2014年2月25日火曜日

メランコリー親和型性格

うつ病の患者さんの治療をしていると、メランコリー親和型性格と呼べる人は非常に多い。このような人は、社会の中では信頼される役に立つ人たちだ。人のために自分を犠牲にして、強い責任感のもとに一生懸命に仕事をする。自分では自分を犠牲にしているとは、思っていない。

患者さんとの診察時に、こんなことを話す。「例えば、あなたの同僚の方が、来週ハワイ旅行に一週間行くとする。その人は自分の仕事はしっかり済ませていくつもりという。ただ、そうは言っても一週間となると、その人の仕事のフォローはしなければならない可能性はある。その人は、その時はお願いねぇ!という。そんな時に、あなたはどうですか?」と。「もちろん、楽しんできて。なんかあれば、私がやっておくから気にしなくて大丈夫…。とそんな感じじゃないですか?」「では、あなたが、来週ハワイ旅行に行くとして、同じように同僚にお願いできますか?」「いや、私は絶対出来ません。多分、お盆とかみんなで休む時以外は、休みを取るのは難しいと思います。」と。

こういう人は、社会の中では非常に評価される。また、きちんと仕事をするので、仕事の量が増える。また、仕事を断らないので更に増える。そして、夜中まで毎日仕事をすることになり、最終的に自分が潰れてしまう。

メランコリー親和型性格は秩序を重んじる一方で、その中で安定している面もある。毎日のルーチンワークをこなし、それが人のためになっている状態は非常に安心である。したがって、昇進や転勤などの変化があるとそれが大きなストレスになることもある。

治療では、まずは、このことを本人に知ってもらう。そして、それは本人の欠点では決して無いけれども、自分がそれによって苦しくなることもあると。それでは、本来社会のためにやくにたつ役割がダメに成ってしまうので、うまく自分で調節して継続ができるようにすることが大事であるとお話する。何度も同じ考えはでてくるので、そのたびに指摘をして、修正をしていけるようにする。これは、辛抱強い作業だけれども、少しずつ変化は見られる。

メランコリーについては、これでよいとは思うが自分は原典をしっかりと読んでいないことに気づいた。遅いかもしれないが読んでみようと購入した。

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