2016年6月30日木曜日

自著「安眠の科学」の盗作サイト - その後

昨日、再び  睡眠.xyz  をみてみましたところ、すべて削除されていました。目的がよくわからないのですが、アフィリエート収入を得るのが目的かもしれません。





証拠保全は完璧にできているので、あとは、幾つかの選択肢があります。


1.弁護士を立てて、民事訴訟にて賠償を求める。
2.警察に、著作権法違反の申し立てをする。


調べたところ、地域の警察にまずは届ければ良いようです。

いずれにしても、興味深い経験をしました。また、著作権侵害については腹立たしい思いです。一方で、自分自身も文章を書く際に、他の人の文章を参考にするとすれば、著作権侵害には気をつけなければなりません。

学生の、レポートなどについても厳しい指導がなされています。最近は、インターネットから情報を集めることが多いので、自分自身も気をつけていかなければいけないとも思う出来事でした。


2016年6月27日月曜日

第31回 日本老年精神医学会

6月23日24日に金沢市で開催された、第31回日本老年精神医学会に参加しました。

私は、高齢者の治療に関しては、早稲田大学に来る前の東京都精神医学総合研究所の時代から、東京都多摩老人医療センターや板橋にあった東京都老人医療センターにて勤務をし、外来業務を担当していましたので、専門的なトレーニングを積んでいると思っています。また、2003年に早稲田大学に赴任してからは、近隣の啓仁会平沢記念病院にて診療を続けています。現在は名誉院長になられた平沢秀人先生は、東京都老人医療センターで長年高齢者の治療を続けてこられた方で、平沢記念病院でも高齢者の治療は多くしてきました。

しかしながら、日本老年精神医学会には所属していませんでしたが、高齢者の精神科治療に関連した再診の知識を得ながら、更に自分の知識を整理するために、日本老年精神医学会の専門医を取ろうと思い、昨年10月に入会いたしました。2015年の学会では、シンポジウムに招聘されたので、そのときに入会すべきだったと思います。

今回、学会員として聴講しましたが、非常に密度の高い学会で非常に勉強になりました。特に認知症の診断治療に関した最前線の知識を、この分野の専門家の先生方の講義を聴いてまとめて勉強できるのは本当に有意義でした。

また、この学会では、長年この分野で活躍しておられる松下正明先生をはじめ、私が早稲田大学の前に所属していた東京都精神医学総合研究所の時代に一緒に仕事をさせていただいた先生方も多くおられるので、懐かしい気持ちになりました。

新しいトピックスでは、アミロイドPETを用いて、まだ症状からは認知症と診断しにくい初期の患者さんのアミロイドの沈着の程度を判定し、今後の発症に関わる診断的情報とする技術の紹介もあり、この分野が大きく発展しているとも知りました。今後、定期的に学会に参加し、知識をアップデートするとともに、知識を普段の臨床に活かしていきたいと思っています。

2016年6月26日日曜日

毎日小学生新聞に私の監修記事が掲載されました

毎日小学生新聞に私の監修記事が掲載されました。ウェッブでもある程度読めるようなので、左記のリンクをご参照ください。

取材に見えた、小丸記者もお母様で、子育てに関連した睡眠の問題について随分と苦労されているようでした。子どもの睡眠や母親の睡眠はとても大事なことで、これらについては、一緒に生活する父親の強力も欠かせないところです。

見開きで楽しい記事が掲載されました
産休育休制度は次第に充実しつつあるというものの、一日中子育てに時間を費やしている母親の生活について、よく知ることも大事だと思います。そんな話で、小丸さんとは話が盛り上がりました。

勿論、その中で子どもの睡眠の話もたくさんいたしました。小丸さんには、そのエッセンスを子どもたちに分かりやすくまとめていただきました。ありがとうございました。



2016年6月20日月曜日

今年のル・マン24時間もポルシェが優勝

昨年も、ル・マン24時間についての記事を書きましたが、ことしもル・マンが終わりました。今年は、日本人としては非常に微妙な気分ですね。トヨタが、最後の最後まで首位をキープして、ゴール3分前に、トラブルでリタイア。首位をポルシェに譲ったということです。

こういう結果をみると、ただ24時間走り続けるというだけでなく、首位を維持しながら24時間走り続けることの困難さということ、そしてそれを達成するための自動車耐久性能、そして高速走行性能の確率が以下に大切かということを感じさせられます。

ル・マン24時間のトヨタチーム
motorsport.com  より
トヨタが負けたのは、日本人として非常に残念です。トヨタは2位にはなりましたが、2位では意味がありません。これで来年が非常に楽しみなってきました。

