2014年12月29日月曜日

「STAP細胞論文に関する調査結果」についての記者会見

会見の一部をニコニコ動画で見ました。委員長の桂氏は、なかなか立派な人物のように思えます。

正直、この一連の流れについては、残念な気持ちです。私は、個人的には若い研究者を応援したい気持ちですが、この流れをみると、やはり研究に対する基本的な、真実に対して真摯に取り組むという構えは、この一連の作業の中には、なかったという気がします。エビデンスの前にストーリーがあって、それを作っていくための部品を、莫大な額の国税を使ってやったということになると思います。調査委員会は、良い仕事をしたとは思います。

何が良くなかったのか?自分なりに思うことは、

1.科学競争。真実を求めるのではなく、競争に勝つことを目的にしてしまったこと。
2.若い研究者を、教育することが十分にできていなかった。多分、大学院の頃から。
3.真摯に研究に取り組み、なかなか結果が出せないが、コツコツと積み上げている研究者でなく、いわば派手に振る舞う研究者が評価される構造

莫大な額の国税を使ったということは、本当に肝に銘じて欲しいと思います。我々も、科研費をとったら、それが自分の研究が良いからもらえたと思いがちですが、その国税を使って、広い意味では国民や世界の人のために研究をやらせてもらって居るんだという意識も、しっかりと同時に持つべきだと思いました。自分自身への、気持ちの引き締めです。

対岸の火事でなく、教育のレベルからこの事件を教訓として前に進めればと思います。


会見スケジュール

①「STAP細胞論文に関する調査結果について」 10時00分~11時30分予定
【調査委員会 出席者】
桂勲 調査委員長(情報・システム研究機構 理事、国立遺伝学研究所 所長)
五十嵐和彦 委員(東北大学大学院 教授)
伊藤武彦 委員(東京工業大学大学院 教授)
大森一志 委員(大森法律事務所 弁護士)
久保田健夫 委員(山梨大学大学院 教授)
五木田彬 委員(五木田・三浦法律事務所 弁護士)
米川博通 委員(東京都医学総合研究所 シニア研究員)

②「STAP細胞論文に関する調査結果を受けて」 11時45分~12時30分予定
【理化学研究所 出席者】
川合眞紀 理事
有信睦弘 理事
加賀屋悟 広報室長

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