精神症状を悪化させるということは、もしかするとあるのかもしれませんが、これについての明確な説明はあまり聞いたことはありません。多分、気候の急激な変化によって、自律神経系や内分泌系(ホルモン)がそれについていけないということから体調をくずすという事はありそうで、これが精神症状にも影響をあたえるということであれば、それは納得できる説明にもなると思います。

一方で、この時期に良くなる人も居ます。冬期うつ病(季節性感情障害)の患者さんは、この時期になると次第に回復してきます。患者さん自身にとっては、待ち遠しい時期でもあるでしょう。

新しく始まる4月からの年度への期待も膨らむ時期ですが、精神科の患者さんにとっては、複雑な気持ちが交錯する時期でもあるわけですね。

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