2016年1月28日木曜日

【CD Review】 Of Song - Marcus Strickland (2009)

今後時々、ジャズアルバムのレビューをしてみようと思っています。

Of Song - Marcus Strickland
今回は、Marcus StricklandのOf Songsというアルバムです。Marcus Stricklandは2000年代初頭から頭角を表して活躍しているアメリカのジャズサックスプレーヤーです。主には、テナーを用い、P. Mauriatという台湾製の非常に評判の良い楽器を使っていることでも知られています。(このP. Mauriatについては、数年前に台北に行った際に、この楽器製作会社の社長と会って昼食をおごってもらったこともあり、この話をそのうち書いてみようと思います。)

このアルバムは、2009年ですが、現在のところ最新アルバムであると思います。彼は、かなりのテクニシャンであると思いますが、テナーは決してそれをひけらかすことなく、牧歌的でのびのびとした表現力が持ち前の魅力であるように思います。

このアルバムで取り上げられているスタンダード、What's Newはなかなかの出来であるように思います。ピアノの、David Bryantとの掛け合いが絶妙です。

下記のパーソネルで、ドラマーのE.J. Stricklandは、彼の実弟です。

1. Ne Me Quitte Pas (Jacques Brel);
2. Djorolen (Oumou Sangare);
3. What’s New (Haggard / Johnny Burke);
4. Is This Love? (Bob Marley);
5. Pinocchio (Wayne Shorter);
6. It’s A Man’s Man’s World (James Brown / B.J. Newsome);
7. The Party’s Over (Jule Styne);
8. Shadowlands (B. Hornsby);
9. A Memory’s Mourn (Marcus Strickland)

Personnel: saxophonist Marcus Strickland, pianist David Bryant, bassist Ben Williams, drummer E.J. Strickland. Harpist Brandee Younger

2016年1月24日日曜日

Regional Homogeneity of fMRI (ReHo)

機能的MRIの解析法である、Regional Homogeneity (抄訳 部位均一性)について勉強する機会がありました。私は、これまで機能的MRI(fMRI)の研究をやってきたことはありますが、多くの場合はブロックデザインによる、特定の条件での脳の活性化する部位の検出法を使っていました。ブロックデザインとは、あることをやったりやらなかったりする方法です。例えば、手をぐうぱあぐうぱあと動かしている時と、何も動かしていない時を交互に行うと、ぐうぱあぐうぱあと動かしている時に特異的に脳血流が増加する部位が見られます。この部位が、手の動きと関連していると結論付けるような方法です。

下記の参考URLに掲載されている図へのリンク掲載
 Yan and Zang, (2010) によるデフォルトモードネットワークの描出
このRegional Homogeneity法は、新しい研究法のようで、2004年にZangという人が開発した方法のようです。大まかには、MRIで解析される一つの立方体単位(Voxel)がその周りのVoxelと均一に活動変化があるかどうかを解析します。これによって、あるまとまった部位が同期して活動している様子が観察できるわけです。これは、その部位がある特定の脳機能と関連があることを示すことができるということになります。

開発されて10年位の方法ですが、まだ普及している度合いは低いようです。PubMedにてReHoというキーワードだけで調べてみると、本日のところ262個の文献しか出てきませんでした。しかし、Voxelベースの解析に比べ、関連している活動性をより明確に示せる可能性はあるのではないかと思いました。

参考URL
http://fcp-indi.github.io/docs/user/reho.html

2016年1月22日金曜日

認知症の睡眠障害

認知症の患者さんは、症状が進行すると、日中に自分からできることが少なくなり、物事に対する興味が失われていくというため、意欲が低下し、動かない生活になってしまうことが多くあります。そういった意味でも、一日のプログラムのあるディサービスは、認知症の患者さんの健康を保つ上で、非常に有用なプログラムだと思っています。

初期の認知症の方は、プライドもあり、ディサービスに行くことを拒んだりしますが、実際に行ってみると以外に楽しいということもあります。私の父親は92歳ですが、囲碁が趣味です。認知症はありませんが、高齢のためなかなかでかけての付き合いができません。そんな中で、母親とディサービスに行っていますが、そこに囲碁の強い方が見えるようになって、非常に喜んでいました。父親もそれなりに強いのですが、なかなか勝てないと言っていて、人生の目標ができたようです。

日本経済新聞の三島和夫先生のコラムからの図
原図へのリンクです
さて、このような生活になっていればよいのですが、家にいると昼間も寝ている、また夜もやることがなくて早く寝てしまうということも多く見られます。