一年に一度くらいモータースポーツを取り上げるのも良いですね。

2016年6月14日火曜日

光遺伝学

先日、睡眠開始後のノンレム睡眠中の補足運動野から一次体性感覚野への神経回路が、視覚的パターン記憶に強く関与しているという理研の研究記事を読みました。
http://www.riken.jp/en/pr/press/2016/20160527_1/

睡眠と記憶の関係については、これまで多くの論文もありますし、我々の研究室も運動学習と睡眠について、現在は東京理科大学助教の守田優子先生を中心に研究していたことが有りますので、基礎研究で更に詳しいことがわかったのかな、と理研のサイトを見てみました。

その中で、Optogeneticsという単語が会ったので、迂闊にも不勉強だった私は、よく理解できませんでした。そこで、安易ですがインターネットで調べたところ、既にWikipediaにも項目がありました。しかし、脳科学辞典というサイトのほうが、より詳細な記載がありましたし、よく理解できたのでそちらを紹介したいと思いまます。<脳科学辞典光遺伝学へのリンク

要するに、遺伝子操作をしてある神経に光によってコントロールできる遺伝子を特異的に発現させ、時に光によってその神経を抑制(働かなくする)したり、活性化(より働くようにする)したりするテクニックのようです。

このような神経科学のテクニックが既に睡眠と記憶の分野にも応用されて、詳細な脳科学の仕組みがわかってきているというのは驚きでした。

また、自分が最近はこういった基礎研究の知識からは随分と離れているような気がして、少しさみしい思いもありました。

様々な荒波を乗り越えて存続している世界のRIKENですが、日本のトップ研究施設の一つであることは間違いないと思います。このような先進的な研究を積み重ねて日本の自然科学のプレゼンスに貢献して欲しいと思います。

2016年6月10日金曜日

自著「安眠の科学」の盗作サイト - 著作権違反をどう取り扱うか

私が、日刊工業新聞社から2013年に出版した、安眠の科学という書籍を丸写しした盗作サイトを発見したので、ご紹介したいと思います。

http://睡眠.xyz

というサイトです。
安眠の科学は、睡眠についてわかりやすく解説した科学解説本です。アマゾンでは、
5つ星のうち3.0これを読んだからといって不眠が解消するわけではありませんが、簡単な知識は身につきます
という評価を頂いていますが、まあ妥当なものだと思います。不眠を解消したい時には、私の外来にいらしてください(笑)。

さて、私が発見した http://睡眠.xyz  というサイトは、この本の殆ど丸写しなので驚いてしまいました。例えば写真で掲載した、「睡眠の基本的な仕組み」という部分を御覧ください。このページの文章はそのまま、掲載してあります。

盗作サイトのこの部分をコピーして掲載すると以下のとおりです。

http://xn--x1y7e.xyz/1.html

=====引用ここから

睡眠の基本的な仕組み

睡眠感の良し悪しは、あくまで本人次第というところもありますが、睡眠を客観的に測るということはとても難しいことでした。特に、19世紀まではあまり良い方法が無く、その頃の研究者は、夜間眠っている間に、所定の高さから硬い球を床に落とし、一定の大きさの音を発生させ、どのくらいの音で覚醒するのかを調べていました。このような研究では、たとえある音で覚醒しなかったとしても、睡眠を浅くしてしまう可能性が高く、ある時点での睡眠の状態を正確に測定することは非常に困難でした。

睡眠の状態を測定する

客観的に睡眠の状態を測定できるようになったのは、脳波が発見されてからです。脳波は、脳の神経細胞の電気的な活動を頭皮に装着した電極を使用して記録するものです。神経細胞の電気活動といっでも、頭皮から記録できるものは主には頭蓋骨に近い大脳皮質の活動です。大脳皮質は、さまざまな脳の高次機能をつかさとっています。睡眠をとると意識が低下し、大脳皮質の活動は低下していきます。睡眠中は、このような大脳皮質の活動の変化が起きるので、脳波によって睡眠の状態が測定できるわけです。

引用ここまで====

全く同じです。これは、私が自分で作ったものではないので、本当に驚きです。このようにこのサイト全般にわたって、私の本そのものの文章が書かれています。

このような場合に、どうした良いのか。弁護士にも相談してみました。そうしたところ、まずは証拠保全をする必要があるということでした。これは、すでに行いました。

次に、下記資料1に書かれているような手段を講じるのが良いということでした。この中で、まずはこのサイト管理者に削除を依頼したいのですが、サイトでは、


という風に、不当に著作権を主張しているにもかかわらず、サイト管理者の名前は公表していませんでした。そこで、IPアドレスをWHOISで調べたところ、ロリポップサイトを使っているようでした。そこで、ホスティング会社に削除を依頼し、さらにサイト管理者を調べてもらうことにしようと思っています。

