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2016年9月13日火曜日

第14回 日本スポーツ精神医学会

第14回 日本スポーツ精神医学会が、北里大学精神科 宮岡等教授を会長として開催されました。9月2日から4日のの間、品川区にある北里大学白金キャンパスにて行われました。

メインは、3日土曜日の学術集会ですが、本年は、宮岡会長の講演、元プロレスラーの小橋健太氏の講演、そして、J-リーグ村井満チェアマンの講演がありました。また、シンポジウムは、精神障害と知的障害のスポーツについて話し合われました。昼の教育講演は、ギャンブル依存についての北里大学蒲生裕司先生の話がありました。

宮岡先生の講演は、我々の学会について、非常に示唆に富むもので、私はとてもためになったと思っています。また、今後も宮岡先生には学会運営にご協力いただきたいと心から思いました。

会長の北里大学精神科教授 宮岡等先生と一緒に
小橋氏の講演もとても感動的なもので、このような学会講演は日本スポーツ精神医学会ならではだと思います。小橋氏が、プロレスでチャンピョンになりその2ヶ月後に腎臓がんが見つかり、それから治療復帰へのプロセス、そして、ご自身の心境の変化などについて、とつとつと語られ会場の聴衆に多くの感動を与えました。涙をながし、聞いている人たちもいました。

村井チェアマンは、学会に講演の時間だけでなく、長期にわたって滞在され、スポーツ選手のメンタルヘルスの問題について耳を傾けておられました。J-リーグはサッカーを広めるだけでなく、サッカーを通じての社会貢献活動をするということを主眼においているということを何度も強調されましたが、組織運営については能力の高い人だという認識を新たにしました。個人的にもお話させていただきましたが、これについてはまた別に取り上げたいと思って います。

教育講演の蒲生先生のお話は、途中からの参加でしたが、依存症について科学的メカニズムについて、お話されました。このお話は、私自身の臨床活動については、非常に参考になるお話でした。

シンポジウムは、精神障害、知的障害の障害者スポーツについての、様々な方々との取り組みについてでしたが、この分野も更に発展し、我々の学会も是非協力していきたいと思っています。


学会に先立った、理事会で新理事が決定され、学会の体制も新しくなりました。私自身は、理事長に再任され、今後の3年の任期の中で、学会を更に発展させ、システムも変えていきたいと考えております。日本スポーツ精神医学会を是非よろしくお願い致します。

2015年9月7日月曜日

第13回 日本スポーツ精神医学会

9月4日から6日、札幌市において第13回日本スポーツ精神医学会が開催されました。会長の井上誠士郎先生始め、石金病院のスタッフの方々、大変ご苦労様でした。今回は、北海道らしくウィンタースポーツのモーグル競技から、伊藤さつきさんの、怪我を乗り越えての講演がありました。また、フットボーラーの井上先生らしく、障害者フットボールについてのシンポジウムが開催されました。

壇上で開会の挨拶をする井上会長
(フットボーラー精神科医)
日本スポーツ精神医学会は、様々な形で発展しています。その幾つかをご紹介したいと思います。

1.会員数の増加
未だに、小さい学会ではありますが、現在は会員数が300名を超えました。

2.メンタルヘルス運動指導士制度
学会では、精神医学の知識を持ちながら、精神科の患者さんに運動指導をするメンタルヘルス運動指導士制度を制定しています。今年度からは、これに加えて更に資格を取りやすい、メンタルヘルス運動指導員の制度を制定しました。指導士は、基本的には医療資格をもって、より臨床に近い場で行う制度ですが、指導員は、スポーツジムなどやヨガ教室で、指導をおこなう人たちが、精神医学の知識ももちながら、また、学会で他の学会員と交流しながら活動することを目的とした制度です。

4.精神障害者スポーツへのサポート
障害者スポーツ大会や、精神障がい者ソーシャルフットボール大会などの活動にたいして、サポートをしています。また、理事がこれらの活動に携わっています。

5.スポーツ心理学との連携
アスリートのメンタルヘルスの問題に対して、日本スポーツ心理学会と連携してサポート体制を構築しようとしています。


このような、活動に興味のある方はぜひ入会をおねがいいたします。
入会は、日本スポーツ精神医学会のホームページより、入会申込書をダウンロードしてお送りください。http://sportspsychiatry.jp/

ぜひよろしくお願いいたします!

