2015年7月30日木曜日

悪夢に対する治療 (1) ニューヨークマガジンとMITのビデオ

先日、クリニックにいらっしゃるMRの方々と話していて、悪夢に対する治療というのは、どのようにしているのかという質問を受けました。

確かに、悪夢を訴える患者さんは多く居ます。私は、そのたびに、経過を見たり、薬を変えてみたりしながら対処してきましたが、系統的なストラテジーで悪夢の治療をしてきていなかったなと、反省の材料を得ました。そこで、今回、悪夢についてどのような研究がなされているのか調べてみることにしました。

いくつかの回にわけて、少しずつ調べてみたいと思っています。

今回は、調べていく中でたまたま見つけた、New York Magazine(ニューヨークマガジン)による、悪夢にも良い面が有るという動画を紹介します。





このビデオが教えるところは、日中の経験の中から起こる不安や恐怖を、このような悪夢が「処理をする」ということです。実際の漠然とした不安や恐怖を、夢の中でそれにストーリーをつけ、記憶の倉庫に入れる。記憶は漠然とした不安よりも扱いやすいものであり、それ故漠然とした不安や恐怖に悩まされることから、悪夢によってより扱いやすい記憶に変化し、これはメンタルヘルスに良い影響を与えているという説明です。

夢と記憶の関係は、これまでにも多くの研究がなされていますが、このような仮説が本当に正しいかどうかはまだ良くわからないと思います。しかし、そういった視点で患者さんの悪夢の話を聞きながら経過をみていくことは、経験を共有していくプロセスの一つの視点として良い面もあるかと思いました。

このビデオの中では、こういう研究が有るというだけで具体的な出典は挙げていませんでした。そこで、もう少し調べた所下記の
MIT(マサチューセッツ工科大学)のHPをみつけました。

http://video.mit.edu/watch/the-good-side-of-nightmares-7805/

こちらは、映像はありません。音声だけですが、この中でMcNamaraという研究者の名前がでてきており、どうもこれらの情報源は、写真を掲げた本のようです。この本も購入してみようと思います。

悪夢の治療は、なかなか難しいですが、既にある程度の研究はなされているとも思われ、また特定の薬物で多いなどということがあれば、これは薬理学的に治療可能なものである可能性もあると思います。これらについて、暫くの間自分の課題として調べてみようと思います。

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