2014年4月23日水曜日

レビー小体型認知症

先日、ノバルティスファーマの主催で、荒川区・足立区の認知症医療連携に関連した会がありました。認知症については、私は現在所沢市にある平沢記念病院で多くの患者さんを診察しています。しかし、都市部でのクリニックでの認知症医療がどのように病院や介護関連施設と連携しているのかについて、まとまった話を聴くことに興味があり参加いたしました。認知症医療は、医師による治療だけでは不十分で、行政を含めた様々な業種の人達による連携が必要だとつくづく感じました。また、認知症の患者さんだけでなく、介護する家族へのサポートも同等に重要であると再認識しました。

一方で、講演の中では認知症患者さんの診断として、最も多いアルツハイマー病(50%)のほかに、レビー小体型認知症が非常に多い(20%)という実際の数字が示されて、自分が持っている印象よりも多いので、これも非常に勉強になりました。

レビー小体型認知症は、最終的な診断は、亡くなった後の病理解剖をしなければならないのですが、同じ認知症でも症状から、診断をつけることは可能です。アルツハイマー認知症にみられる、記銘障害はむしろ軽く、レビー小体型認知症特有の症状を呈します。症状の特徴は以下の様なものです。

1.幻視: レビー小体型認知症の特徴としては、幻視の症状が現れることがあります。これは、本人にははっきりと見える幻視で、虫や動物などが見えるということが多くあります。

2.また、意識や認知の変動が見られるのも特徴と考えられています。時にボーっとしていたり、また、はっきりした時があったりです。

3.パーキンソン症状: 体の動きが硬くなる、小刻み歩行、手の震えなどのパーキンソン症状が見られることもあります。

4.レム睡眠行動障害: これは、以前にも独立した疾患として書いたことがありましたが、眠っている間にレム睡眠に入ると、起きだしてまとまった行動、時に暴力的な行動をします。また、大声で寝言を言う場合もあります。

5.また、自律神経症状として、起立性低血圧や胃腸障害(便秘、下痢)などをおこすこともあります。

このような患者さんには、時に出会うことがあり、レビー小体型認知症として治療しますが、私は、認知症の患者さん全体の割合としては、もう少し少ない印象を持っていました。この会の中で議論されていましたが、以前は認知症の患者さんも相当重くなってきてから来院する人が多かったのですが、最近は軽症の時期から受診する方が多く見られます。また、それにともなって医師の側の診断能力も上がってきて、そういう理由でレビー小体型認知症の診断が多くなったこともあるかもしれないという議論もありました。

超高齢化社会を迎え、認知症の臨床はますます重要になってきます。認知症の臨床は、患者さんにたいする、きちんとした診断と治療、だけでなく、介護する家族の問題も含めて、チーム、あるいは社会全体が役割を担っていく面があります。今回の会をつうじて、それぞれの地域によい医療、介護の連携ができ、認知症の患者さんが安全に暮らしていける環境ができることが望ましいと思いました。

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