2014年11月17日月曜日

コバニ Kobani の状況を見て思うこと

トルコ、シリアの国境の街、コバニで、現在激しい戦闘が繰り広げられています。私は、この地域の紛争がどのよう収束していくのか興味があってロイターなどの報道を読むようにしています。また、コバニについては、Twitterでも検索してフォローしていましたが、本当に日夜を通じて激しい銃撃戦がこの小さな町を舞台に続いているようです。

この街には、イスラム国が侵入してきたのが9月中旬でしょうか。それ以来、街で暮らしていた人たちは難民としてトルコになだれ込みました。この地域が複雑なのは、コバニに住むクルド人はこの地域での独立を望んでいて、これはトルコにとっては厄介な存在です。トルコはこの独立運動をテロリストと考えています。

一方で、コバニに侵入してきたイスラム国もテロリストと考えられていて、トルコにしてみればテロリスト同士で戦っているように思われるわけです。したがって、当初(多分、現在も)トルコは、積極的にクルド人を援助はしていません。一方、イスラム国の排除には、現在はイラクからのクルド人も参加しているようです。トルコは当初このグループにトルコ国内を通過させないようにしていましたが、アメリカがイスラム国を排除するために、クルド人を支援し、トルコに圧力をかけ、トルコは通過を認め、現在は、イラクのクルド人がトルコを通ってコバニに入っています。また、シリアでは、自由シリア軍というアサド政権への反政府勢力が有り、これもイスラム国に対峙するように、一部参戦しているようです。また、もともとシリアに居たアルカイダ系の勢力は、これはイスラム国と協調しているようです。

このような、非常に複雑な構図になっているのですが、私が一番感じたのは、何と言っても戦争の悲惨さです。この街はここ2ヶ月、毎日毎日が破壊と殺しあいの連続のようです。街は、Twitterなどに掲載される写真を見ても本当にボロボロに崩壊しています。毎日、一つの通りを占拠した、また取られたという一進一退の状況がもう2ヶ月近くも続いています。

東アジアも、時に尖閣諸島の問題などが絡んで緊張が高まることも有ります。しかし、戦争は絶対に始めてはいけないと、このような状況をみて改めて思いました。地上戦は相手に向けて銃を発砲し、毎日毎日殺し合いをする日々です。それが毎日の全てです。やがて砲弾で街は全くの廃墟になっていきます。これまで人々が作り上げてきた街が短時間で瓦礫の山に化してしまうのです。

本当に胸が痛み、もうやめて欲しいと思うような状況がそこにあります。私は、東ウクライナの状況についてはあまり報道を追っていませんが、世界の紛争地域はすべからくそうなのでしょう。自分たちは戦争を経験していない世代ですが、親の世代から言われたことの大切さが、コバニの報道を追いながら、ひしひしと感じられました。

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