2014年9月29日月曜日

スポーツとスポーツ科学の国際化 (4) 早稲田大学がSGU(スーパーグローバルユニバーシティー)に選ばれました!

早稲田大学がSGU(スーパーグローバルユニバーシティー)に選ばれました!私にとっては、とても嬉しいことです。様々な新聞が、この報道を指定ますが、朝日新聞の記事へのリンクを貼っておきます。

SGUに選ばれたのは、37大学ですが、2つのタイプ(トップ型 と グローバル化牽引型)があり、早稲田大学はトップ型に入りました。トップ型に選ばれたのは、以下の13校です。

早稲田大学、 東京医科歯科大学、慶応義塾大学、東京工業大学、北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、京都大学、大阪大学、広島大学、九州大学
(私的な理由による順序になっています)

この中で、スポーツ科学があるのは、早稲田大学と筑波大学です。私は、この中で早稲田大学のスポーツ科学の国際化を推進する係になっていて、非常に役割は重要であると考えています。

世界の大学ランキングで100位以内を目指す「トップ型」の大学に早稲田大学をする上で、スポーツ科学学術院がどのように貢献できるでしょうか。一つは、大学院の研究レベルを上げることでしょう。これは、すでに良い研究者が居るのでこの人達の研究を推進していくことが大事だと思います。その際に、国内だけでなく国外の大学院生が集う環境を作ることが非常に大事だと思います。

私は以前、理化学研究所のMRI研究室と共同研究をしていたことが有り、頻繁に理化学研究所を訪れました。その時に、国際化ということを経験したのでしたが、その頃のこの理化学研究所の脳科学研究センターは、伊藤正男先生が所長で、公用語を英語としていました。したがって、様々な事務文書も英語でした。また、多くのチームリーダーが外国人で、外国人が自分が研究をしやすいように、外国人研究者を研究員として呼んでくることが行われていました。その中で、日本人も仕事をし、キャンパス内の研究員宿舎には多くの外国人家族が住んでいました。このようなことで、キャンパスは外国に来たようでした。また、休み時間にサッカーをしているのを見たりしたのですが、これもイタリア人研究者などが、結構サッカーが上手だったりして、なかなかおもしろい光景が繰り広げられています。

私は、そんな雰囲気に早稲田大学のキャンパスもなると良いと思っています。そのためには、大学院だけでなく、学部においても、アジアを始めとして海外の大学生が集い、各国の言葉が生協食堂で飛び交うような雰囲気になれば、真の意味でグローバル化した大学が作れるのではないかと思います。

SGUの期間でそれが達成できるのかどうか分かりませんが、少しずつでも達成できるようになると良いと思います。その中で、真の意味でグローバル化した学生や大学院生、そしてグローバル化した社会人や研究者が育つと良いと心から思っています。

2014年9月26日金曜日

映画: Maleficent マレフィセント

ウォルト・ディズニーのMaleficentという映画を飛行機の中で見ました。眠れる森の美女のリメークなのですが、ストーリーは全く変わっています。ストーリーを詳細に書くのは控えますが、本来の眠れる森の美女のように、王子様のキスで王女が眠りからさめて、二人で人々が幸せに暮らせる国をつくりましたとさ…というような、ストーリーではなく、良い面も悪い面もある妖精Maleficentを主人公にした作りになっています。

このような、昔だったら勧善懲悪のわかりやすいストーリーの物語が、最近はこのような人間勧善懲悪でもないが捨てたものでもないですよ、というようなストーリーになっている気がします。このようなストーリーは大人が見ても、楽しめるのですが、どのくらいの子供がこのストーリーを楽しんでいるのでしょうか。

昔の単純な勧善懲悪でないストーリーが増えていることは、いろいろな側面から考察できると思います。人間の本質はそんなに単純でないということが価値観の多様化の中から人々にむしろ受け入れられやすくなったということ。これは、統合失調症の軽症化ともつなげて考えられることかもしれないのですが、このようなストーリーが増えていることはやはり、価値観の変化を示すものだと思いました。ただ、子どもたちはこういうストーリーは、善悪はそんなに簡単なものではないと必ずしも受け止めないかもしれません。良いこともやっていれば、悪いことだってしょうがないんだと受け取りがちな気もして、気になるところです。大人向けの映画なら良いと思うのですが。