2014年8月29日金曜日

第12回 日本スポーツ精神医学会学会総会・学術集会 鹿児島 (3) 

いよいよ、本日から学会が鹿児島で開催されます。私はこれから鹿児島に向かいます。今回の学会はこれまで行われた12回の中では最南端で行われます。すでに、プログラムが送られててきていますので、以下に紹介します。最初は、なんとか演題を集めたという感が強かったのですが、次第にしっかりした、また興味深い演題が並んでいるのでとても楽しみです。多くの方々に参加してほしいと思っています。

<付記>
抄録集をご希望の方は、下記に送付先や冊数を記入してメールしていただきますと、一冊3000円で送らせて頂いています。よろしくお願い致します。

生協学会支援センター  gakkai@univcoop.or.jp
担当:日本スポーツ精神医学会事務局 井手


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一般演題
09:00 一般演題1:メンタルヘルスと運動・スポーツ(5題)
座長:吉野 聡先生(吉野聡産業医事務所所長)

1. 健常勤労者に対するウォーキングの介入が睡眠に及ぼす影響~運動習慣あり群
と運動習慣なし群の比較~
堀 輝先生(産業医科大学精神医学教室)

2. 地域運動教室に通う高齢者の認知機能と抑うつ評価と生活運動
宮内雅利先生(横浜市立大学医学部精神医学教室)

3. 運動施設におけるメンタルヘルス不調者に対する運動プログラムの検討
尾関拓也先生(あいち健康の森健康科学総合センター)

4. リワークプログラムで実施するストレス反応に効果的なストレッチ体操の考察
篠原慶朗先生(四谷ゆいクリニック)

5. 運動療法を併用することで就労が可能であったうつ病患者の一例
香月あすか先生(産業医科大学医学部精神医学教室)


09:55 一般演題2:精神科医療における運動・スポーツ(5 題)
座長:山口聖子先生(北里大学医学部精神科助教)

1. ランニング運動療法が奏効したひきこもりの一症例 運動療法前後における光
トポグラフィを用いた脳血流比較
西多昌規先生(自治医科大学精神医学教室)

2. 心と体を繋ぐ看護-運動療法における重症の神経症患者との関わりを通して-
福冨里子先生(アンジェ心療クリニック)

3. 移り変わる自我状態をスポーツという枠組みで支えた事例
 水上忠臣先生(緑風会 水戸病院)

4. 慢性統合失調症患者がフットサルで見せる積極性
峰野 崇先生(総合心療センターひなが)

5. 慢性統合失調症患者に対する運動指導の身体能力の改善について
石井千恵先生(医療法人社団清心会 藤沢病院)


10:50 一般演題3:アスリートのメンタルヘルス(5題)
 座長:山本宏明先生(北里大学メディカルセンター精神科臨床講師)

1. 競技者における身体感覚の増幅度傾向
秋葉茂季先生(国立スポーツ科学センター)

2. アスリート心理により食行動異常を有していた CO 中毒自殺企図症例
山口達也先生(熊本大学医学部附属病院神経精神科)

3. 大学競技におけるメンタルヘルス:第一報 スピードスケート事例の考察から
小林佳乃子先生(高崎健康福祉大学大学院保健福祉学専攻)

4. スポーツ指導における暴力に関する精神医学的考察―暴力被害者の類似性―
諸江健二先生(アンジェ心療クリニック)

5. トップアスリートの心理的援助における連携マップの必要性
関口邦子先生(国立スポーツ科学センター)

  •  教育講演
    「薬物乱用の最近の傾向」
    <講師>
    佐野 輝 先生
    (鹿児島大学医歯学総合研究科精神機能病学分野教授)
    <座長>
    杉田 義郎 先生
    (大阪大学名誉教授)
  •  特別講演1
    「からだを育み、こころを育み、人を育む」
    <講師>
    武藤 芳照 先生
    (東京大学名誉教授  日体大総合研究所所長)
    <座長>
    内田 直 先生
    (早稲田大学スポーツ科学学術院教授)
  •  特別講演2
    「情熱と我慢」
    <講師>
    松澤 隆司 先生
    (鹿児島県サッカー協会顧問)
    <座長>
    岡村 武彦 先生
    (大阪精神医学研究所 新阿武山病院 院長)
  •  シンポジウム
    「スポーツはこころを育む」
    <基調講演>
    「スポーツによって育まれるこころ」
    橋口 知
    (鹿児島大学教育学部健康教育講座教授、第12回学術集会会長)

    <シンポジスト>
    1.「夢を育み自主性を重んじる指導から生まれた世界新記録の背景」
    大脇 雄三 先生
    (志布志ドルフィンズスイミングクラブ代表)

    2.「障害者権利条約にみるスポーツ」
    谷川 知士 先生
    (鹿児島女子短期大学児童教育学科准教授)

    3.「オリンピック選手から少年野球まで」
    内田 泰彦 先生
    (健康・リハビリテーション内田病院理事長)

    4.「運動経験とパーソナリティ」
    藤田 勉 先生
    (鹿児島大学教育学部保健体育講座准教授)

    <座長>
    宮崎 伸一 先生
    (中央大学法学部 教授)
    佐藤 大輔 先生
    (公益社団法人いちょうの樹 横山病院院長)

