2014年3月14日金曜日

季節性感情障害(冬季うつ病)

季節性感情障害(冬季うつ病)は、多くは冬場に(まれには夏場に)うつ状態になる気分障害のタイプです。多くは10月中旬くらいからうつ状態が始まり、3月中旬ころには良くなります。この期間をみても、日照時間と関連があることが分かりますし、冬場に日照時間が極端に短くなる、緯度の高い地域で多いことも知られています。冬場に何らかの理由で(例えば年末や年度末で忙しくなるなど)そのことが原因でうつ状態になるとすれば、そういったケースは季節性気分障害には当たりません。英語では、Seasonal Affective Disorderという言葉が使われ、略してSADとされています。Sad = 残念に思う、悲しげだなどの意味の単語と同じなので、よくこの言葉が使われます。しかし、現在うつ病や躁うつ病を含むカテゴリーは、気分障害Mood Disorderという言葉が使われているので、Seasonal Mood Disorderが良さそうですが、SADのほうが通りが良いためかこの言葉がよく使われます。

この疾患も、うつ期には抗うつ剤を服用します。また、予防的に秋ころから服用するケースも見られます。私が担当した患者さんも、このように秋ころから気分が低下する方が何人かいて、春になると元気になります。したがって、冬場には抗うつ剤を服用するのですが、この他に光療法が有効なケースが少なからず居ます。光療法器をいくつか、Amazonから探してみましたが、1万円台からあります。人によっては、卓上の蛍光灯やLEDのスタンドなどを幾つか並べて使っている人もいますが、これも有効でした。

光の波長は400nmあたりの青白光が有効であると分かっていますが、この波長が含まれている白色光であれば効果があります。明るさは、最低でも2000ルクスは必要だと思っています。できれば5000ルクスあると良いと思います。ルクスというのは、光源の明るさでなく、感じる場所での明るさですので、目に5000ルクスの光が入ることが大事です。この光を、早朝に1時間ほど浴びます。タイミングも重要で、もしこの時間に眠ければ、布団の中で目を閉じて、顔の目の前に光療法器があるようにしておいても効果があるとは思います。ただ、目を開けていたほうが光は多く網膜に達するので、そのほうが効果的であるでしょう。これに合わせて運動指導なども良い面があると思っています。

このような、光療法を含めた非薬物療法は、この疾患には効果があるので自分がそうかなと思う方は専門医に相談してみるとよいでしょう。



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