本日は、イーライリリー主催のシンポジウムに午前中に参加してきました。その中で、興味深かったこと。
平成22年に、厚生労働省の「慢性の痛みに関する検討会」から提言が出ていて、その中で「痛みの自覚においては、精神医学的・心理学的な要因が少なからず関与しており、客観的所見があっても、精神医学的・心理学的要因が大きく影響していたり、客観的所見と主観的症状に乖離が生じていたりする事例に対しては、身体疾患に対する治療だけでなく、精神医学的・心理学的な介入も必要になる。現状では、精神科や心療内科の医師が、痛み診療に早期に介入することは極めて少なく、精神医学的・心理学的アプローチは広く普及していない。また、患者側も、精神医学的・心理学的な要因が、痛みの成立に影響を及ぼし、慢性化、遷延化を招き得ることについて、認識が乏しいと考えられる。 」という内容が含まれていること。この提言は、少し前のものですが、よい内容が含まれていると思いました。
藤田保健衛生大学の岩田先生が、同大学で行われた、痛みに関する調査で、うつ病患者さんの63.8%に痛みが見られたということを発表しておられた。これは、我々が外来で行った調査(約40%)よりも多い値です。そして、うつ症状の重い人に、痛みがより多く痛みがあるということも示されていました。さらに興味深かったのは、正常者でも4割くらいの人に痛みがあったということ。痛みというのは非常に主観的な症状なので、多分調査法によってもいろいろと違いが出てくるのであろうと思いました。
うつ病の患者さんに、さまざまな痛みが伴うことは、以前より知られていましたが、最近イーライリリーがこれに関連したキャンペーンをやっているために、より広く認識されるようになったと思います。製薬会社のキャンペーンなので、この会社のサインバルタ(デュロキセチン)というSNRI(セロトニンとノルアドレナリンの両方の神経伝達物質の機能を改善させる薬)が、うつ病の痛みに効くようなキャンペーンと捉えられている節もあり、そういうキャンペーンは良くないという批判もあります。しかし、うつ病の身体症状としての痛みが非常に多く見られ、これも医者がしっかりと認識するということは大切であるように思われます。基本は、うつ病の治療であって、痛み止めのように抗うつ剤を使うということではありません。その点はしっかりと抑えておく必要があると思います。
平成22年に、厚生労働省の「慢性の痛みに関する検討会」から提言が出ていて、その中で「痛みの自覚においては、精神医学的・心理学的な要因が少なからず関与しており、客観的所見があっても、精神医学的・心理学的要因が大きく影響していたり、客観的所見と主観的症状に乖離が生じていたりする事例に対しては、身体疾患に対する治療だけでなく、精神医学的・心理学的な介入も必要になる。現状では、精神科や心療内科の医師が、痛み診療に早期に介入することは極めて少なく、精神医学的・心理学的アプローチは広く普及していない。また、患者側も、精神医学的・心理学的な要因が、痛みの成立に影響を及ぼし、慢性化、遷延化を招き得ることについて、認識が乏しいと考えられる。 」という内容が含まれていること。この提言は、少し前のものですが、よい内容が含まれていると思いました。
藤田保健衛生大学の岩田先生が、同大学で行われた、痛みに関する調査で、うつ病患者さんの63.8%に痛みが見られたということを発表しておられた。これは、我々が外来で行った調査(約40%)よりも多い値です。そして、うつ症状の重い人に、痛みがより多く痛みがあるということも示されていました。さらに興味深かったのは、正常者でも4割くらいの人に痛みがあったということ。痛みというのは非常に主観的な症状なので、多分調査法によってもいろいろと違いが出てくるのであろうと思いました。
うつ病の患者さんに、さまざまな痛みが伴うことは、以前より知られていましたが、最近イーライリリーがこれに関連したキャンペーンをやっているために、より広く認識されるようになったと思います。製薬会社のキャンペーンなので、この会社のサインバルタ(デュロキセチン)というSNRI(セロトニンとノルアドレナリンの両方の神経伝達物質の機能を改善させる薬)が、うつ病の痛みに効くようなキャンペーンと捉えられている節もあり、そういうキャンペーンは良くないという批判もあります。しかし、うつ病の身体症状としての痛みが非常に多く見られ、これも医者がしっかりと認識するということは大切であるように思われます。基本は、うつ病の治療であって、痛み止めのように抗うつ剤を使うということではありません。その点はしっかりと抑えておく必要があると思います。
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