2014年3月30日日曜日

睡眠日誌

診療ではどのような場合もそうですが、その患者さんがどのような問題を抱えているのかを総合的に評価し、患者さんの状態を把握することが大切です。精神科の診療では、患者さんの様子を伺うときに、たとえば、「よく眠れていますか?」と質問して、「よく眠れるようになりました。」と患者さんが答えると、カルテには、「よく眠れるようになった。」と記載するというような具合で、客観性に乏しい面があります。

睡眠障害に治療をする場合に、このような主観的な記述でなく、少しでも客観的に患者さんの睡眠状況を把握するために、睡眠日誌をつけてもらっています。睡眠日誌は、簡単なもので、以下のURLにたくさんそのサンプルがあり、ダウンロードすることができます。

睡眠日誌をつけるとわかることはいくつかあります。一つは、毎日の平均睡眠時間がどのくらいであるのか。またこれは、毎日同じくらいの時間眠っているのか、それとも長かったり短かったりばらつきが大きいのか、ということも含まれます。ある患者さんは、時々朝早く起きてしまうのでどうしたらよいかという訴えをされました。睡眠日誌を見てみると、時には10時間、時には6時間と、毎日の睡眠時間がまちまちでした。長く眠った次の日には、早く起きてしまったという記録でした。そこで、毎日の就寝時刻と起床時刻を一定にするように指導をして、これは良くなりました。

さらには、どのような時間帯に睡眠をとっているのかも、睡眠日誌でわかります。これは、概日リズム睡眠障害の治療にはとても役に立ちます。毎日明け方の5時から眠って、昼頃に起きるという生活をしている方の場合は、このような疾患の可能性があります。たまたま早く起きても、午前中はぼーっとしているというような場合です。あるいは、高齢者で午後の遅い時間帯に昼寝をしている様子がわかる場合もあります。これにより、夜間不眠が起きていることもあります。

睡眠日誌に、食事や運動の時間帯を書き込んでもらうこともあります。そうすると、毎日の生活の様々な様子がさらにわかることもあります。

みなさんも、自分の睡眠の状況を把握するためにつけてみてはどうでしょうか。自分の睡眠に注意が向き、睡眠時間の改善に役立つかもしれません。


国立精神神経医療センター
http://www.ncnp.go.jp/pdf/hos_guide_s_outpatient_detail07_02.pdf

日本大学医学部部附属板橋病院睡眠センター
http://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/itabashi/sleep/sleepdiary_2weeks.pdf

過眠ランド
http://kaminsho.com/professional/tool/diary.html

SUIMIN-net 可愛らしいもの
http://www.suimin.net/topics/yamane/suiminnisshi.pdf

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