2015年6月18日木曜日

朝日新聞記事: 脳から考える男女の差 ねたみ強い男性、知能分布も違う

非常に興味深いインタビュー記事が、朝日新聞に掲載されました。インタビューを受けているのは、脳科学者の中野信子さんという女性の研究者です。脳の男女差や、これにつながらる能力の男女差というのは、なかなか取り上げにくい分野です。このような分野には、人種による脳機能の際などが有ります。これらの結果は、様々な社会的な差別につながるからです。

しかしながら、中野さんは本人が女性だということもこの研究をやりやすくしている側面が有る遠見おマスが、果敢にも男女差の問題に取り組んでいます。私は、中野さんのことを知りませんし、原著を読んだこともありませんが、多分、『上側頭溝』という部分の男女差の論文などを出しているのではないかと思います。最近のMRIの進歩から、脳の特定の部分の体積を測定し、比較することが用意になってきました。これは、疾患について、疾患が進行する中で脳の各部分の体積が変化するのかなどの応用がなされていますが、異なった2群での比較も可能です。

中野さんは、年齢など様々な様相を一致させた男性の群と女性の群を比較したのではないかと思います。(原典を読むべきですが、見つけられませんでした)。

この結果、上側頭溝は、「コミュニケーション能力をつかさどっています。男と女を比べると、女が大きい。お話をしたり、空気を読んだりという気質は、女が高いと言えます」と言っています。

実際に、脳機能の男女差は有ると思います。興味深いのは、性同一性障害(「性別違和」と最近は呼ばれています。)のホルモン治療によって、女性に男性ホルモンを注射し続けると、次第に脳機能に変化が現れることです。具体的には、ホルモン療法によって、生物学的に女性の体を持った人に男性ホルモンを打ち続けると、空間認知能力が向上するという研究などが有ります。

しかし、このような変化を、妬みなどの実生活の機能に結びつけて論ずるのは、やはり誤解を招く結果になるようには思います。中野さんは、その点はかなり注意深く発言していように感じられますが、その意図をしっかりと受け止めることが出来る人ばかりではないので、最初に書いたように社会的な差別につながらないように、慎重に考えることも大切だと思いました。

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