2017年6月20日火曜日

日本老年精神医学会

日本老年精神医学会の学術集会が、名古屋であり参加してきました。私はこの学会には、2年前から会員になっています。開業医としての仕事を見据えて、高齢者の精神的問題、認知症や関連疾患について、いろいろとべきょうしようと思ったからです。2014年の学会には、シンポジウムに呼ばれ、高齢者のうつ症状についての話をしてきましたが、このと

きは会員ではありませんでした。

昨年、金沢であった学会に参加したのが、会員としては初めてです。そのときにも思いましたが、この学会は本当に臨床的な良い学会です。高齢者のメンタルヘルスの問題について、本当に真摯に様々な立場の先生が知恵を出し合って、解決しようとしている姿勢が感じられます。また、より先進的な科学的知見も勉強でき、お金を払って参加をする価値のある学会だと思いました。

私は、会員になって日数が浅いにも関わらず、Psychogeriatricsというこの学会の英文誌のフィールドエディターに指名され、今回の参加は、この編集会議への参加という用事もありました。この年になって、新しい学会に入会し、雑誌の編集のお手伝いをするというのは、新しい刺激をもらうためにはとても良いことだと思っています。

今後は、高齢者のメンタルヘルスに関わる臨床も更に拡大していきたいと思っています。

2017年6月5日月曜日

A.L.E. (Athlete Live Entertainment)に参加しました

先日、5月29日、恵比寿のアクトスクエアで開催された、表題のトークショーに参加しました。チケットは、5,000円なんですが、早稲田大学時代のつながりで、なでしこジャパ
岩政さんと中西さん

ンのフィジカルコーチでもある、早稲田大学教授 広瀬統一先生のご招待で、参加しました。3月以来早稲田大学の先生方にはお会いしていませんでしたが、スポーツ産業論の作野誠一教授ともお会い出来て、なかなか楽しい集まりでした。
永里選手、広瀬統一教授と一緒に

トークショーは、岩政大樹から、サッカー解説の中西哲生さんが話を聞くという形式でした。15分クオーターが3つあるような構成ですが、なかなか興味深かったです。岩政選手については、名前くらいしか知りませんでしたが、アントラーズでは随分とディフェンダーツィて活躍し、代表にも招集されています。内容について細かに解説するつもりはありませんが、監修は、スポーツに関連した業界の人がほとんどのように見えました。いわば、B To Bの会なのですが、どういう意味があるかというと、この会を企画しておられる、伊藤滋之さんという方が、筋肉番付などのプロデューサーをやられた方で、語るスポーツの面白さを伝えたいという思いで始められたもののようです。今後、更に一般の人達に広がっていくのかと思います。

実際、面白い話でしたが、多少、業界向けかと思われる気もしました。

その分、いろいろな方も来ており、図らずも、なでしこジャパンの永里優季選手ともすこしだけ、お話する機会を得られました。

2017年5月9日火曜日

デジカルのホームページに掲載されました

電子カルテとして、デジカルという製品を使っています。

使用にかかる費用が安価であることが、非常にありがたいです。また信頼性も高く、使いやすいです。また、社長の尾崎さんが非常に熱心な方で、ユーザーのニーズを聞きながら汎用性の高い拡
 デジカル張をしていきます。自分でカスタマイズできるカルテではありませんので、そういうことがしたい方には向かないかもしれませんが、十分な性能があればあとは診療に時間を使いたいということであれば、非常におすすめです。

そんなご縁で、今回ホームページに
ということで掲載されました。

御覧ください。

2017年5月1日月曜日

◆GWこそ「至福の眠り」を手に入れる

「週刊朝日」5月5-12日合併号発売中! 主なコンテンツ ◆GWこそ「至福の眠り」を手に入れる ◆私立に負けない地方高の名門 ◆難関私大に強い高校1649 ◆PTA「他人任せ」に潜む子どもの危機 ◆600万部超!「科学漫画サバイバルシリーズ」特集 ◆岩合光昭さん「猫撮影」に密着

週刊朝日のインタビューにこたえたものが、現在店頭に並んでいる号にでています。上記のタイトルの記事です。記事は、GWにしっかりと睡眠の付けを返せると良いという内容を含んでいます。

では、一体どんな睡眠が良いのでしょうか。

睡眠には、
1.良い質の睡眠をとれること
2.十分な量の睡眠をとること
3.良い時間帯に睡眠をとること
の3つの要素があります。

1.良い質の睡眠は、ストレスや緊張のない状態を作ることが大事で、趣味のことをやって過ごしたり、スポーツをすることも大事だと思います。2.また、十分な量の睡眠をとることは確実に重要なので、睡眠不足の方はGWに寝すぎてはいけないということはありません。十分な睡眠をとるようにいたしましょう。ただ、3.良い時間帯に睡眠をとることが大事です。長く眠るために早寝をするということを心がけてください。早寝をすることによって、睡眠に適した時間帯を含んで眠ることができます。

とかく、休みなんだから普段できない夜更かしをして、すこし、怠惰な生活をしてと思われるかもしれませんが、これは勧められません。自由に時間をすごし、楽しい趣味などに時間を費やすことは大切ですが、それはあまり遅い時間までとならないようにしたいものです。

結果として、十分にリフレッシュした心と体で、また仕事に向かいたいものですね。

2017年4月29日土曜日

週刊朝日「眠らなきゃでも眠れない」の虜にならないように

現在書店に並んでいる「週刊朝日」の「健康寿命を延ばす快眠法 − 極上の眠りに浸る」に、筑波大学櫻井先生、国立精神神経医療研究センター三島先生、とともに私のインタビューが掲載されています。

