2014年5月8日木曜日

アスリートの時差対策 (6)

(5からの続き)成田空港で飛行機に乗る時の注意

ここで、飛行機に乗る際に、実際に竹澤選手に指示したことですが、東向きのカリフォルニア便は通常夕方便で、現地には午前中に到着します。その後、夜までずっと起きていることになるので、なるべく飛行機の中では眠るようにしたほうが良いので、そのように指示しました。また、このためには、搭乗前に食事をとってしまって、機内ではなるべく眠るほうが良いわけです。その他に飛行機に乗る前には、時計を現地時間に合わせる。時計を合わせることは、外的因子として、体内時計に 影響を与えることになるので、これも指示しました。機内では水分を多めにとる。アルコールやコーヒーは控えることも話しました。飛行機の中は乾燥しているので、水分を補給したほうが良いし、時差とは直接関係はありませんが静脈血栓などの発生を予防する効果もあります。

この指示は、出発の何日か前に話したのですが、彼はしっかりとそれを覚えていて、食事を予め取り、時計をしっかりとカリフォルニア時刻に合わせていました。このようなトップアスリートに接すると、伸びるアスリートの要件として、貪欲に情報を吸収し、自分で考えて、納得したことはしっかりと事項するという行動力が、ずば抜けて高いと感じます。トップアスリートには若くても尊敬できる人が多く居ます。

さて、無事カリフォルニアに到着し、翌日の朝の集合に私も参加したのですが、竹澤選手は、非常にスッキリした顔をしており、すごく良く眠れたと話していました。一方で、同行した別の選手は、寝付きが悪く夜中に何度も起きてしまったと話していました。その後、竹澤選手と一緒にしばらくジョギングもさせてもらいましたが、彼は体調も良い。日本で朝走るのと同じ感覚ととても嬉しそうでした。このような状態で、数日後に試合に参加し、良い結果を出したわけです。


競技の会場でトレーニングする竹澤選手


実際に選手に同行してみると、このような時差対策は、時差を克服するだけでなく、体調が良い状態で現地入りした時の安心感という、メンタルな側面も大きくあるように思いました。現地入りしたあと、体調の良い状態で、試合に向けてのコンディショニングができるようになると、現地での滞在時間が非常に有効に使えます。

私は、大学の講義などがあり試合は観戦できませんでしたが、彼は試合で当時の学生新記録を樹立したわけです。この時差対策は、私にとってもとても大きな経験になりました。

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