認知症の周辺症状では、睡眠障害が最も高頻度に見られるということが、示されています。図に示したのは、三島和夫先生の日本経済新聞の記事からの引用です。

先日、講演会の後で、あるい認知症を見ておられる先生から、「家族から、4時か5時位の早朝に覚醒して、徘徊するので困っている。もう少し眠るように出来ないか。」という質問をいただきました。患者さんは、かなり早い時間に就床しているようです。これは睡眠時間としては十分なものをとっているので、早朝に覚醒することはやむを得ないケースです。ただ、こういった認知症の患者さんの場合は、介護者のメンタル・ヘルスももう一つの視点です。介護者が介護を継続できるような生活のパタンを作っていくということも重要で、そういった意味では、介護者が朝まで十分に睡眠を取れるようにしてあげるということも、注意しなければならない点ではないかと思います。

こういった患者さんの場合、ではどうしたらよいかということは難しいですが
・ 日中の睡眠をなるべくなくして、活動性を上昇させる
・ なるべく遅い時間まで起きていられるように、夜に対応する時間をつくる
・ 夕方から夜になるべく明るい部屋で過ごすようにして、睡眠相を後退させる
・ 睡眠を安定させる薬物(ラメルテオン、スボレキサント)などを試して睡眠時間を延長させる
などを試しても良いかもしれません。

2016年1月19日火曜日

クラウド・ストレージ (3)

昨年(2014年)の8月15日のこのブログにクラウド・ストレージについて書いています。その後、私はYahooのプレミアム会員でもあったので、Yahoo Boxというのを使っていたのですが、落胆しました。Yahoo Boxのデスクトップソフトのサポートが1月31日で終わるという知らせが突如届いたのです。Yahoo Boxは、ウェッブ版は続きますし、タブレットアプリも継続されるということなので、全くデータが無くなってしまうわけではありませんが、私はデスクトップで使っていたので、非常に裏切られた思いです。

教訓: あなたのデータを永遠にお守りしますというような言葉には騙されてはいけない。

甲乙つけがたい両者
一方、ここのところ、このYahoo Boxに不便を感じていたのも事実です。複数のパソコンで使って、自動同期により、どのパソコンを広げても同じ環境になるように使っていたのですが、時に長いことOnにしているにもかかわらず、同期しないファイルが有るなど不都合が多くありました。そこで、そろそろ乗り換えも考えていたわけです。


結局、全てのファイルをメインのデスクトップPCにダウンロードし、他のクラウド・ストレージに移行することにしました。(実際この乗換で、幾つかの最新ファイルを失うことになりました。)

甲乙つけがたい両者
こうなってくると、何が次のクラウド・ストレージとして良いか迷うのですが、結局候補として考えたのは、アメリカ合衆国の2つのジャイアンツ(Google と Microsoft)です。この他にも、CopyやMEGAなども考えてみましたが、いろいろと検討して、やはりメジャーな物のほうが良いだろうと言う結論になりました。

私が使っているファイルの大きさは、原稿などですのでさほど大きくはありません。したがって、この2つのクラウド・ストレージについては、ほぼ無料の範囲内で使えそうです。

また、これらはオンラインのOfficeソフトを提供しているので、さらに新しい使い方も可能になると思います。

MicrosoftのOneDriveについて、重要な情報です。

MicrosoftのOneDriveは、無料の15GBは、手続きをしないと2016年1月31日で使用できなくなります。すぐ、この手続をすべきです。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1512/12/news016.html

こういった面ではGoogle Driveの方は、大丈夫なようです。更に、Google Driveのほうが、1ドル99セントでの月額で2倍=100GBの容量が手にはいります。

こう考えると、Google Driveのほうが良さそうですが、オンラインのOfficeソフトに関しては、下記URLの「モバイルオフィス対決!Microsoft Office vs. Googleドキュメント」が興味深いです。結論としては、Microsoft Officeのほうが格段に優れているということでした。実際使ってみてもそう思います。Microsoft Officeがゴールド・スタンダードになっている今日では、なかなかこの点でMicrosoftを抜くのは難しいのかもしれませんね。

http://www.lifehacker.jp/2014/12/141202microsoft_office_vs_google_doc.html

2016年1月14日木曜日

変形性膝関節症 (その2)

以前、変形性膝関節症について書きました。その後も、スクワットを続けたところ、大分良くなりました。私は、少し良くなると運動をしてしまい、また具合が悪くなるということを繰り返しがちなので、今回はこれにも注意し、走らずにウォーキングと、サイクルエルゴメーター、そしてスクワットなどの筋トレに専念しました。また体重も減らして、4kgは確実に減量できました。

