2014年9月8日月曜日

夜間頻尿 (1) ロキソニンの効果

夜尿症の治療について、以前書きましたが、中高齢者の睡眠の問題で比較的大きいのは、夜間頻尿の問題です。夜間頻尿に関しては、先に書いたトビエースも効果があると思いますが、日経メディカルの記事に、ロキソニン(ロキソプロフェン=解熱鎮痛剤)が効果があるという説明がありました。これについて少し調べてみました。

ロキソニンが分類されるところの、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)には、尿反射を低下させる作用があるようです。また、ロキソニンにはプロスタグランジンEP1受容体に対しても拮抗作用が有り、これが排尿の知覚を低下させます。更には、腎臓での尿産生の抑制作用もあるようです。これらが総合的に働いて夜間頻尿の軽減につながるというのが考えられる機序です。

私はこれまで、ロキソニンを夜間頻尿の治療に用いたことはありませんでしたが、これらの作用機序をみると、治療がうまくいかないケースに対してロキソニンを用いるという選択肢を考えておいても良いのではないかと思いました。

一方ロキソニンの副作用としては、胃腸障害、腎障害などがあり、これに対しての注意も必要だと思います。これらについて、十分に調べ、本人にも副作用についてお話した上で、効果が期待できるケースに用いてみる価値はあると考えます。

高齢者の夜間頻尿は、睡眠障害の中でも治療が厄介なものです。このように、さまざまな治療方法の選択肢を持ちながら治療に当たることが、最終的には患者さんの生活の質の向上につながると思いました。

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