もう一つの視点は、このようなストーリーがアメリカの映画に多いこととの関連ですが、アメリカの政治的な動きが、必ずしも勧善懲悪では説明できないのが最近明らかになっていていることとも関連あるかなとも思いました。自分たちのやっていることが正しいのかどうかわからない時には、人間は確認強迫的な行動が多くなることもありますが、なにかこのような映画がアメリカで作られているのをみると、自分たちの世界の中での行動が、良くない面があるのはわかるが、そんな勧善懲悪なんて世の中にないのだから、結果として何か良いものが得られれば良いじゃないかということを、国民レベルで確認しあっているようにも思います。

最近の、シリア領内のIS施設への空爆など、きちんと勧善懲悪で説明するのは難しいことばかりです。このようにグローバル化した世の中になると、昔だったら関わりあいのなかった人たちとも関わっていかなければならなくなります。ちょっと深読みし過ぎかもしれませんが、このようなグローバル化した社会に統一的なルールを作るのは困難なんだなと感じさせる映画でもありました。

2014年9月24日水曜日

スポーツとスポーツ科学の国際化 (3) アジア睡眠学会の教育セッションに参加して

アジア睡眠学会で教育セッションが有り、インド、オーストラリア、アメリカ、などの臨床家・研究者が、睡眠教育のあり方や国際連携について話し合いました。この話は、スポーツとスポーツ科学の国際化、あるいは、早稲田大学スポーツ科学学術院の国際化を考える上で参考になりました。

また、夜のバンケットでは、インドの研究者に、高校生が日本の大学を受験して入ろうと思うかというような事も聞いてみました。インドからは、シンガポールに留学する人や、一部香港に行く人もいるけれども、殆どは欧米に行くということでした。

インドで話を聞いているということも有りますが、アジアにはまだ、英国連邦のつながりがかなり残っているんだなぁという気もいたしました。したの図は、右ハンドルで車を運転している国の図なのですが、右ハンドルである理由はイギリスから交通制度を取り入れたからです。そういう意味では、この図は現在のアジアの国のつながりを見るという視点で参考にしても良いかもしれません。

右ハンドルの国

香港は写っていませんが、香港シンガポール、そしてオーストラリアやインド・パキスタンなどは、共通の英語言語を用いて、歴史的にも仲間の意識があるような印象をもちました。

スポーツとスポーツ科学の国際化について、英語教育が大切であることは間違いないと思います。これによって、アジア・オセアニアなかで右ハンドルの国の仲間に入れるということも言えるように思います。しかし、韓国の英語教育が、日本より進んでいるものの必ずしも順調でないように(東洋経済記事)、日本でも十分に考えて物事を進めていかないと、教育という視点からの国際化は進んでいかないようにも思います。

今回は、インドから見た国際化で、これが英国連邦(Britisch Commonwealth)の歴史と関わっている印象を持ちましたが、きっとこれは中国、韓国、台湾、あるいはシンガーポール、タイにいけば変わって見えてくるものもあるように思います。興味のあるところです。

2014年9月22日月曜日

アジア睡眠学会 インド ケララ州 (1)

現在、南インドのケララ州、コバラムビーチのホテルに滞在しています
世界には、睡眠学会が幾つもあります。主なものは、アメリカ睡眠学会、ヨーロッパ睡眠学会、そして日本睡眠学会。最近はオーストラリア睡眠学会も大きくなっています。この中で、日本睡眠学会は国内学会とともに、アジア睡眠学会の一員としても大きな役割を果たしています。また、オーストラリアは、オセアニア地区をまとめています。これらの学会は、更にWFSRS(World Federation of Sleep Research Societies)として、世界連合をつくっています。
20年ほど前までは、アジアの睡眠研究はまだ黎明期に有りました。そのころは、日本睡眠学会がアジアをリードし、代々のアジア睡眠学会のプレジデントは日本人が務めてきました。初代は、井上昌次郎(東京医科歯科大学)でした。その後も、プレジデントは日本人が多く務めています。しかし、現在の理事長は初めて日本人でないアジア人が就任しました。インドの全インド医学研究所のフルダナンダ・M・マリック教授です。インドでは、少数の研究者によって、以前から睡眠研究が盛んに行われてきました。マリック教授の恩師V.モハンクマール先生はまさに、インドの睡眠研究を切り開いた人と言ってもよいでしょう。
今日は、まだ初日ですが、これからのセッションが楽しみです。



