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2015年7月20日月曜日

睡眠障害の小冊子(私の編集)

医療関係者向けのCefiroという小冊子の、睡眠障害の特集を担当しました。

 PDFファイルへのリンク私の仲間の先生方に執筆をお願いし、良い物ができたと思います。

非売品なので、手に入りにくいと思いますので、PDFを掲載します。

こちらをクリックするとPDFが表示されます。

参考にしてください。

2014年12月10日水曜日

睡眠時無呼吸症候群の口腔内装具(マウスピース)

滋賀医大の宮崎先生が中心になっている、睡眠指導士の講習会で話をした時に、赤坂で歯科のクリニックをやっておられる古畑先生という方にお会いしました。古畑先生は、睡眠時無呼吸症候群の大家で、歯科の領域で活躍しておられます。

古畑先生とお会いして話を伺ったところ、シドニー大学で開発された、睡眠時無呼吸症候群用の歯科装具の具合が非常に良いということでした。私は、簡易型で測定したところ、無呼吸低呼吸指数が9程度の軽症の睡眠時無呼吸が有ることはわかっていましたので、運動して減量にトライしたり、横向きねをするようにしたりしていました。そのことを古畑先生にお話したところ、この装具を作ってくださるというのでお願いしました。先日、この口腔内装具(マウスピース)ができて、しばらく使ってみましたのでその感想です。製品は、ソムノデントとう名称のものです。

私のマウスピース(洗ってあります)

初日は、随分と気になりました。夜中に起きるたびに、口になにか入っているなぁという感じで、その上に下顎が前に引っ張られるので、朝起きた時に、顎の関節に違和感も有りました。二日目は、大分楽でしたが、明け方起きた時に外してしまいました。三日目も明け方外しましたが、気にならずよく眠れた気がします。四日目からは、朝起きるまでつけられるようになりましたし、顎の違和感もあまりありません。

睡眠は、確実に改善しています。朝、スッキリと早くおきられるので、妻も驚いていました。睡眠の質がやはり良いようで、日中の眠気も、今まであるとは思っていませんでしたが、随分とスッキリした感じもあります。

以前、読んだ文献では、正常な人でもCPAPをすると、うつ状態が改善するとういものがありました。これを考えると、睡眠時の呼吸をきちんと管理することが、本当に日中の精神状態を改善するんだなぁという気がします。

この口腔内装具は、CPAPの機械に比べて小さく持ち歩けるので、出張などにも持っていけます。とても便利なので、毎日使うつもりです。畑中先生には本当に感謝しています。

この装具は、自費診療の範囲ですが、畑中先生のクリニックでは保険診療でカバーされるものも取り扱っています。

軽症の睡眠時無呼吸の患者さんには、是非薦めたいと思っています。

2014年6月6日金曜日

Kapur先生に学会でまた会う:精神科疾患と無呼吸

学会場を歩いていると、Sunaoと声をかけられました。誰かと思うと、4月に鎌倉をご案内したKapur先生でした。意気投合し、ひとしきり日本でのその後の話などをし、昼を一緒に食べようと言うことになりました。お昼に待ち合わせると、彼の医学部研修医時代の同級生も一緒に来て、一緒にご飯を食べることになりました。Kapur先生とは日本に見えたときのその後の話でもしようと思ったのですが、お友達も来たので、学会関連の話をする事になりました。

彼らは、呼吸器内科医なので、精神科のことは知りません。睡眠学会へは、睡眠時無呼吸症候群の発表を聞きに来て居ます。私は精神科医なので、精神疾患で睡眠時無呼吸症候群が多いことに話をふってみました。すると、その友達が興味深い話を聞かせてくれました。自分の患者さんで統合失調症の患者さんがいて、なぜその患者さんを診ることになったのか忘れましたが、無呼吸症候群が疑われたそうです。それで、検査をしたところ重度の睡眠時無呼吸症候群だったので、治療にCPAPをする事にしたそうです。しかし、主治医の精神科医はこれに理解がなく、必要無いのではないかという反応だったそうです。しかし重度だったので、必要だと説得してCPAP治療を始めたところ、精神症状も大幅に改善し、ある日母親もやってきて、本当にここのところ良くなった。ありがとうございましたと、御礼を言われたという事でした。こういう話を聞いても、国によらず、精神科医は、睡眠疾患の有無を頭において診療に臨む事の大切さを感じます。