私としては、自分が苦労して書いた本をこのように、簡単に横取りされてしまうことには、非常に腹立たしい思いがあります。しかし、これも非常に珍しい経験なので、すこしブログで取り上げながらこの問題について考えてみたいと思っています。


資料1
http://www.seotemplate.biz/blog/spam/570/ から引用

自分のサイトがコピーされた場合の対策

  1. サイト管理者に削除を依頼する
  2. ブログサービスに削除を依頼する
  3. ホスティング会社に削除を依頼する
  4. Googleにスパムサイト報告を行う
  5. DMCAの申し立てを行う
  6. 弁護士を立てて訴える




入力情報

対象ドメイン または IPアドレス
睡眠.xyz
(xn--x1y7e.xyz)
入力の逆引き または 正引き
210.172.144.22
利用者情報
IPアドレス : 124.140.182.126
ご利用時間 : 2016/06/07 06:54:01

2016年6月5日日曜日

早稲田大学ア式蹴球部リーグ戦観戦

5日日曜日に、早稲田大学のサッカー部、ア式蹴球部のリーグ戦を観戦しました。早稲田大学は、伝統的にサッカー部をアソシエーション式フットボールを省略したア式蹴球部と呼んでいます。サッカー部をア式蹴球部と呼ぶ大学は、この他に東京大学があります。ちなみに、慶応義塾大学はソッカー部と呼んでいます。

この日は、さいたま市浦和区の駒場スタジアムで、明治大学を対戦相手として行われました。私のゼミ生であるキーパーの後藤君が出場するのを楽しみに妻と二人で出かけたのですが、残念ながら後藤君はこの日は出場機会に恵まれませんでした。

残念ながら負けてしまいましたが、
次を目指してまた頑張ろうね。
試合をみると、明治大学のパスワークが早稲田大学をやや上回っているように思えました。しかしながら、早稲田大学の守備陣もなかなか堅固な守りで前半は0-0。贔屓目に見てなかなか良い得点に絡むシーンも有ったので、後半に期待をかけましたが、残念ながら後半、明治大学に得点を決められ、その後点を返せずに0-1で負けてしまいました。

ア式蹴球部は、私は早稲田大学に勤務はじめた頃に、賛助会員とさせていただき、その後も機会あるごとにサポートしています。一時期は、ア式蹴球部からたくさん来て、スターティングメンバーの半分以上が私のゼミ生ということもありました。その頃は、自分が監督席に座りたい勢いでした。

こういった試合を見て思うのは、大学スポーツが次第にプロ化しているということです。しかし、これに対して早稲田大学は、勉学との両立を強く全面に出し、体育会にあたる競技スポーツセンターが中心になって、WASEDA ATHLETE PROGRAMを発足させています。私は、このような方法が、やはりカレッジスポーツの魅力を保っていくうえでとても大切だと思っています。

チームを強くするには、お金をつぎ込めば良いと思います。良い選手を高校から探してきて、特待生待遇で入学させる。そして、授業料を免除し宿舎をあたえ、またトレーニングにもお金をかける。そうすれば、強いチームが育つことは間違いありません。しかし、これではプロスポーツとあまり変わらなくなってきます。カレッジスポーツの良い点は、やはり学生としての本分を忘れずにスポーツに励むということなのだと思っています。早稲田大学は、他大学よりもこれを実践しているように思います。

学生や、大学スポーツの関係者の間でこのような議論が更に深まると良いと思っています。

2016年6月3日金曜日

都市部における精神科遠隔医療の可能性 (3) 日本精神神経学会のシンポジウム

現在、幕張メッセを中心にした会場で、日本精神神経学会が開催されています。私も教育講演の座長で、昨日参加しましたが、その中に遠隔医療のセッションが有りました。精神科における遠隔医療の可能性について、精神科の中心的学会でもある日本精神神経学会で取り上げられるようになったというのは、非常に驚きした。プログラムの赤丸の、大西先生の精神障碍者スポーツに関する教育講演の座長を務めたのですが、同時進行でシンポジウム19に遠隔医療のセッションが有りました。

都市部における遠隔医療については、私は非常に興味をもっており、自分自身でも実践していきたいと考えています。これについて、群馬大学医学部の長谷川高志先生のお話は、非常に有用な情報を沢山含んでいました。遠隔医療についての基本的な考え方を十分に理解したうえで実践していくことが重要と思われますが、法的な問題や、診療報酬制度との整合性についても十分に検討することが必須だと思います。

このような中で、ビデオ会話(テレビ電話)を用いて行う精神療法についての有効性や、これを診察とみなすかどうかということ、更にはこれにともなって発行する処方箋、あるいは薬物療法をどのような形で行うのかということが具体的な課題になるのではないかと思います。

既に自費診療を主体として行っているクリニックは存在するようですが、この点についても慎重により良い形での実践ができるよう、更に情報を集めていきたいと思っています。