2014年3月1日土曜日

電子カルテ

最近は、多くの病院、クリニックで電子カルテが導入されています。マーケットはワープロに比べて大きいと言えないので、ワープロほど使い勝手が良いとはいえませんが、紙のカルテに比べて格段に良いと私は思っています。もっとも、これは私の意見で、電子カルテなんか全然ダメと思っている先生方も多くいらっしゃると思います。

私が臨床をしているあべクリニックは電子カルテを用いています。自分が電子カルテが良いと思う理由は、少し自慢になってしまうかもしれませんが、私はブラインドタッチのタイピングが得意です。時に患者さんが、「全然見ないで大丈夫なんですかァ…。」というくらい早く打てます。したがって、患者さんと話をしながら、その会話を殆ど記載することができるわけです。もちろん、話が込み入った時には手を止めて話をし、その後要点をまとめるようにしています。しかし、紙に書くよりもよっぽどたくさん事を記録できます。

最近はサマリーを作ってそれを見ながら診察するようにしています。電子カルテでは、サマリーのパネルを出しておくことができます。これは、なかなか便利です。初診の時は患者さんの、生育史や背景について沢山の事をお聞きします。その中には、多くの場合特徴的なことがいくつもあります。両親との関係、幼少時の家庭環境、中学高校時代のこと、大学の過ごし方、どこの大学に行ったかなどです。更に仕事の変遷、結婚などなど、プライベートのことそのものをたくさんお聞きするので、初診の時のことをしっかりと把握することが大事です。そのようなことは、その後の診察時にしっかり背景に置きながら現在の話を進めていくのが理想です。しかし、たくさんの患者さんと話をしていると、細かい部分については失念することもあります。そんな時にサマリーを出しておき、診察時にそこに新しいことがあれば付け加えるようにすると、話がしっくりいきます。患者さんの側から見ても、自分が話したことをあまり覚えていない先生では、たよりなく思われることでしょう。

もう一つは、書類書きの簡便さです。精神科では、たくさんの書類が回ってきます。例えば、自立支援医療の書類や介護認定に関わる意見書などです。このような書類は、定期的に提出しますが、かなりの部分は前回と同じことも多くあります。例えば、病歴などは変わるものではないので、そのようなものの記載です。そんな時に、電子カルテでは、前回のコピーからスタートして訂正すれば良いので、非常に記載が楽です。

事務の側から見れば、電子カルテは場所をとらず、取り出しに時間もかからないので、とても楽で、これも大きなメリットだと思います。紹介状や、患者さんのメモなどもスキャンして保存しておきます。紙ベースのものは、一定期間保存して焼却処分とします。しかし、電子ベースのものは残るので、時間がたっても参照できる、場所をとらないので、廃棄しないで済むという利点があります。

クリニックや病院の電子システムは、インターネットには接続しないのが原則です。したがって、システムの中に外部から侵入されることは絶対にありません。最近は、訪問医療などで便利なようにクラウドシステムがあるという話を聞いたことがありますが、セキュリティーはどうなっているのだろうか。患者さんの大事な個人情報は絶対に外部からの侵入は無いようにしないといけないと思うので、自分としてはクラウドシステムはよほどきちんとした保証がない限りは使えないと思っています。

最近、阿部院長がキーボードを新しいのに取り替えてくれました。特に相談もなかったが、Microsoft Sculpt Ergonomic Desktop L5V-00022にしてくれました。エルゴノミクスキーボードで、最初ちょっと慣れが必要なのですが、慣れると非常に打ちやすくて、大変便利に使っています。これで、いつも患者さんとお話しながらパチパチとやっている今日このごろです。


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