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2016年10月16日日曜日

AUDIT

AUDITというのは、アルコール依存症の自己評価に関する質問紙です。AUDITの文字に貼ったリンクは、国立病院機構久里浜医療センターへのものです。この久里浜は、依存症の専門医療機関で、アル中で困ったときには、久里浜へというようなイメージがあります。現在は、更に幅広く「インターネット依存」などについての専門的治療も行っています。

さて、AUDITは、産業医の講習会の中で、職場におけるアルコール依存症のところで紹介されていました。原典は、1992年に発表されたもののようです1)。

自分でもやってみましたが、7点でアルコール教育の必要なレベルだということでした。疲れたときなど、つい家でアルコールを飲みますが、だいたい1−2杯で食事を終えてそれ以上は飲まないことも多いです。また、週に3日位はアルコールを飲みません。これも、波があって、ほぼ飲まずに過ごす日が続くこともあれば、割りと飲んだりすることもあります。外で飲むことは、月に1−2度ですが、そういうときに多く飲んでしまうこともあります。

日本で行われた研究では12点以上が問題飲酒の、15点以上がアルコール依存症のcut-offポイントとなっているようです。まず、自分でやってみて自分の状況を知ってみるのが良いと思います。


1)  Babor TF, Fuente DL Jr, Saunders JB et al : AUDIT: The Alcohol Use Disorder Identification Test:
Guidance for Use in Primary Health Care. WHO, 1992

2014年10月31日金曜日

ベンゾジアゼピン系薬物の依存性とドパミンの放出

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、非常によく使われます。また、ベンゾジアゼピン系の薬物は、精神安定剤、あるいは抗不安薬としても一般の臨床でよく使われます。この薬は、生体内にあるGABAという神経を抑制する神経伝達物資の働きを上げることによって、様々な神経の働きを抑制し、その結果として眠気や、鎮静の作用が出るものです。

この薬は、生命への危険は非常に低い安全な薬と言っても良いと思います。生体内にあるGABAという物質の利用効率をあげるので、最大限でも生体内にあるGABAの働きを最高に高めるという点でいくら飲んでも働きには限りがあるということがあります。ただ、多量に服用すれば確実に強い意識障害の状態になりますので、容量を厳格に守ることは重要です。過量服薬の結果、嘔吐をして気管が閉塞しても意識が低下しているためにそのまま亡くなるケースもありますし、そうでなくても一方の腕を下にして、寝返りなく眠り続けた結果、神経麻痺がおきるケースもまま見受けます。

いずれにしても注意は必要ですが、最も注意を必要とするのは依存性があることです。薬物の依存性は、殆どは腹側被蓋野(VTA)から側坐核(N. Accumbens)に投射するドパミン神経のドパミン放出を促進する作用によるものです。この経路は報酬系と呼ばれていて、これによって気持ちが良くなり、依存が生まれるというものです。

ベンゾジアゼピンの依存に関連した神経経路 VTAからN. Accumbensへのドパミン神経が活性化される

ベンゾジアゼピンは、この経路の活動を強めるため依存が生まれるわけです。したがって、安全だからといって簡単に投与していると、患者さんはやめられなくなるということが有ります。使用法によっては良い薬なので、使用を禁止する必要はありませんが、このような知識は臨床家はきちんと持ちたいところだと思います。