ほとんど右膝の違和感もなくなったので、先日すこしジョギングをしたところ、流石に心肺機能は少し落ちている感じがしましたが、問題なくジョギングもできました。その後、先日の日曜日に大学で、ゼミ対抗のフットサル大会がありました。この大会は、Kings CUPと言って、教員のサッカークラブ(FC Kings)を早稲田大学スポーツ科学部ができた際に作ったのをきっかけに、学生参加のゼミ対抗のカップ戦をスタートしました。今年で12年目になります。

Kings Cup 試合終了後の集合写真です。
本年は、石井昌幸先生のチームが優勝しました。
20歳前後の学生に混じってフットサルをするわけですから、相当に膝に負担がかかるとは思い、出場はできないなと思っていましたが、いざ試合が始まると我慢できず、出場しました。我々のゼミチームは必ずしも良い成績とはいえませんでしたが、男子も女子も参加して楽しく試合ができました。私の膝は思いの外調子がよく、更に2ゴール決めることができました!

昨年の9月ころの様子を考えると本当に信じられない思いです。電車で、座っている座席から立ち上がる際にも痛みを感じていた膝が、フットサルができるほどになりました。本当に嬉しく思います。筋トレと減量についてアドバイスいただいた、福林徹教授にはほんとに感謝してもしきれない思いです。

これからも、ブルガリアン・スクワットを続け、年をとっても動ける体を維持したいと思っています。

2016年1月11日月曜日

座ってばかりの生活では、メンタル・ヘルスに良くないですよ。 (Practitioner記事)

BLAND P. SEDENTARY BEHAVIOUR IS BAD FOR YOUR MENTAL HEALTH. PRACTITIONER 2015;259(1788):5

Sedentary behaviour is bad for your mental health

22 Dec 2015
座ってばかりの生活についての注意書き
http://thecareersuccessdoctor.com/
からのリンク掲載
7時間以上テレビを見る人は1時間以下の人よりも
61%も死亡のリスクが高いというデータも掲載
(本文の論文とは別のサイトです)
英国の臨床家向け雑誌、Practitionerに、上記の記事がありました。題名の訳は、このエントリーの題名になっている「座ってばかりの生活では、メンタル・ヘルスに良くないですよ。」というものです。この解説記事は、主には英国精神医学誌(Br. J. Psychiatr)の論文の紹介です。この論文の題名は、The effect of experimentally induced sedentariness on mood and psychobiological responses to mental stress. (実験的に行った座位生活が精神的ストレスに対する気分と精神生物学的反応に対する効果)というものです。実験は、以下のように行われています。

被験者は、20代前半の健康な男女で、2週間ずつ普段の生活と、動かない生活を意識的にさせました。その結果、有意に動かない生活をするようになったようです。

その間に、 質問紙による気分は悪化し、さらに悪化の度合いとインターロイキン6の反応の間に関連があったということです。

この結果をみると、20代前半の人でも、2週間ほど動かない生活をさせると、気分は悪化しこれに伴う身体的反応の変化もおきてくるということが言えそうです。

このような研究はこれからももっと行われると良いと思っています。Sedentaryという言葉は、座りがちの生活などとも訳されていますが、これからの健康科学の一つのキーワードにもなると思います。これは、身体疾患だけでなく、精神疾患においても同様な事があり、これが精神医学の分野にも浸透してくることになるでしょう。

2016年1月8日金曜日

映画: フォーカス

お正月前に、U-Nextから一ヶ月間無料のメールがきました。U-Nextというのは、今流行の映画配信サイトです。期限付きの一本ずつのレンタルでも、一月見放題でも契約ができて、新しい映画が比較的たくさん見られます。以前、お試しをしたことがあって、アカウントを登録してあるので案内が来たのだともいます。

お正月は比較的時間があるので、後で解約すれば良いと思って、見放題を契約してみました。1月は無料なので、1月中に解約すれば料金は発生しません。ところが、お正月は思いの外いろいろとやることがあり、仕事が始まると解約を忘れそうなので、解約しました。そうしたところ、契約についてくる500ポイントはそのまま残るので、2月上旬までに使ってくださいというメッセージまでいただき、なかなか良心的だなぁと思い、先日その500ポイントでこの映画を見ました。実際には二日間のレンタル料が540円なので、40円をクレジットカードで支払ったのですが、昨年の新しい映画を500円で見られるのはお得な感じがしました。

