2014年3月10日月曜日

マスクと精神科の患者さん

この季節になると、花粉の影響で街にはマスクをしている人たちがあふれています。こんなにマスクをしている人が多い国は珍しいと思いますが、最近は北京などもPM2.5の影響でマスクしている人は多いようですね。精神科の患者さんもたくさんの人がマスクをしてきます。患者さんによっては、花粉症の薬出してくださいとおっしゃいます。先日の日経メディカルには、下記のような記事が出ていました。眠気の少なさを考えると、アレグラが良さそうですね。

医師1067人に聞いた「お気に入りの抗ヒスタミン薬」
花粉症医師の8割が抗ヒスタミン薬を服用
一番人気はアレグラ、続いてザイザル、アレロック
2014/2/28 田島健=日経メディカル

さて、ここでマスクを話題にしたのは、花粉症のことではありません。精神科の患者さんの中でマスクをしてくる人は、殆どと言って良いくらい顔を隠すためにマスクをしています。そういう意味で、この季節は患者さんにとっては、特別目立たずにマスクをできる良い季節かもしれません。マスクをしてくる患者さんの多くは、社交不安障害の方です。その他の疾患もありますが、外にでるときにマスクをしたりサングラスをすると、自分自身をみられずに安心できます。

そういう患者さんも、診察室の中ではマスクを取ってもらうようにしています。取るのが面倒くさくてそのままになっていたり、マスクを外してもらったことが何度もあるので、マスクをしていてもバリアにならないような患者さんの場合には、わざわざ、聞きませんが、初診の患者さんや、表情をよく知りたい患者さんの場合には、少し話をして慣れてきたら、「マスクを外すことができますか?」とお聞きします。

ほとんどすべての患者さんが、マスクを外してくれます。多くの患者さんは、自分自身がそういう問題を持っていて、そのことを相談する相手としての治療者に対しては、マスクは必要ない場合が多いです。逆に治療者に対しても顔を隠したい場合は、まだ十分な治療関係ができていないと考えても良いのではないでしょうか。

治療がうまくいくと、マスクが取れることもあります。マスクがとれて、イキイキとした顔を見られる患者さんは、この状態を是非維持するために、精神的なサポート、薬物治療、両方においてより気を抜かずにやっていかなければならないとも考えています。

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