学会の初日には、メンタルヘルス運動指導士の講習会が開かれます。これについて少し紹介したいと思います。
メンタルヘルス運動指導士は、この資格が最初に学会で提案された際には、精神科の病院で患者さんに運動指導をしているスポーツ体育系の学部出身者が医療に関わる資格がないということで、病院内での認識が充分でないという学会員からの問題提起から、何らかの資格を作りたいという形で始まりました。精神科の病院などでは、デイケアや入院患者さんのレクリエーション等でスポーツを多くします。また、スポーツが治療的に役立つということで、スポーツ活動を治療的な意味をこめて取り入れているところも多くあります。そういうところでは、スポーツ好きの看護師さんや作業療法士さんが運動指導をすることも多いですが、スポーツの専門家を指導者として雇用して運動指導をする場合も多くあります。このような人が、病院の職員になった場合には、病院における運動指導士という正式な資格が無いために、医療資格(看護師、作業療法士、精神保健福祉士など)のある人と比較して位置づけが充分でなく、肩身の狭い思いをするということがありました。日本スポーツ精神医学会では、このような仕事に就いている人に対して、資格をつくり、精神疾患の患者さんに運動指導をする知識と技術を持った人だということを保証するようにしたわけです。
しかし最近になってくると、また別の方面からの希望も出てきています。例えば、スポーツジムやヨガ教室などに通っている利用者の中には、精神科に通院している患者さんもおられます。そういった人たちの多くは、うつ病の患者さんですが、パーソナルトレーナーなどの仕事をしている人たちは、このような患者さんから、運動をするようになってメンタル面でも良くなってきたという話を聞いたりするということが有ります。このようなときに、パーソナルトレーナーの人たちは、もう少しきちんとした精神医学の知識をもって、このような患者さんたちの運動指導をしたいと考えるようになります。また、最近ではうつ病患者さんの職場復帰のための、EAP(Employee Assistance Program=従業員支援プログラム)の中に運動指導を取り入れることも多くなってきています。この場合の運動指導は、一般のアスレティックトレオーナーやパーソナルトレーナーなどが行いますが、このようなEAPは、利用者がうつ病から職場復帰するプロセスにあるということが前提なので、利用者がうつ病の患者さんであるということがわかった上で運動指導をするわけです。つまり、ある意味では準医療機関的な要素があります。このような場で、運動指導をする人も、資格を取りたいという希望もあるようです。
資格の要件としては、きちんとした知識や技術を持っていることが大切なので、それを保証できるような実績を持った人に資格を与えるということが大前提ですが、そのうえで、病院だけでなく2つ目に上げたような職場の人達にも資格をとってもらい、さらにその人達が学会の場で交流しながら、この分野の知識や経験を広げていくということも大事だと思っています。
現在、このような背景を考えならが今後の資格制度の運営について様々な議論がなされています。今後については委員会の議論の中で決まっていくことですが、私は、このような資格が、精神疾患のある人に運動指導をしているひとたちの、指導の質の向上につながっていくと良いと考えています。その中で、この資格を持った人たちが増加し、精神疾患の人たちの精神・身体の健康度の向上、日常生活の質の向上に繋がると良いと思っています。
メンタルヘルス運動指導士は、この資格が最初に学会で提案された際には、精神科の病院で患者さんに運動指導をしているスポーツ体育系の学部出身者が医療に関わる資格がないということで、病院内での認識が充分でないという学会員からの問題提起から、何らかの資格を作りたいという形で始まりました。精神科の病院などでは、デイケアや入院患者さんのレクリエーション等でスポーツを多くします。また、スポーツが治療的に役立つということで、スポーツ活動を治療的な意味をこめて取り入れているところも多くあります。そういうところでは、スポーツ好きの看護師さんや作業療法士さんが運動指導をすることも多いですが、スポーツの専門家を指導者として雇用して運動指導をする場合も多くあります。このような人が、病院の職員になった場合には、病院における運動指導士という正式な資格が無いために、医療資格(看護師、作業療法士、精神保健福祉士など)のある人と比較して位置づけが充分でなく、肩身の狭い思いをするということがありました。日本スポーツ精神医学会では、このような仕事に就いている人に対して、資格をつくり、精神疾患の患者さんに運動指導をする知識と技術を持った人だということを保証するようにしたわけです。
日暮里あべクリニックで行っている、リワークディケアの運動療法。 近隣のスポーツジムと連携して行っています。 |
しかし最近になってくると、また別の方面からの希望も出てきています。例えば、スポーツジムやヨガ教室などに通っている利用者の中には、精神科に通院している患者さんもおられます。そういった人たちの多くは、うつ病の患者さんですが、パーソナルトレーナーなどの仕事をしている人たちは、このような患者さんから、運動をするようになってメンタル面でも良くなってきたという話を聞いたりするということが有ります。このようなときに、パーソナルトレーナーの人たちは、もう少しきちんとした精神医学の知識をもって、このような患者さんたちの運動指導をしたいと考えるようになります。また、最近ではうつ病患者さんの職場復帰のための、EAP(Employee Assistance Program=従業員支援プログラム)の中に運動指導を取り入れることも多くなってきています。この場合の運動指導は、一般のアスレティックトレオーナーやパーソナルトレーナーなどが行いますが、このようなEAPは、利用者がうつ病から職場復帰するプロセスにあるということが前提なので、利用者がうつ病の患者さんであるということがわかった上で運動指導をするわけです。つまり、ある意味では準医療機関的な要素があります。このような場で、運動指導をする人も、資格を取りたいという希望もあるようです。
資格の要件としては、きちんとした知識や技術を持っていることが大切なので、それを保証できるような実績を持った人に資格を与えるということが大前提ですが、そのうえで、病院だけでなく2つ目に上げたような職場の人達にも資格をとってもらい、さらにその人達が学会の場で交流しながら、この分野の知識や経験を広げていくということも大事だと思っています。
現在、このような背景を考えならが今後の資格制度の運営について様々な議論がなされています。今後については委員会の議論の中で決まっていくことですが、私は、このような資格が、精神疾患のある人に運動指導をしているひとたちの、指導の質の向上につながっていくと良いと考えています。その中で、この資格を持った人たちが増加し、精神疾患の人たちの精神・身体の健康度の向上、日常生活の質の向上に繋がると良いと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。