2014年7月2日水曜日

第110回 日本精神神経学会 (3) DSM-5セッション

精神神経学会でDSM-5のセッションにも出席しました。

特別講演6:(司会 岸本 年史)
・Evolutionary Conceptual Changes in DSM-5
Darrel A. Regier

委員会シンポジウム14:(司会 神庭 重信・大野  裕)
・DSM-5 の基本を理解する

最初に、Daniel A. Regier先生の講演があり、DSM-5についての概論、シンポジウムでも、Regier先生からDSM5のIVからの主な変更点についてのまとめがあり、その後、日本人の研究者からのさまざまな分野の今回の改変の特徴についてのまとめがありました。

正直なところ、今回のこのシンポジウムはさほど面白くはありませんでした。Regier先生の変更点についての講演は、変更点についてもう一度頭のなかでまとめることができてよかったのですが、その他の先生方の発表は、解説ということでさほど自分自身の考えを述べるというものでもなく、自分としては、むしろ以前に出席した製薬会社の勉強会のほうが興味が持てたように思います。

DSM5に関しては、もっとアメリカで作ったこの診断に順を日本に持ち込むときの問題点などについて、しっかり議論をしたほうが良いと考えています。これも、各カテゴリーごとに異なっているようにも思いました。今回、発達障害に関連したカテゴリーが大きく変わりましたが、これはむしろ私はポジティブに捉えています。発達障害の専門家の方々もそういう意見が多いように思います。しかし、その他の診断病名の追加や削除、また、それぞれの病名や、それぞれの診断項目が日本での臨床(日本の文化)に、適合したものなのかどうかについて、十分な議論を早いうちに始めるべきだとも思っています。

是非、学会ではこのような議論をするシンポジウムを今後の学会活動の中でしていってほしいと思います。また、日本の精神科臨床にあった、精神科分類、診断基準というものもできていくと良いとも思っています。

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