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2016年3月7日月曜日

タイでのセクシャル・マイノリティー

タイの大学は、ご存じの方も多いと思いますが、学部にはほぼ制服があります。日本の私立高校の制服のような感じですが、女子は、白いブラウスに濃い色のボタン。紺のスカートで、スカートの丈はいろいろでした。男子は、ブレザーという感じです。大学生の制服は、日本ではほぼないので、その話をすると、タイでも制服を廃止しようと言う動きはあるようです。タマサート大学は自由な校風で知られているようで、少なくとも一部の学部では制服を廃止しているようです。チュラロンコン大学の先生にその話を聞いたのですが、チュラロンコン大学はやや保守的な大学で、制服は廃止されていないということでした。

しかし、そこで彼が意外なことを言いました。制服は、女子のものも男子のものもどちらでも自由に着ることが認められているんだよ…と。最初、私は意味がよくわかりませんでしたが、性的違和(性同一性障害)などのいわゆるセクシュアル・マイノリティーの学生に対する配慮という意味だとわかりました。

タイの大学に滞在していると、ゲイであろうと思われる学生がいます。この話から、タイはなぜそんなにセクシュアル・マイノリティーに対してオープンなんだろうとう疑問を先生に投げかけてみました。チュラロンコン大学の先生は、最近の人権教育の話や、テレビなどでも随分とゲイやレズビアンの人が出る。また、政治家などにもいるので、国民がそういう人たちを受け入れるのではないかと言っていました。しかし、むしろ国民が受け入れているから、そういう人たちがテレビに出たりするということを話していました。しかし、むしろそれは逆で、受け入れられる素地があるから、テレビに出たりそういう職業についたりするのではないかというと、確かにそうだということで、実際、なぜタイでセクシュアル・マイノリティーの人たちが受け入れられやすいのかは不明でした。

私は、一つには仏教的な考え方が根底にあるのではないかと、思いました。しかし、本当のところは良くわかりませんでした。もう少し考えてみると、チュラロンコン大学の先生はおっしゃり、次に会った時にまた聞いてみようと思っています。

このことは、精神医学的にも興味深いです。社会的なスティグマがほぼ無いとすれば、比較的セクシャル・マイノリティーに対する疫学研究がやりやすく、実際にどのくらいの割合の人たちがこういう問題を持っているのかが明らかになると思います。タイの状況をみると実はかなり多くの人達がこの悩みを持っているようにも思いました。

LGBT rights in Thailand
https://en.wikipedia.org/wiki/LGBT_rights_in_Thailand

2016年3月2日水曜日

タイの飲酒事情 (タイ国立カセサート大学におけるゼミ合宿での経験)

日本はお酒に対して非常に寛容な国だと思います。日本のようにお酒に対して寛容な国は、勿論他にもあって、例えば中国に行った時も宴会では非常に度数の高い白酎(パイジュウ)を、「カンペー」の掛け声のもとに一気飲みしたりもします。しかし、お酒はあまり良いことでないという常識のある国もあります。最初に感じた国はインドです。インドでもお酒は飲みますが、街にいわゆる飲み屋がたくさんあるわけではありません。通常食事をする場所ではお酒は飲まず、飲むとすれば食事の後にバーで飲むという感じです。

タイもそういう国の一つです。食事の時に、ビールを飲むという習慣はありません。歓迎の食事会でも、ビールが出てくることはなく、水を飲むか、ジュースを飲むかです。マンゴージュースやグアバジュースなど、美味しいジュースはたくさんあります。

このような、禁酒の考え方は大学キャンパスでは徹底しています。キャンパスでの飲酒は一切禁止です。勿論、お酒は売っていません。また、キャンパスから300m以内では、レストランでアルコールを販売することも禁止されています。また、仏教の祝日ではアルコールはスーパーマーケットでも販売しません。

WHOによる、各国一人あたりの平均アルコール摂取量
しかし、一週間アルコールのない生活をしてみると、日本の学生もお酒は別になくても良いということが分かりました、というような感想を持っていました。カルチャーナイトと題して、食事をしながら交流をする夜があったのですが、ダンスを踊ったりしながら、お酒なしでも十分騒げましたし、私もみんなといっしょに踊りました。

そういうことなので、タイではアルコール依存症が少ないのかと思いましたが、話を聞くとやはり低所得者層ではそうでもないようです。もう少し客観的な数字がないかとおもって調べたところ、WHOのかなりしっかりした調査がありました。図に国別の一人あたりのアルコール摂取についての世界地図を示してありますが、これをみると宗教とアルコール摂取には強い関係があるようです。一番アルコール摂取が少ないのは、イスラム圏、その次がヒンドゥー、そして、仏教、キリスト教という旬です。キリスト教でも、カトリック系はやや少なめかもしれません。

しかし、大学生の飲酒に限ってみれば、日本の大学生の方が確実にアルコール摂取量は多いように思われました。早稲田大学の学生にとっては、良い経験ができたようにも思います。

アルコール反対のデモンストレーションの記事 (死体が並んでいるようですが、デモンストレーションです。)

2016年2月28日日曜日

タイ国立カセサート大学でのゼミ合宿

ここのところ、一週間ブログを更新していませんでしたが、タイ国立カセサート大学へ、ゼミ生14名を連れてゼミ合宿に行ってきました。このゼミ合宿は、カセサート大学スポーツ科学部長のシリポン・サシモントンクル先生のご好意で実現できたものです。お礼を申し上げたいと思います。

