2016年7月24日日曜日

マシュマロ テスト

先日に行われた、日本睡眠学会のシンポジウムについては、神山潤先生がマシュマロテストのお話をされたということを紹介しましたが、そのテストについて、私は知識がありませんでした。そこで、少し調べてみましたが、非常に面白いので、紹介したいと思います。まず、YouTubeを御覧ください。これを見るだけでもとても面白いです。子どもたちがとても可愛いですよ。




このテストについては、ジェームス・クリアという人のサイトにその詳細な記述があるので、それを参考にしました。下記のURLです。
http://jamesclear.com/delayed-gratification

マシュマロテストというのは、Marshmallow Experimentとも呼ばれていて、1960年代にスタンフォード大学で行われた研究のようです。被験者は、4-5歳の子どもたちです。実験では、子どもたちを個室に招き入れて、一個のマシュマロが目の前に置いてある机に座らせます。そして、子どもに、今からちょっと部屋を離れるけれども、その間にマシュマロを食べてしまったら、もうそれじょうマシュマロはあげないけれども、もし我慢できたらもう一つマシュマロをあげて、2つ食べても良いよという風に説明します。

そして、検者は15分部屋を離れるわけです。そして帰ってきた時に、マシュマロを食べてしまっているのか、それとも待っていてもう一つマシュマロをもらえるのかを確かめます。この研究の非常に興味深いのは、その後、子どもたちが成人した後に、マシュマロを食べずに我慢できた子たちと、食べてしまった子たちがどうなったのかをフォローアップしたところです。

この結果、マシュマロを我慢できた子どもたちは、
1.大学の入学共通試験で良い成績を取る
2.物質乱用の傾向が低く
3.肥満の割合が低く
4.ストレスへの対応がよく
5.社会的スキルも高い
ということが分かりました。

そう考えると、人生はすでにこの子どもの時に備わっている抑制する力によって決まってしまうとも言えるようですが、じつは別の実験も紹介されています。ロチェスター大学の研究者による研究です。彼らは、このマシュマロテストを行う前に、被験者の子どもたちを2つの群に分けて、片方は約束してもそれを果たさない実験を何度も行い、もう一群は約束をしっかり守る実験を何度も行うということをしています。

その結果は、想像の通り、約束をまもらない実験を繰り返した群では、すぐにマシュマロを食べてしまう率が高くなったわけです。

結局、このような人生の成功は、生まれながらに備わっている抑制力によるだけでなく、環境、すなわち、教育、社会的規範などによっても培われるものだということを示しているようです。これは、結局のところ、精神的な問題を考えるときには常にそこにあるものです。

近年、発達障害が問題になっていますが、資質としていわゆる発達障害に相当するものを持っている子どもに対しても、丁寧で誠実な教育をしていくことによって、その行動は変わるということも示しているように思います。

考えてみれば、本当にあたりまえのことですが、いろいろな場でしっかりと認識されるべき事柄でもあるように思いました。

非常に、興味深いトピックでした。

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