この他にも、こうやってアメリカの呼吸器科の医者と話をしたりしていると、いろいろと雑多な情報を得ることができます。例えば、MediCareというアメリカの大きな医療保険会社の基準だと、CPAPの導入にはAHIは5以上あれば良いということは驚きでした。正確にはRDIで4%以上無呼吸で血中酸素濃度が下がった場合が一時間に5回以上ということですが、私はいぜんやった簡易検査ではRDI3%が9位だったので、アメリカではCPAP導入ケースになります。日本では、簡易型で40以上、通常の病院に宿泊してやるポリグラフ検査では20以上が基準です。

いろいろな解釈ができますが、軽症例でもCPAPはやったほうが良いという考え方をとっているということ。それから、基準を低くすれば、それだけCPAP会社が儲かるということ。両方あるのだと思います。アメリカは、よくも悪くも自由経済の国ということが、医療を通じても思い知らされます。

2014年4月14日月曜日

Kapur先生

昨日、アメリカワシントン州ワシントン大学ハーバービュー病院のVishesh Kapur先生のご家族が日本に来られたので、妻と鎌倉をご案内しました。鎌倉には、海外からのお客さんを案内する時くらいしか行きませんが、いつも良い所だと思います。昨日は、たまたま鎌倉まつりにあたり、すごい人出でした。日本についた初日だったので、あまり過剰なスケジュールにはせず、まずは大仏見学。それから、松原庵というお蕎麦屋さんへ行って、ゆっくりと昼食を食べました。松原庵は、初めて行きましたが、とても素敵なお店でした。由比ヶ浜駅から海の方向に歩いて2-3分のところですが、古民家の室内席と、庭にあるモダンなガーデンテーブルの席があって、良い雰囲気の中で美味しいおそばをいただけます。

Kapur先生は、睡眠医学の専門家で、私がシアトルにあるワシントン大学を訪問した際に、知り合いました。インド系のアメリカ人で、とても紳士です。睡眠医学に連しては、睡眠時無呼吸の簡易型測定の話、うつ病に無呼吸が多いという話、発達障害の過眠、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の使い方、アメリカの医療封建制度などについて、とても有益な情報交換を、おそばを食べながらしました。

その後、鶴ヶ岡八幡宮へ行き、鎌倉まつりの雰囲気を味わいました。ご家族と一緒のところを妻がとってくれた写真です。



最後に報國寺(竹寺)に行って、鎌倉の自然の雰囲気を味わいたかったのですが、16時閉門を知らず、16時10分に到着して、入ることができませんでした。しかし、報國寺近辺を散歩できました。とてもよい環境で、あのあたりに移り住みたい思ったくらいです。

Kapur先生から伺った話も今後少し書いてみたいと思っています。

2014年3月22日土曜日

睡眠時無呼吸症候群とうつ病 (2)

本日、この題名で医者向けに講演をします。すでに、同名のエントリーで概要は書いているので、今日話すにあたっての新しい内容のみです。

すでに、日中のうつ症状の背景に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)があるということは、様々なところで報告がありますが、今回調べてみてわかったのは、多くの研究が睡眠時無呼吸のある人に、どの程度の割合でうつ状態があるかを調べた研究が主体だということです。例えば、Sharafkhanehらによる2005年の研究では、OSAがある人達では、21.75%、ない人たちでは9.43%にうつ状態が認められています。

