2014年7月14日月曜日

第110回 日本精神神経学会 (4) 大人の発達障害の外来プログラム

このセッション名は、「高機能発達障害の職場における課題と精神科医療の取り組み」というのが正式です。様々な先生がお話になりましたが、札幌駅前クリニックの横山太範先生のサイコドラマについての紹介が非常に興味深い発表でした。サイコドラマというものについて、私自身は漠然とした知識はありましたが、あまり詳しいことは知りませんでした。横山先生は、これまでにも熱心にサイコドラマに取り組んでおられるようで、このような技術を持った人の認定団体なども立ち上げているようです。横山先生は、そのビデオをお持ちになって、サイコドラマの様子を紹介されました。

サイコドラマについては、東京サイコドラマ協会という会があり、そこで公認のサイコドラマディレクターの認定をしているようです。その方法については、正確には専門家に問い合わせて欲しいのですが、シンポジウムで取り上げられたのは、ある人が職場などのある状況にあった場面を作り、そこで同僚が言う言葉に対して本人がその反応を発します。その後、今度は同僚と本人が入れ替わって同じことをする。これによって、本人の振る舞い、また心理的な動きを外から客観的に見るということを行うということがひとつの要素になっているようでした。

この方法は、ずいぶん効果があるだろうなと私は思いました。なかなか、客観的に自分を見ることはできませんし、発達障害のある方々は、どうしても独善的で一つのことに囚われるとそのことばかりを考えてしまう傾向があるので、そういった自分を客観的な視点から見る経験ができるというのは良いと思いました。

この他にもいくつかの発表がありましたが、自分が診療する上での悩みとしてもあることで、発達障害の「傾向」のある人達について、この人達を発達障害の治療ベースに乗せるのが良いかどうかという問題について、考えさせられました。患者さんにとっては、もし生活が改善するのであれば、それで良いということもあるかもしれませんが、障害とまで言えない人に対して、薬物療法を含めた治療をするのかどうか。また、そのラインはどこに引くのか。これは、臨床の現場の中で、患者さんのニーズなども鑑みながら考えていくことではあるとは思いますが、そこから積極的に薬物療法をすべきかについては、特に更に考えていくべき問題とも考えさせられました。

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