2014年8月8日金曜日

第12回 日本スポーツ精神医学会学会総会・学術集会 鹿児島 (2) メンタルヘルス運動指導士について

学会の初日には、メンタルヘルス運動指導士の講習会が開かれます。これについて少し紹介したいと思います。

メンタルヘルス運動指導士は、この資格が最初に学会で提案された際には、精神科の病院で患者さんに運動指導をしているスポーツ体育系の学部出身者が医療に関わる資格がないということで、病院内での認識が充分でないという学会員からの問題提起から、何らかの資格を作りたいという形で始まりました。精神科の病院などでは、デイケアや入院患者さんのレクリエーション等でスポーツを多くします。また、スポーツが治療的に役立つということで、スポーツ活動を治療的な意味をこめて取り入れているところも多くあります。そういうところでは、スポーツ好きの看護師さんや作業療法士さんが運動指導をすることも多いですが、スポーツの専門家を指導者として雇用して運動指導をする場合も多くあります。このような人が、病院の職員になった場合には、病院における運動指導士という正式な資格が無いために、医療資格(看護師、作業療法士、精神保健福祉士など)のある人と比較して位置づけが充分でなく、肩身の狭い思いをするということがありました。日本スポーツ精神医学会では、このような仕事に就いている人に対して、資格をつくり、精神疾患の患者さんに運動指導をする知識と技術を持った人だということを保証するようにしたわけです。

日暮里あべクリニックで行っている、リワークディケアの運動療法。
近隣のスポーツジムと連携して行っています。


しかし最近になってくると、また別の方面からの希望も出てきています。例えば、スポーツジムやヨガ教室などに通っている利用者の中には、精神科に通院している患者さんもおられます。そういった人たちの多くは、うつ病の患者さんですが、パーソナルトレーナーなどの仕事をしている人たちは、このような患者さんから、運動をするようになってメンタル面でも良くなってきたという話を聞いたりするということが有ります。このようなときに、パーソナルトレーナーの人たちは、もう少しきちんとした精神医学の知識をもって、このような患者さんたちの運動指導をしたいと考えるようになります。また、最近ではうつ病患者さんの職場復帰のための、EAP(Employee Assistance Program=従業員支援プログラム)の中に運動指導を取り入れることも多くなってきています。この場合の運動指導は、一般のアスレティックトレオーナーやパーソナルトレーナーなどが行いますが、このようなEAPは、利用者がうつ病から職場復帰するプロセスにあるということが前提なので、利用者がうつ病の患者さんであるということがわかった上で運動指導をするわけです。つまり、ある意味では準医療機関的な要素があります。このような場で、運動指導をする人も、資格を取りたいという希望もあるようです。

資格の要件としては、きちんとした知識や技術を持っていることが大切なので、それを保証できるような実績を持った人に資格を与えるということが大前提ですが、そのうえで、病院だけでなく2つ目に上げたような職場の人達にも資格をとってもらい、さらにその人達が学会の場で交流しながら、この分野の知識や経験を広げていくということも大事だと思っています。

現在、このような背景を考えならが今後の資格制度の運営について様々な議論がなされています。今後については委員会の議論の中で決まっていくことですが、私は、このような資格が、精神疾患のある人に運動指導をしているひとたちの、指導の質の向上につながっていくと良いと考えています。その中で、この資格を持った人たちが増加し、精神疾患の人たちの精神・身体の健康度の向上、日常生活の質の向上に繋がると良いと思っています。

2014年7月25日金曜日

第12回 日本スポーツ精神医学会学会総会・学術集会 鹿児島 (1)

第12回 日本スポーツ精神医学会学会総会・学術集会が8 月 29 日(金)~31日(日)、鹿児島市にて、橋口知先生を会長として開かれます。橋口先生は、この学会の創設時から長年この学会に協力していただいた精神科医で、現在は鹿児島大学教育学部の教授です。特に水泳競技などの分野で活躍されています。

学術集会HP:  http://jyouseikai.jp/jasp/
プログラム: http://jyouseikai.jp/jasp/schedule.pdf

シンポジウム「スポーツはこころを育む」を初め、教育講演「薬物乱用の最近の傾向」講師:佐野 輝先生(鹿児島大学医歯学総合研究科精神機能病学分野教授)、 特別講演1「からだを育み、こころを育み、人を育む」 講師:武藤芳照先生(東京大学名誉教授 日体大総合研究所所長)、特別講演2「情熱と我慢」 講師:松澤隆司先生(鹿児島県サッカー協会顧問)などが行われ、多くの一般演題も発表されます。

この学会は、日本では唯一のスポーツと精神医学に関連した学会です。多くの方々の参加を是非お待ちしています。

このブログでは、この学会に関連した内容を開催までの1ヶ月のあいだ、少しずつ紹介しようと思っています。