2016年1月22日金曜日

認知症の睡眠障害

認知症の患者さんは、症状が進行すると、日中に自分からできることが少なくなり、物事に対する興味が失われていくというため、意欲が低下し、動かない生活になってしまうことが多くあります。そういった意味でも、一日のプログラムのあるディサービスは、認知症の患者さんの健康を保つ上で、非常に有用なプログラムだと思っています。

初期の認知症の方は、プライドもあり、ディサービスに行くことを拒んだりしますが、実際に行ってみると以外に楽しいということもあります。私の父親は92歳ですが、囲碁が趣味です。認知症はありませんが、高齢のためなかなかでかけての付き合いができません。そんな中で、母親とディサービスに行っていますが、そこに囲碁の強い方が見えるようになって、非常に喜んでいました。父親もそれなりに強いのですが、なかなか勝てないと言っていて、人生の目標ができたようです。

日本経済新聞の三島和夫先生のコラムからの図
原図へのリンクです
さて、このような生活になっていればよいのですが、家にいると昼間も寝ている、また夜もやることがなくて早く寝てしまうということも多く見られます。

認知症の周辺症状では、睡眠障害が最も高頻度に見られるということが、示されています。図に示したのは、三島和夫先生の日本経済新聞の記事からの引用です。

先日、講演会の後で、あるい認知症を見ておられる先生から、「家族から、4時か5時位の早朝に覚醒して、徘徊するので困っている。もう少し眠るように出来ないか。」という質問をいただきました。患者さんは、かなり早い時間に就床しているようです。これは睡眠時間としては十分なものをとっているので、早朝に覚醒することはやむを得ないケースです。ただ、こういった認知症の患者さんの場合は、介護者のメンタル・ヘルスももう一つの視点です。介護者が介護を継続できるような生活のパタンを作っていくということも重要で、そういった意味では、介護者が朝まで十分に睡眠を取れるようにしてあげるということも、注意しなければならない点ではないかと思います。

こういった患者さんの場合、ではどうしたらよいかということは難しいですが
・ 日中の睡眠をなるべくなくして、活動性を上昇させる
・ なるべく遅い時間まで起きていられるように、夜に対応する時間をつくる
・ 夕方から夜になるべく明るい部屋で過ごすようにして、睡眠相を後退させる
・ 睡眠を安定させる薬物(ラメルテオン、スボレキサント)などを試して睡眠時間を延長させる
などを試しても良いかもしれません。

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