2014年5月28日水曜日

概日リズム睡眠障害(極度の夜型)を光で治療する

以前に、生物時計の仕組みや朝型夜型について解説しましたが、このような睡眠覚醒のリズムの問題がひどくなると、社会生活にも差し支えることになります。問題として最も多いのが極端な夜型の人です。このような人は、ある割合いて、多くは高校生くらいに顕在化してきます。朝が極端に苦手で、学校に行く時間に起きられず、毎日遅刻します。本人は、学校がいやだというわけではないので、早く起きられるように努力もするのですが、なかなか起きられません。午後からは学校に行って、クラブ活動もちゃんとやって帰ってくる人もいます。家でも勉強をして、明日は早く起きられるようにと、早めに寝るのですがなかなか寝付けず、明け方近くに寝つくと翌日はまた起きられないという状況です。このような状態は、概日リズム睡眠障害というカテゴリーの中の、睡眠相後退型というタイプで、治療の対象になります。睡眠相後退症候群とも言います。これは以前にも書きました。

このような人たちは、生物時計のリズムは、約24時間周期なのですが、タイミングがずれてしまっているわけです。通常は、体温は明け方に最も低く、午前中は体温が上がってきます。しかしこのような人たちは、リズムがずれているので、体温が上がってくるのが昼近くになります。そうなると、通常の時間帯、例えば7時に起床するのは、我々が夜中の2時か3時に起きるのと同じことになってしまうわけです。毎日そんな時間に起きて学校に行かされるわけですから、とても続かないわけです。

このような人は、しっかりとリズムを戻してあげなければいけません。そのために有効なのが光です。この説明をする前に、用語の説明をしましょう。

リズムを早寝早起き方向にずらすことを
   ⇒前進といいます
   ⇒これは、プラスの数字で表されます
   ⇒例えばプラス1時間ずらすというのは、1時間早寝早起き方向にリズムをずらすことです

リズムを夜更かし朝寝坊方向にずらすことを
   ⇒後退といいます
   ⇒これは、マイナスの数字で表されます
   ⇒例えばマイナス1時間ずらすというのは、1時間夜更かし朝寝坊方向にずらすことです

これがわかったら、次のグラフが理解しやすくなります。このグラフは横軸が時刻です。Sleepと書いてあるところが通常の睡眠時間で午後11時ころから朝7時ころになっていますね。そして、朝6時ころに青い線がプラスの方向(上)に大きくふれています。これは、この時間に光を当てると位相が前進(早寝早起き方向)に移動するということです。




http://sites.duke.edu/everydayscience/

このようなグラフを位相反応曲線といいますが、しかし、睡眠の前半にあたるような時刻に光を浴びると、逆に夜更かし方向に位相が変化してしまうことも示しています。つまり、夜更かしして明るいところにいると、朝起きにくくなるということですね。

睡眠が後退している患者さんには、このような光を用いた治療を行うこともあります。光を当てるタイミングは、もし位相がずれている人であれば、その人の位相に合わせて当てなければならないので、専門的な知識も必要です。

このような光の効果は、青白い光が大きな効果を持っていることもよく知られています。このような光は、コンピュータの画面からも多く発せられているので、寝る前にコンピュータやスマートフォンの画面を見つめるのは、睡眠にはよくありません。最近は、このような青白光をかっとするソフトウェアなども出ています。


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