カセサート大学は、バンコク市内にもキャンパスがありますが、我々が訪問したのはバンコクの西北に移動距離で約90kmほど離れたカセサート大学キャンフェンシーンKamphaeng Saenキャンパスです。ここにはスポーツ科学部があり、ここで実際にカセサート大学スポーツ科学部の学生と交流しながら、講義を受け、私も講義をし、また学生も日本における大学生活について発表しました。

カセサート大学学部長 シリポン・サシモントンクル先生(中央向かって右)
とゼミの学生
最終日には、フットサルの試合なども行い、学生からも非常に評判の良い楽しい交流でした。

タイは、ASEANの中では最も経済的発展の著しい国の一つだと思います。また、非常に経験の仏教国で、私は大学間交流のために2014年12月から幾つかの大学を訪問してきました。今回が3回めの訪問になりますが、多くの大学関係者と親しくなりました。そういう中で、タイの文化にも深く振れるようになり、いくつもの文化的興味をもちました。そんなことをこれから何回か書いてみたいと思います。

2015年10月30日金曜日

チュラロンコン大学訪問

早稲田大学の、スーパーグローバル大学プロジェクトの関連で、タイのチュラロンコン大学を訪問しています。チュラロンコン大学は、タイの初めての大学で、国立大学です。したがって、タイにおける東大のような存在だと思います。ロケーションが大変良く、バンコクのまさに商業のどまんなか、SIAMという地区にあります。周りは、SIAM Paragon, SIAM Center, MBKなどたくさんの商業施設が有り、まさに都会のどまんなかに広大なキャンパスが有るという感じです。話を聞くと、キャンパスの一部は商業施設に貸し出しており、これによって大学の収入の一部を得ているようです。

私は、スポーツ科学部を訪問し、今回は英語で睡眠の講義を行いました。また、今後の早稲田大学との交流についても話し合いを行いました。今回の訪問でタイについて、いろいろ知識を深めたので紹介したいと思います。

チュラロンコン大学での講義の後の記念撮影
1.タイはずっと独立を保ってきた国では有りますが、第二次大戦の末期では、日本軍の駐留が有り、更に、選択肢なく枢軸国側について一時期戦ったということがあったようです。私が、タイはずっと独立を守ってきているということを、チュラロンコン大学の先生と話していると、彼は、そういうことになってはいるが、少なくとも一時期は日本の支配下にあったと言っていました。確かにそういうことが有り、枢軸国側で戦ったことについては、戦後の裁判では敗戦国の中には入らなかったということです。

2.タイの大学には制服が有り、少なくとも学部生は殆どの大学で制服を着用することが義務付けられているようです。そのうち、なくなるかということを話したところ、多分そうなるだろうと言うことでした。ただ、その話の中で、制服については、男子が女子の制服を着ることは認めることになったと話していました。急にそういう話が出てきたので、ちょっと戸惑ったのですが、タイは、セクシュアル・マイノリティに対しての寛容度は非常に高いように思いました。

3.大学における宗教儀式(仏教)にも出席しましたが、仏教が生活の中に深く浸透しています。どのような人にあっても、手を前で合わせてお辞儀をしてくれます。更に、日経の記事でタイの仏教について読んだところ、現在でも若い世代が短期間出家して仏教について学ぶ習慣があると書いてありました。実際に、チュラロンコン大学の先生に聞いてみると、自分もやったと話してくれました。そのように、短期間出家することが、家族にとっても誇りであるようです。僧侶を敬う気持ちが非常に強いことにも感銘を受けました。

4.バンコクは大都会では有りますが、やはり人々の生活は日本よりもゆったりとしているように思いました。私が今回コンタクトしているチュラロンコン大学の先生も、早稲田大学を訪れてカンファレンスに参加した際も、聴衆の殆どが最後まで残っているのには感銘をうけたと言っていました。またいろいろな新聞記事等からの知識を得ているようですが、サラリーマンが夜遅くまで仕事をし、その後飲んで家に帰って、ネクタイしたまま寝込んで朝を迎えるという話を何処かで読んだといって、笑っていました。何か自分も、ゆったりした生活を忘れていたような気持ちになりました。

また、訪れたい国の一つです。

2014年12月19日金曜日

スポーツとスポーツ科学の国際化 (7) タイ

バンコックでは、2つの大学の先生方と交流をしました。タイのスポーツ科学はまだ黎明期だと思います。しかし、私が訪問した2つのトップ大学の教育レベルは高いように思います。今後、早稲田大学のスポーツ科学学術院が国際化していく中で、タイとの交流は重要な一になっていく可能性があると思いました。

タイは、2000年にアジア睡眠学会で来たことが有ります。14年後の再訪ですが、さほど大きな違いは感じられませんでした。人々は非常にフレンドリーです。しかし、英語は思ったほど街では通じませんでした。そういうものかなと思いますが、私はもっと英語が通じるのかと思っていました。

しかし、アカデミックなレベルの高い人は、英語の教養が有り、多くの人がアメリカやイギリスの博士課程を卒業しています。今後は、もっと多くの人が、日本と交流する仕組みを作っていく必要があると感じる訪問でした。

12月の気候は良好です。日本では雪が降っていると着いて、この時期にタイに来てよかったと思いました。帰ったら風邪を引かないように気をつけたいと思います。