2014年9月7日日曜日

スポーツとスポーツ科学の国際化 (1) 錦織圭選手の全米オープン決勝進出

錦織圭選手が、全米オープンの決勝に進出することになったという、本当に素晴らしいニュースが今朝届きました。マイケル・チャン コーチの言うように、しかしこれで最終的に良かったと思ってはいけません。決勝で勝つことを次は考えることだと思います。

ニューヨーク・タイムズWeb版の記事: コーチのマイケル・チャンは、素晴らしいが、
トーナメントはまだ終わっていないと何度も繰り返したという
「錦織にとっての新しい日の夜明け」と題された、ニューヨーク・タイムズの記事を読んでも、日本にとって、そしてアジアにとって新しい時代がやってきたという気持ちになります。

このような世界大会で上位の成績を上げることは、スポーツの国際化のなかで出来上がってくるものだとよく感じます。自分自身は、現在早稲田大学のスポーツ科学学術院に所属していますが、海外との交流は、研究を通じたものが主です。これまでに、様々な国の研究者との交流が有りますが、2003年に早稲田大学に移動したあとで知ったことは、同じ学術院にいるスポーツ実技系の先生方は、どの方も日本のトップクラスの競技者だった人たちですが、非常に国際的に活動しているということです。私も、グルジアなどとの交流が有り、珍しい国に行っていると自負している面もありますが、実技系の先生方は、もっと海外との交流が豊富です。

錦織選手は、アメリカのIMGアカデミーでテニスの教育を受けていますが、ここでのトレーニングが現在の競技力の大きな礎になっていることは間違いないと思います。もう一年以上前の日経の記事を読んでも、このアカデミーで、スポーツ実技だけでなく様々なバックグラウンドの知識をふくめた、育成環境が整っていることがわかります。そこで、しっかりとサイエンスとしてのスポーツを学ぶ環境も有り、結果としてアカデミーからの大学進学率は96%にも達しているようです。

このIMGアカデミーについては、私は、寝返りに関する共同研究をした経緯のあるエアウィーヴの高岡社長から話を聞いたのが最初でしたが、素晴らしい環境を提供していると思いました。(エアウィーヴは、IMGアカデミーの宿舎の寝室にマットレスを供給しています。)

このような中で、錦織選手が決勝進出を果たしたことは素晴らしいことです。他の競技でも、例えばサッカー選手の多くが現在ヨーロッパリーグで活躍している状況は、三浦選手がジェノアに行った時とは隔世の感があります。

しかしまだ、「アスリートは外国で学び強くなり、外国で学んで上位に行けるようになった。」という段階だとも言えます。ぜひ次は、アジアで、そして日本に多くの選手が学びにくる環境を作っていきたい思います。2020年の東京オリンピック開催も後押しして、その環境も少しずつ作られている動きも感じています。

この、スポーツとスポーツ科学の国際化 については、また時々書いてみたいと思っています。

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