2014年7月4日金曜日

お相撲と日本の文化

先日、高橋龍太郎先生と食事をさせていただく機会がありました。高橋先生は、蒲田のタカハシクリニックの院長をされていますが、現代アートのコレクターとしても有名な方です。私自身は、高橋先生のことを以前からよく存じ上げていたわけではありませんでしたが、一年くらい前にお話をさせていただく機会があり、その後ゆっくりお話をする機会があると良いと思っていて、その機会を得ることが出来ました。

色々なお話を伺いましたが、高橋先生が精神科医としてだけでなく、芸術や文化、そして経済や世界情勢など幅広く興味を持っておられることがわかりました。お話をさせいただくと、ニューヨークの話や、ペルーにJICAのしごとで行っておられたことなど、とても興味深い話を伺いました。ニューヨークのジャズクラブなどについてもお詳しく、とても楽しい話ができました。

話はワールドカップサッカーになり、スポーツそのものだけでなく、日本人の特質や、海外の人たちとの比較、国の維持や移民の話にまで広がりました。

その中で、日本が今後どのようになっていくかという話で、今後移民を受け入れて、その人達が、もともとの日本人と同じような権利を獲得し、首相になったりするということができるのかどうかという話になりました。そして、相撲の話が出ました。相撲は、最近は長いこと外国出身の横綱が続いています。横綱だけでなく、上位の力士は外国出身です。しかし、彼らは決して、自国の言葉で話すことはありません。皆、日本語でインタビューに答えます。これが、他のスポーツと違うところです。どうしてでしょうか?と高橋先生に聞かれて、相撲の社会には外国語で話す人が居ないから、というつまらない答えをしてしまいました。しかし、相撲は、日本の国技です。したがって、外国に相撲を学びに行くということはありません。また、柔道のように国際化しているわけでもありません。日本独特の文化そのものなのです。そこに外国出身者が多く受け入れられているということは、ひとつの今後の日本のあり方のモデルとして、非常の興味深いのではないかとも思いました。

日本の文化そのものも変わる。しかし、相撲に外国出身者を受け入れているように、外国人を受け入れ、横綱になることもあるけれども、変化はこれまで日本の文化の流れを尊重し、これを基調として変化を受け入れていく。そんなモデルが、そこにはあるような気がしました。

2 件のコメント:


  1. 相撲は世界大会もありますし女子の大会も有り国際化はしています。
    当然競技人口、人気、指導者が少ないです。
    国技なのはその通りですが、プロリーグ(大相撲)があるのが日本という話。
    興行を含む行事も大相撲の一貫なので日本語は単純に技術として必要ですし、教育も受けます。
    フランス外人部隊なんかがこれに近いでしょうか?
    また、柔道は歴史が浅く作成者がはっきりしているスポーツです。
    「精力善用」と「自他共栄」と言葉を残しており、雑に言えば「柔道そのものが目的ではない」と言っているのでどれだけ競技人口が増えようと、人気が出ようとプロ化はないと言い切って良いスポーツです。
    完全アマチュアスポーツの柔道とアマチュア相撲ではない大相撲を比べられても・・・。

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  2. kei nakataさん:ブログを読んで頂き大変有難うございます。また、貴重なコメント、大変勉強になりました。今後共、間違いがあればご指摘ください。よろしくお願い致します。

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