2015年12月18日金曜日

1945年からの精神医学における10の最も重要な変化 (Psychiatric Times) ~ スポーツ精神医学へ

Psychiatric Timesに表題の興味深いコラムが掲載されていました。下記がURLですので、原典に興味ある方は読まれると良いと思います。
http://www.psychiatrictimes.com/blogs/history-psychiatry/10-most-important-changes-psychiatry-1945-invitation-readers

この中で、興味深い図があったので、その拙訳を載せておこうと思います。文章の訳は著作権もあると思うので控えますが、掲載された図をみると、この文章の概要はわかると思います。

1.1950年代の精神薬理 革命
2.脱施設化
3.精神分析学の衰退
4.精神療法は、精神科医から医学教育を受けていない人たちへシフトする
5.ビッグサイエンスの台頭
  * ビッグサイエンスに関してはこちら
    http://www.nikkeibp.co.jp/article/tk/20130703/356790/?rt=nocnt
6.1980年代からの、Mood-stabilizing, Mood-enhancing薬の開発と普及
7.製薬会社の影響力の増大
8.DSMの影響増大
9.精神科診断の急激な拡散
10.同性愛が病的と考えられなくなる

というところです。拙訳で申し訳ありませんが、一部わかりやすく意訳しました。

この中で、前半は精神分析から精神医学がより医学の一分野として、生物学的な基盤に則って治療を行う領域に変化してきたことが伺い知れます。これは、良い方向であると思いますが、その後、製薬会社の影響力が増大。更には、診断の拡大によって、必ずしも異常でない人たちが精神医学の診断を受け、治療の対象となる。そして、そこに多額の治療薬が導入され、製薬会社を潤す、という構図が描かれています。

これは、日本も他人事ではありません。

精神分析から生物学的精神医学への流れは、私は好ましい要素を持っていると思います。私は、スポーツ精神科医ですが、生物学は必ずしも薬理学を意味しないことを協調したいと思います。生活の改善…運動、食事、睡眠というごく当たり前のことが、精神的な健康度を上げるということをもっと精神科医は、知るべきです。次の重要な変化にこのことが加わると良いと思っています。



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