このような動画配信サービスはたくさんありますが、最近はdTVなども安くて手軽で良さそうです。今度試してみたいと思います。

さて、肝心の映画ですが、詐欺師の映画です。とても面白かったです。ラブロマンスとも言えますが、なんともクールなラブロマンスで、なかなか楽しめました。


2016年1月4日月曜日

2016年 第92回 箱根駅伝 (その3) 二日目

早稲田大学は、4位でした。選手は優勝を狙っていたので残念そうではありましたが、私は、素晴らしいチームワークを見せてくれたと思っています。初日の高田は足に痛みがでて失速しましたが、その後の選手がしっかりと5位まで順位を押し上げてくれました。高田は私のゼミ生です。高田は走った後もしっかりとキャプテンとしての役割を果たしていました。

ゼミ生たちと。左から、佐藤、小生、三浦、高田
さて、二日目は昨年区間賞を取った6区の三浦に期待していました。ところが、とんだアクシデントがありました。前日の練習で足を痛めてしまったのです。三浦は4年生なので、最後のレースを走れなかったことは、相当残念で悔しかったと思います。その6区を、これもまたゼミ生の3年生佐藤淳が走ることになったのです。内田ゼミ、大活躍です。

佐藤は結構な緊張男なので、レース前にも何度かメールのやり取りをして応援に出かけました。朝、5時半頃家を出ると6区の応援ができます。場所は、以前三浦を応援したのと同じ入生田です。長い直線にでたら、その先にエンジのゼミ旗が見えるから、それを目指して走ってこいよと、メールで連絡しておきました。

走っている選手は、応援に答える余裕はありません。しかし、大声で応援したのは、佐藤はわかったようです。最後の苦しいところに先生が居てくれたと後で言ってくれました。

さて次は、柳です。柳は、教育学部ですが、卒論の指導もしたので、ゼミ生のようなものです。区間は8区なので茅ヶ崎で応援することにしました。茅ヶ崎駅から沿道までは約1kmですが、十分に移動して応援できました。

その後は、大手町まで移動し、競走部の本部でゴールを待ちました。その後報告会があり、今年初めての相楽監督も感無量で挨拶をしていました。報告会の後、皆でとった写真です。

駅伝は、走った選手も、走れなかった選手も、力を合わせて戦うチームスポーツとして、すばらしい感動を与えてくれます。選手に普段から接していればなおさら感慨深いものです。

又来年も、応援が楽しみです。

2016年1月2日土曜日

2016年 第92回 箱根駅伝 (その2) 初日 高田康暉君

初日の早稲田大学は、私のゼミからは高田康暉君が走りました。私は、沿道からの応援の予定でしたが、家人の都合で私は行けず、たまたまでかけた妻と子供が応援してくれました。写真はその時とったものです。

高田君は怪我で必ずしも十分な練習が詰めてなかったのかもしれませんが、最近は何とか回復して良くなったと思い安心していました。しかし、本日は途中で失速して悔やまれる結果となってしまいました。後で聞いた話では、怪我をした部位ではなく多分怪我をかばってバランスの悪い走りになったために、その負荷がかかった部分が痛んだようです。

頑張る高田 画面中央
アスリートのコンディションの評価は、このように非常にデリケートなもので、良さそうに見えても調整も含めて、入念にチェックをしたり、走法についての丹念なアドバイスをしていかないといけないものだという非常に良い勉強になりました。

早稲田大学の往路記録
高田君は、非常に好青年で、睡眠の勉強も良くしていました。彼は、鹿児島実業で教育実習をしてきたのですが、その時の講義で睡眠の知識が役に立ったという話をしてくれました。そんな形で、睡眠の知識がアスリートの間に広がるというのは本当に嬉しいことです。

今日は、その後の走りで早稲田は順位を上げ、明日に期待をつないでいます。このチームプレーが駅伝競技の素晴らしいところですね。


2016年1月1日金曜日

初日の出

今朝は、家族で暗いうちに家を出て、近くの見晴らしの良い場所から初日の出を拝みました。

世界の情勢は予断ならない状態ですが、大学人は大学生の教育を通じて、世界の平和に貢献できると確信できた2015年でした。早稲田大学スポーツ科学学術院の国際担当として、残りの任期に全力を尽くしたいと思います。

臨床面では、引き続き、運動、睡眠、食事という生活の3要素から、生活習慣、社会心理的ストレス、神経メカニズムの面から疾患を総合的に考える治療を続けたいと思います。

2016年は、新しい展開の年にしようと思います。よろしくお願い致します。