また、ヨーロッパでの調査は、電話による聞き取り調査ですが、18,980名(15-100歳)を対象とした構造化された質問(質問事項を最初から決めてある)によって、健康状態および精神状態、睡眠時呼吸障害について調べています。その結果、2.1%がOSA. 2.5%が何らかの睡眠時呼吸障害。
0.8%に呼吸障害とうつ病の合併が見られたということでした。うつ病の18%に睡眠時呼吸障害が見られ統計的には、うつ病の患者には、5.26倍無呼吸が多く見られたという結果です。

私が経験する中でも、うつ病の患者さんに無呼吸の検査を行い、これが発見された無呼吸の治療をおこなうことで、日中の意欲の低下やだるさが非常に改善され、投薬が必要なくなった人たちもいます。この点は、ぜひ精神科だけでなく内科の先生方にも知ってもらいたいことだと思っています。

2014年3月5日水曜日

睡眠時無呼吸症候群とうつ病 (1)

北陸道のバス事故の原因が睡眠時無呼吸症候群かどうかは分からないが、この疾患は、すぐに治療しないと命にかかわるものではないが、放っておくと大きな問題となる疾患なので、きちんと治療しないといけない。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている時に呼吸が止まる疾患で、多くは閉塞性とよばれる、呼吸の際に空気の通る咽頭のあたりがペタッと(この表現が良いのかはわかりませんが、イメージとして)閉じてしまい、呼吸ができなくなるものが最も多く見られます。また、家族から見ると「いびき」も非常に特徴的です。完全に閉塞する前にかろうじて呼吸する空気が咽頭をブルブルと震わせるその音が、大きないびきとなるわけです。原因は、肥満により体脂肪率が高いということや、顎が小さく、後ろに引いているため仰向けで眠ると気道が閉じやすいという生まれながらの特徴があること、などが挙げられます。

この疾患の特徴は、眠っている間に息が止まって苦しいという自覚がないことです。したがって、「眠っている間に息が止まって苦しいので、睡眠時無呼吸症候群かと思い来院しました。」という患者さんは、そうでないことが多いです。

では、どのような症状で来院するかというと一番は日中の眠気です。その他に、起きた時の頭の重さ、頭痛、喉の痛みなど。睡眠中の症状としては、何度も目が覚める、何度もトイレにいくなどということが見られます。

日中の眠気は、エプワース眠気スケールで評価することが多いですが、眠気よりも最近私が憂慮しているのはうつ状態です。眠気があると脳機能は十分働かず、これはストレス耐性を低下させます。睡眠不足がストレス耐性を低下させるのは、国立精神神経医療センターの三島先生の研究が示すところです。そのため、ストレス状態が続き、うつ病になります。そして、精神科の外来ではうつ病の治療をするわけですが、休職などによってある程度良くなります。しかし、睡眠時無呼吸に気づかれていなければ、やはり復職するとストレスを強く感じます。

私が外来をしているクリニックでは、うつ状態の患者さんを診察するときに、必ずこの点を頭においています。この患者さんには睡眠時無呼吸があるかないか。ありそうであれば、必ず簡易型の検査をします。簡易型の検査は、器具を家に持って帰って一晩測定するだけの簡便なもので、費用は保険でカバーされます。これで、たくさんの睡眠時無呼吸を見つけました。ある患者さんは、長年抗鬱剤治療を受けていて、検査の結果睡眠時無呼吸が判明し、CPAPという無呼吸の治療を開始したところ1ヶ月で完全に服薬を中止できました。

睡眠時無呼吸が重症の人は、生命予後も良くないという結果が報告されています。昼間の眠気、うつ状態。治療者は、睡眠時無呼吸症候群も頭に置きたいところです。

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中程度以上(一時間に平均20回以上無呼吸がある人)は、生命予後も不良です。横軸は、発見されてからの年数。20回以上の場合は、死亡する割合が高いです。このデータによれば、9年で4割程度。(He J, et al, 1988)(図は、帝人ファーマのサイトで引用していたもの)