開かれている場所は、南インドのケララ州にあるトリバンドラムという州都にほど近いコバラムビーチというビーチリゾートです。美しいアラビア海のビーチを眺めながらの、睡眠研究のディスカッションからは、何か良い物が生まれそうです。

2014年9月19日金曜日

第69回 日本体力医学会大会 長崎

9月19日より、日本体力医学会が長崎で開催されます。私は、シンポジウムに招聘されていて、シンポジウムでうつ病運動療法の現状についてお話します。

大会ホームページ

この学会は、自然科学系スポーツ科学を研究する人たちの学会です。ヨーロッパには、ヨーロッパスポーツ科学会(ECSS)がありますが、この学会はヨーロッパのスポーツ科学会とも連携しています。また、米国とは米国スポーツ医学会(ACSM)との連携もあるようです。今回の大会でも、交流シンポジウムが開催されます。私は、この学会では雑誌の編集委員の仕事もしています。

今回の大会のシンポジウムのタイトルだけを抽出して俯瞰してみますと、下記のようです。これを見ますと、基礎的な研究から応用研究まで、そして競技スポーツに関連したものから健康スポーツに関連したものまで網羅しています。今回、私が話しをするのはシンポジウム9ですが、シンポジウム10もまた興味深いものです。このように、メンタルヘルスに関連した話が多くなってきているのも最近の特徴だと思います。

更には、オリンピック招致が決定されて、アスリートのサポートも大きな課題になっていると思います。この傾向は、更に2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて強まることでしょう。


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シンポジウム1
9月19日(金) 10:20 ~ 11:50 B会場(教養教育棟2F A-21教室)
「介護予防・高齢者の運動処方
-自立支援のための運動の工夫を目指して-」

シンポジウム2
9月19日(金) 10:20 ~ 11:50  C会場(グローバル棟4F スカイホール)
「エネルギー代謝の分子機構を「分子」の視座で捉える」

シンポジウム3
9月19日(金) 10:20 ~ 11:50 D会場(環境科学部棟1F 141教室)
「疲労のメカニズムを探る」

シンポジウム4
9月19日(金) 13:20 ~ 14:50 B会場(教養教育棟2F A-21教室)
「トップアスリートにおけるコンディショニング
~JISSの取り組みを中心に~」


シンポジウム5
9月19日(金) 13:20 ~ 14:50 C会場(グローバル棟4F スカイホール)
「運動教室の実際とその効果:実践現場からの報告」

シンポジウム6
9月19日(金) 13:20 ~ 14:50 D会場(環境科学部棟1F 141教室)
「次世代の体力科学~骨格筋特性を保持するシステム~」

シンポジウム7
9月19日(金) 15:20 ~ 16:50 B会場(教養教育棟2F A-21教室)
「メディカルフィットネス: 過去、現在、未来」

シンポジウム8
9月19日(金) 15:20 ~ 16:50 C会場(グローバル棟4F スカイホール)
「体力科学分野における「低酸素」の多元的意義
~「低酸素」の功罪を俯瞰し、健康増進を目指した有効利用を模索する~」

シンポジウム9
9月19日(金) 15:20 ~ 16:50 D会場(環境科学部棟1F 141教室)
「3次予防における運動療法~体の状態に応じた身体活動~」

シンポジウム10
9月20日(土) 8:50 ~ 10:20 B会場(教養教育棟2F A-21教室)
「運動とメンタルヘルス-先端脳科学から探る運動とこころの関係-」

