2014年12月12日金曜日

新しい睡眠薬 (5) ベルソムラ(スボレキサント)を臨床で使ってみて。

スボレキサントが発売されて二週間ほどですが、良い印象を持っています。様々な患者さんに用いました。スボレキサントは、就寝前に服用することとなっていて、だいたい30分くらい前までには飲むように指導がされています。しかしながら、スボレキサントの作用機序は、オレキシン受容体へスボレキサントが結合し、その結合がノルアドレナリンなどの神経伝達物質への神経活動の促進をブロックし、その結果として眠気が出るというものです。そう考えると、これまで使われてきた、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が、直接的に脳に有る神経細胞の活動性を全般的に下げるというメカニズムとは異なっています。ベンゾジアゼピンの一段階の作用に比べ、スボレキサントが二段構えの作用であることを考えると、作用が開始するのに服用してから、より時間がかかるのではないかと、私は考えています。

これまで、患者さんには、就寝時刻の1時間半程度早めに飲んで、どのくらいで眠くなるのかの時間を教えてくださいとお話してあります。これまで、まだ少数例ですが、服用直後はほぼ眠気は出ないといいます。しかし、だいたい1時間から1時間半くらい経つと、眠気が出てきてこのタイミングで布団に入ると、自然に眠れるという話を多く聞きます。また、中途覚醒があっても、また再入眠しやすい、ということもだいたい共通した印象であるようです。

このような、投与前の説明は大変意味があります。これまで飲んでいた睡眠薬とは違う働き方をするけれども、自然な睡眠を導入するということを丁寧に説明することで、患者さん自身も、使うタイミングを自分で探すという能動的な姿勢になります。

副作用としては、朝は眠気が有る、ちょっと起きにくいというものもあります。しかし、おきられないということはないということです。

これまでの少数例の印象では、

1.少し早めに飲んだほうが良い。
2.中途覚醒に対しては、良い効果がある。
3.朝の眠気は多少あるので、それが強い場合は、より早めに飲むか、15mgの服用にする。

などのことが良さそうに思っています。

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