2015年2月11日水曜日

モンティー・ホール問題

この時期は、修士課程学生の修士論文公開審査が行われます。私もいくつかの審査に加わりましたが、私が参加した研究で興味深い話題が出ていて、私自身もちょっと騙された感じがあったので、それについて書いてみます。

Monty Hall Dilemmaとしてこの問題は紹介されていましたが、モンティー・ホール問題(Monty Hall Problem)としても紹介されているのでこの名前を使います。Wikipediaにも解説があります。

これは、モンティーホールというアメリカの芸人が司会をしていた、商品付きの商品当てゲームのやり方を示しています。やり方は次のようなものです。

モンティー・ホール問題


1.まず、3つのドアが提示されます。回答者は、その一つに商品の自動車がはいっており、残りの2つにはやぎが入っていると説明されます。
(* 自動車とヤギとどちらが価値があるかわかりませんが、私はヤギも面白いなとちょっと思いました。)

2.そして、回答者はひとつのドアを選ばされます。それに自動車があれば、それが商品としてもらえるわけです。しかし、まだドアは開きません。

3.その後、モンティー・ホールが、残り2つのうち、ハズレのドア、つまりヤギが入っているドアを開いてみせます。そして、回答者に、ドアは今のままで良いか、それともまだ開いていないもう一つのものにするかを聞きます。(Stay=そのまま、か、Change=変える、かどちらかということです。)

4.そして、回答者がStayかChangeを選び、そのドアを開くわけです。


さて、この回答者はStayにしたほうが良いのでしょうか、それともChangeにしたほうが良いのでしょうか。確率的には、Changeにしたほうが、確率が2倍に高まります。これは、なかなか直感的に理解し難いですし、私も理解するのにちょっと時間がかかりました。ですので、みなさんもいろいろなサイトを見ながら、考えてみてください。

簡単に言うと、最初の段階でそれぞれのドアの確率は3分の1ずつ。そして、モンティー・ホールが残りの一つのうちハズレをばらしたところで、残りの方の確率が3分の2に上がったということです。ですので、そちらを選んだほうが二倍当選確率が上がるということです。

この問題のもう一つの面白いところは、人間の心性として、自分の最初に選んだものが外れるのと、最初に選んだものから変えたものが外れるのでは、後者のほうが心の痛みが大きいということです。したがって、このままで良いと思う人の割り合いのほうが結果的には多くなるという興味深い側面もあります。

肝心の修士論文の方ですが、脳波の誘発電位を用いて良い内容のものでした。そちらの方は、研究をした人が論文発表をしたものが出たら、ご覧下さい。

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