取材を担当された山内さんも非常に熱心な方で、睡眠についてよく勉強されていました。他の先生方も話しておられますが、やはり十分な睡眠時間を確保することはとても大事なことです。一方で、こう眠らなければならないと過剰に注意が向いてしまう結果、「眠らなきゃでも眠れない」の虜にならないようにしないといけません。

患者さんたちと話をしていると、このように睡眠に過剰な注意が向いてしまう背景には様々な生活上の要因があることがわかります。

睡眠の問題を睡眠をみるだけで解決することは、多くの場合はできません。その患者さんを取り巻く様々な背景をしっかりとお聞きして、患者さんが語るその背景から、ときに自分でも気づいていない生活上の問題をとりあげ、それを同時に解決していくことも大事です。

高齢者の場合には、これに対してなんとかしてあげたいと懸命に頑張る家族の訴えを傾聴することもとても重要な事になってくると思います。

その中に、生活を改善する運動習慣や食事の問題なども取り入れながら、患者さんの興味を他に持っていくことが大事だと思います。このような視点で話をしていくと、時には、睡眠の問題から他の問題に主たる話題が移っていく場合もあります。

この記事は、そういった意味でも、正しい内容によって構成された良い記事で、一読の価値があると思います。

2週間店頭に並ぶようなので是非お買い求めください。

2017年4月21日金曜日

アンドレアス・イオアニデス博士との再開

以前、理化学研究所の脳科学研究所でを訪問して、脳磁図の研究をしていたころの共同研究者、アンドレアス・イオアニデス博士から連絡があり、久しぶりにお会いしました。急な連絡で、東京駅のレストランで1時間ほどの食事をする、短い時間でしたが懐かしく時間を過ごしました。

多分、10年ぶりくらいだと思います。以前も思いましたが、彼は思い込んだら諦めないという、良い面とそうでもない面の両面性をもった研究者で、それゆえに脳磁図(MEG)というどちらかというとマイナーな研究方法を丹念に突き詰め、数学的手法を駆使して脳機能を解明するという研究を行っていました。私は、睡眠という視点から睡眠に関わる脳の解剖学的な構造を明らかにするという興味をもって、共同研究をしていました。研究そのものはとても大変なものでしたが、論文にもあるように、メキシコの研究者や、ギリシャの研究者、ドイツの研究者などが加わって、国際共同研究のやりかたなども学べたと思います。この時の経験が、早稲田大学で国際担当副学術院長になったときの業務に行きてきたとも思っています。

相変わらず、熱心に脳機能に話す彼に久しぶりに会って、脳機能と精神機能の関係について、いままでの経験を臨床に結びつけていく、そしてわかりやすく患者さんにお話するということの大切さに思いを馳せるランチでした。


Cereb Cortex. 2004 Jan;14(1):56-72.
MEG tomography of human cortex and brainstem activity in waking and REM sleep saccades.
Ioannides AA1, Corsi-Cabrera M, Fenwick PB, del Rio Portilla Y, Laskaris NA, Khurshudyan A, Theofilou D, Shibata T, Uchida S, Nakabayashi T, Kostopoulos GK.


2017年4月18日火曜日

双極性障害のうつ状態に対するドパミン作動薬の使用

Dopaminergic Agents in the Treatment of Bipolar Depression: A Systematic Review and Meta-Analysis

AG Szmulewicz et al. Acta Psychiatr Scand. 

上記の論文が、最近登録したCareNetに紹介されていました。

双極性障害のうつ状態に対して、抗うつ薬を用いることは、躁転(躁状態に変化すること)の可能性があって、注意が必要です。通常は、双極性障害は、気分安定剤を用いて治療することが行われていますが、ときにうつ状態をもう少し改善したいということが有ります。

http://call-for-addiction-treatment.com/
bipolar-disorder-causes-symptoms-treatment/
こういったときに、ドパミン作動薬を用いる方法が示唆されています。
ドパミン作動薬は、睡眠医学的な観点からは、過眠症治療薬として用いられています。
また、神経疾患の治療薬としては、パーキンソン病治療薬としても用いられています。

この論文で取り上げられている薬物は、

modafinil モディオダール ナルコレプシー治療薬、睡眠時無呼吸症候群の日中の眠気に対する治療薬
armodafinil ラセミ体のモダフィニルの中からR体のみを単独分離したもの(Wikipedia)
pramipexole ビ・シフロール。パーキンソン病治療薬。レストレスレッグス症候群の治療に用いられることがある。
methylphenidate リタリン、コンサータ。ナルコレプシー治療薬、ADHD治療薬
amphetamines 覚せい剤に指定。米国では、ADHD治療薬。ノルアドレナリンおよびドーパミンの放出促進と再取り込み阻害作用がある。

などです。日本で用いることができるのは、モディオダール、リタリン、ビ・シフロールですが、私はこれらを双極性障害のうつ状態に使用したことはありませんでした。しかし、この論文の結果からは、これらの薬剤の使用により、反応率や寛解率が上昇するとされています。また、抗うつ薬とちがい、躁転の危険性(mood switch)は上昇しないということなので、そういった意味での安全性もあるかと思います。

ただ、これらの薬物の幾つかは、報酬系のドパミン活動を上昇させ、精神依存を引き起こす可能性のある薬物でも有ります。この点に対の注意は必要であると思います。

モディオダールは、双極性障害への適応はありませんので、推奨はされませんが、適応外処方として用いる可能性はあるのではないかとも思います。また、最近話題になっている、双極スペクトラム障害に対する治療としても用いることができる可能性があると思いました。また、睡眠医学の臨床で使い慣れた薬でもあります。

治療の幅を広げる意味で、勉強になる論文でした。