2014年11月14日金曜日

フルニトラゼパムの血中濃度半減期

フルニトラゼパムは、中間作用型の睡眠薬に分類されていますが、フルニトラゼパムの血中濃度の半減期は、6.8時間と書いてある正書もあって、そうであれば、短時間型に分類されるのかと思っていました。しかし、フルニトラゼパムの血中濃度の減衰曲線は二相性で、最初の12時間でみると比較的速やかに血中濃度がさがるようですが、その後の推移も見ると24時間とも考えられるということでした。


サイレース添付文書より



更に、フルニトラゼパムの代謝物は活性(睡眠薬としての働き)をもっており、この半減期を考えると、36-200時間くらいになるということでした。このことを考え合わせると、フルニトラゼパムの投与は、常にあるレベルの血中濃度が日中にもあるということを考える必要があります。

この薬物はω2ベンゾジアゼピン受容体にも作用します。この受容体に薬が作用すると、抗不安作用が発揮されるため、日中に一定の血中濃度を保つことは、日中の不安を和らげる作用もあるわけです。時に、不眠の患者さんは睡眠に対しての不安が強い場合が多く、このような不安を和らげる意味ではこの薬物を使う意味はあるようにも思います。

よく効く薬なのですが、アメリカでは持ち込み禁止薬物でもあり、慎重に量が増えないように、血中濃度の推移や依存について患者さんにも話しながら使っていく種類の睡眠薬であろうと思っています。



参考
http://www.chm.bris.ac.uk/motm/rohypnol/rohypnolh.htm

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