シンポジウム11
9月20日(土) 9:50 ~ 11:20 D会場 環境科学部棟1F 141教室
「日本体力医学会新評議員の研究・キャリア」

シンポジウム12
9月20日(土) 10:30 ~ 12:00 B会場(教養教育棟2F A-21教室)
「オリンピックとスポーツ医・科学~2020東京オリンピックに向けて~」

シンポジウム13
9月20日(土) 13:20 ~ 14:50 B会場(教養教育棟2F A-21教室)
「ロコモティブシンドロームの基礎研究」

シンポジウム14
9月21日(日) 8:50 ~ 10:20 C会場(グローバル棟4F スカイホール)
「高齢者の日常生活における熱中症予防に体力医学会は何を成し得るか」

シンポジウム15
9月21日(日) 8:50 ~ 10:20 D会場(環境科学部棟1F 141教室)
「地域タレント発掘・育成事業におけるスポーツ栄養サポートの取組」


2014年9月17日水曜日

スポーツとスポーツ科学の国際化 (2) 早稲田大学の国際化

この秋から早稲田大学スポーツ科学学術院 副学術院長 (国際担当)の役職をする事になりました。私の役割は、学術院の国際化を促進することですが、自分でも重要な役割であると思っています。

早稲田大学は、大学全体として国際化(グローバル化)を推進しています。これについては、副総長 内田勝一先生のインタビューにも有りますが、相当数の留学生を増やす数値目標をおいています。

<引用>
――留学生8000人という数字があがっているわけですが、トータルな政策が必要になります。
内田副総長 学部は4万5000人、大学院で9000人、合わせて5万4000人に対して現時点で留学生は約2800人。ということは、あと5千数百人の学生が増えることになります。
<引用ここまで>

現在の留学生の多くは、国際教養学部の学生ですが、国際教養学部の学生の枠は増えないので、これからは他の学部でも留学生の数を増やしていくことになるのだと思います。我々のスポーツ科学部でも、大学院スポーツ科学研究科でも留学生の数を増やしていくことが、大学からも期待されていることだと思います。

これによってどのようなことが期待されるでしょうか。学部生は、多くの海外の仲間と大学時代を過ごすことになります。また、海外からの学生も多くの日本人の学生と友だちになります。海外からの学生の多くは、アジアの国々の人だと思います。学生時代は、いろいろなことを分け隔てなく語り合える年代で、生涯の友となる人ができるでしょう。卒業後は、それぞれが様々な方向に進み、本国に帰る学生も居ると思います。その学生は、本国でスポーツ科学に関連した分野の中心となり、そして学生時代に友となったつながりも利用しながらその分野を本国で発展させていくでしょう。卒業生の分野は、スポーツ科学に限ったことだけではありません。そうして、早稲田大学をハブとして、様々な交流が生まれるという形の発展ができてくるのだと思います。

副学術院長のこの仕事は、そう考えると、なかなかやりがいのある仕事だと思っています。

このブログでもこの動きについて時々、触れてみたいと思います。

2014年9月15日月曜日

成人発達障害支援研究会 (1)

成人発達障害支援研究会に入会することにしました。最近外来診療の中で、発達障害と診断される方が多くなってきたということも有ります。また、以前にも書きましたが、睡眠専門外来において、日中の眠気、過眠を主訴に来院される患者さんのなかに、かなりの割合で発達障害と診断できる方がおられることも、この会に入会しようと考えた大きな要因です。

睡眠障害と発達障害は、実は非常に近いところにあるのではないかとも思います。例えば、AD/HDの治療に用いられるアトモキセチンやメチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンに関わる薬物ですが、これらの神経伝達物質は睡眠覚醒の機構においても重要な役割を果たしています。したがって、睡眠障害は、発達障害の症状の一部であるとも考えられます。睡眠障害を専門とする、他の専門外来で、AD/HDの患者さんが睡眠相後退症候群と誤診されたケースを経験しましたが、このようなことは意外と多く起きているのだとも思います。

できれば、この研究会で、睡眠障害と発達障害の関連についても、多くのこの分野の専門家の方々と意見の交換ができれば良いと考えています。この会の代表の加藤進昌(かとうのぶまさ)先生は、睡眠障害の専門家でも有りますので、とても楽しみです。